「言った言わない」問題が起こる原因と対策は?予防策と状況も紹介

「言った言わない問題……どう対処したらよいだろう?」
「クレーム対策として、誰が何を言ったか把握しておきたい」

このようにお悩みではありませんか?

言った言わない問題は、業務上のトラブルや顧客からのクレームを引き起こす原因のひとつです。

客観的な証拠があれば言った言わない問題に発展しない場合も多いため、トラブルに備えて、当事者の発言内容を記録しておくことが重要になってきます。

そこでこの記事では、言った言わない問題が起きる状況と原因、対処法を解説します。言った言わない問題に関して詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

なお、電話による言った言わない問題を始めとしたコミュニケーション管理、および業務の進捗管理に長けたツールが「カイクラ」です。

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目次

ビジネスのマイナス要因となる「言った言わない問題」

「言った言わない問題」とは、相手との会話で誤解や認識の不一致が生じた際の争いや議論を指します。通話録音など客観的な記録が残っていないため、水掛け論になる場合が多いです。

職場や顧客とのコミュニケーションにおいて言った言わないの問題が発生すると、双方で「自分が正しい」と主張するため、業務上のトラブルやクレームに発展する恐れもあります。

契約や支払い、納期などに関する重要な内容を口約束した場合、重要度によって発言者やその人の所属する組織に対して責任が問われることもあり、大きな問題になりかねません。

顧客との商取引で言った言わない問題が発生すると、信頼の損失につながり今後の取引に影響するリスクもあります。そのようなことにならないためには、問題を未然に防ぐための対策が必要です。

それでは続いて、言った言わない問題がどのような状況で発生するのかを具体的にみていきます。

言った言わない問題が起きるシーン3つ

言った言わない問題は、コミュニケーションにおける認識のずれをきっかけに起きることがほとんどです。言った言わない問題は、主にどのようなシーンで発生しているのでしょうか。以下の順で詳しく解説します。

  1. 商談・交渉時
  2. 業務中
  3. 契約時

よくある例と共に解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【シーン1】商談・交渉時

営業や商談、価格交渉など顧客とのやりとりで発生する言った言わない問題は、自社の営業担当者と顧客間での認識違いが原因でクレームに発展することもあります。

契約における注意事項、料金の支払い方法やサービス(製品)の利用開始(納入)の時期など認識と異なる場合、言った言わないのトラブルが発生します。

▼例

顧客とは「納入は30日以内」と口頭で合意していたが、担当者は「30営業日」と認識していた。これが原因で顧客が予定していた日付より納入が遅れ、トラブルとなる。

根本にある認識のずれが、言った言わない問題を引き起こします。言った言わない問題を起こさないためには、納期や金額などは具体的に伝え、相手がわかるように説明をすることが大切です。

▼例

×納期は30日以内
〇納期は休業日を除く30営業日以内

なお、言った言わないのクレームに万が一発展してしまった場合に備えたい方は、以下の記事もあわせてご一読ください。

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【シーン2】業務中

社内で起きる言った言わない問題は、業務上の確認ミスによって発生するケースが多くあります。

▼例

久しぶりに担当する業務フローが変わっていた場合、「以前と同じ作業をすればよい」と考え再確認をせずに業務に取り組む。

業務手順は状況によって改善・更新されていくもので、以前の手順で行うと業務品質が変わってくるため「新しいフローの共有をしていなかったのか」「聞いていない」という言った言わない問題が発生する。

現在求められている業務品質が得られず、やり直しや納期遅延が起きてしまうと「業務指示を誰がいつどのように出したのか」という問題に発展することがあります。その際に当事者間で言った言わない問題が起きやすくなるでしょう。

【シーン3】契約時

3つ目に社内・社外問わず言った言わない問題になる典型的なシーンとして、契約時があります。

たとえば、社内にて社員から「ボーナスの未払いについて、入社前に聞いた内容と実際の支給額が異なる」というクレームが寄せられた場合をみてみましょう。

▼例

入社前に採用担当者から「年間でボーナスとして給料の30%が支給される」と聞いていたが、契約書には業績に応じて変動することが明記されていた。

会社の業績不振によりボーナスが大幅に削減されたが、社員は口頭で聞いた話を根拠に言った言わないのトラブルに発生した。

この場合社員が入社前に何を聞き、それに対応した担当者が何を約束したのかを確認する段階で、言った言わない問題が起きやすいです。

就業規則にボーナス支給額に関する明確な規定があるにもかかわらず支払いが行われない場合、法的な手段に発展することもあり慎重な対応が求められます。

もうひとつの例として、顧客との契約時の言った言わないトラブルをみてみましょう。

▼例

カスタム家具メーカーが顧客との間でオーダーメイド家具を製作するための見積もりに合意。

製作途中で顧客がデザインの変更を求め、業者はこれを口頭で了承するが、費用について明確な合意を得ていなかった。完成した家具の支払い時に、顧客は当初の見積もり金額を支払うことを求めるが、業者は変更による追加費用を請求する。

口頭での契約も有効ではありますが、契約書などの証拠がないと問題が発生した際に解決が難しくなり、言った言わないの争いに発展しやすくなります。このような状況を避けるためには、金額が少なくても契約時に書面を作成することが重要です。

言った言わない問題が起きる主な原因3つ

言った言わない問題が起きるシーンをみてきましたが、トラブルとなることが多いのは、当事者間で認識に違いがある場合です。では、なぜ言った言わない問題に発展するほど、当事者間で認識がずれてしまうのでしょうか?

そこでここでは、認識のずれによって言った言わない問題が引き起こってしまう原因を紹介します。

  1. コミュニケーションがとれていない
  2. 進捗確認と業務報告ができていない
  3. 経緯がわかる記録がない

とくにコミュニケーションの有無は言った言わない問題に大きく関係します。それではみてみましょう。

【原因1】コミュニケーションがとれていない

コミュニケーションがとれていないことは、言った言わない問題を引き起こす大きな原因のひとつです。

「説明したつもり」「言ったつもり」で対応したことは、実際には伝えるべき情報が抜け落ちていたり、相手に伝わらなかったりする場合があります。

▼例

チームミーティングで上司がタスク期限について伝えたつもりでいたが、具体的な日付を言い忘れていた。

チームメンバーは期限を認識せず、プロジェクトが遅延してしまった。

相手に明確に伝えたつもりでも、コミュニケーション不足で相手が内容を正確に把握できていない状況は、言った言わないの問題につながります。

コミュニケーション不足によるすれ違いは、長い時間会話した後、最後に双方で決定した事項を確認し認識のすり合わせを行うことで防ぐことができます。

【原因2】進捗確認と業務報告ができていない

2つ目の原因は、進捗確認と業務報告ができていないことです。

同じプロジェクトに携わるメンバー間で連絡や報告が欠けていると、「誰がどの作業をどこまで実施したか」など進捗の把握が難しくなるでしょう。

▼例

プロジェクトリーダーがクライアントとの会議で決定したデザインの変更をチーム全体に共有するつもりでいた。

しかし実際には忙しさのあまりチームの1人にしか伝えておらず、他のメンバーには進捗確認と業務報告は共有されていなかった。

その結果、変更が反映されていない納品物が完成し、「変更を言った」「変更を聞いていない」という言った言わない問題に発展した。

仕事やプロジェクトを円滑に進めるには、状況報告などの情報共有が必須です。進捗確認と業務報告が欠けることで、結果として言った言わない問題に発展してしまいます。

【原因3】経緯がわかる記録がない

3つ目の原因は、誰が何をしたのか経緯がわかる記録がないことです。記録が残されていないと、事実を客観的に把握することが難しくなるため、言った言わない問題に発展する可能性が高くなります。

たとえば取引先との商談の記録がない場合、どのようなことになるでしょうか?有利な条件で商談が終わっても、後日契約の際に「そのようには話したことはありません」と言われたらなすすべはありません。

▼例

新規クライアントとの初期ミーティングでサービスの範囲、価格、および開始日を、営業は口頭で合意する。

後日、サービスが提供されたとき、クライアントから「約束されたサービスが提供されていない」「価格が違う」と主張するが、営業は別の理解をしていた。

口頭でのやりとりで契約書がないため、双方の主張に対する証拠がなく言った言わない問題につながる。

しかし、商談で話した内容に関する記録があれば「○○とおっしゃっていましたが、契約書に記載させていただいてもよろしいでしょうか」と相手に伝えることが可能です。

相手が発言を覚えていない内容でも、記録を根拠に確認してもらうことができるでしょう。

ここまで、言った言わない問題の原因を3つ紹介してきました。これらからわかることは、仕事の進捗確認や業務報告を含む、円滑なコミュニケーションの重要性です。

また、言った言わない問題にならないためには発言の記録を残すことも役立ちます。

しかしながら、具体的な対策までは思い浮かんでいない方もいるのではないでしょうか?そこで次に言った言わない問題の防止策を紹介します。

言った言わない問題の防止策3つ

言った言わない問題は、対策を講じておくだけで防止することが可能です。ここでは、防止策を以下の順で解説します。

  1. コミュニケーション履歴を含む情報共有を徹底する
  2. 業務の報連相を徹底する
  3. 口約束はせず記録に残す

どれも問題を回避するために役立つ防止策となっておりますので、ぜひご一読ください。

【防止策1】コミュニケーション履歴を含む情報共有を徹底する

まず、コミュニケーション履歴を含む情報共有を徹底することが大切です。

言った言わない問題に発展するのは、コミュニケーション履歴の記録が存在しないなど、客観的な証拠がないときです。

証拠がない状況を回避するには、会議の議事録や商談の報告書などを作成し、日頃からそれらの情報共有を心がけましょう。これらはコミュニケーションの履歴として保管されるため、トラブル発生時の問題解決に役立ちます。

また、電話やメールなどコミュニケーションツールを使用している場合は、通話録音やコミュニケーションの履歴を記録・一括管理できるツールの利用をおすすめします。

たとえば「カイクラ」を利用すれば、電話やメールなどの異なるコミュニケーション手段でもまとめて管理することが可能です。商談や交渉で発言した細かな情報も簡単に記録できるため、報告書を作成する際にも役立つでしょう。

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【防止策2】業務の報連相を徹底する

防止策の2つ目は、業務報告と連絡、また必要に応じた相談を徹底することです。たとえば、日報で進捗報告をすれば誰が何をどこまで進めたのかを把握でき、円滑な進行の鍵となります。

また、報告を通じて状況把握がしやすくなり、当事者間の発言内容も明確化されます。言った言わない問題が起こってもすぐに解決できますし、そもそも発言内容が明確になっているため言った言わないのトラブルは発生しません。

さらに、業務報告をしながら気になったことや疑問点を上司に相談することで、将来的な業務トラブルの防止も期待できます。

【防止策3】口約束はせず記録に残す

防止策の3つ目は、口頭での約束でも記録に残すことです。契約などの重要な事項は書面で契約を締結し、曖昧にしないようにしましょう。口約束は、立証されないと効力は弱いです。

トラブルに発生した際に担当者を守るためにも、約束事を正式な書面にし、記録に残すことが大切です。書面にすることで、状況把握ができ「誰が何を約束したのか」が明確になります。

また後のトラブルを防止するため、少しでも疑念がある場合は、具体的な内容を確認したり相談したりすることも大切です。見逃された些細なことが後に問題に発展する可能性もあるため、記録を残すことを徹底しましょう。

言った言わない問題が起きたときの対処手順を紹介

前章では防止策をみてきましたが、最善の注意を払っていても言った言わない問題が起きることはあります。その場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

ここでは、言った言わない問題の対処手順を解説します。

  1. 状況を確認して整理する
  2. 双方の認識をあわせて交渉する
  3. 決定事項を記録し情報共有する

ぜひ参考にしてください。

【手順1】状況を確認して整理する

まずは、言った言わない問題が起きた状況を確認し、整理します。具体的には、以下の情報を時系列に整理しましょう。

  • コミュニケーションの履歴:メール、電話、チャットツールなとのやりとり内容
  • 使用した書類:資料、議事録、営業報告書など
  • 関係者の証言:当事者の会話内容や主張

これらの情報を整理したら問題の原因や経緯を分析し、因果関係を浮き彫りすることを目指しましょう。

【手順2】双方の認識をあわせて交渉する

原因が特定できたら、次に問題解決に向けて当事者間の認識を確認し、解決に向けた交渉を行います。このときあらかじめ整理した情報をもとに、双方の立場と事情をそれぞれヒアリングし、食い違いがある部分を明確にすることが重要です。

例として自社と工場を営む取引先で、部品の納入予定日(納期)に認識違いがあったケースを考えてみましょう。

▼例

納期に関する認識違いが起きた原因は、自社担当者の「5日で納入できます」という発言。

取引先はその言葉を「その月の5日に納入される」と認識したが、自社担当者は「発言した翌日から5日後に納入できる」という意味で伝えていたため、取引先工場の稼働スケジュールに変更が生じてしまった。

クレームに発展した場合、自社にできる施策は、交渉をして双方にとってデメリットの少ない対処法をみつけることです。

上記の例では、取引先に不利益が生じないように、最短納期で部品を納入するといった対応が考えられます。

【手順3】決定事項を記録し情報共有する

交渉して対処法が確定したら、その内容を記録しましょう。

そして、関係者に問題の発生から解決までの経過に関する情報を共有します。これにより、問題の因果関係が全員に伝わり浸透させることができるため、今後の再発防止策に活かせるでしょう。

このように、言った言わない問題はトラブル対処例として記録しておくことで円滑な業務運営に役立てることが可能です。

さらに、社内の業務マニュアルに取り入れるなどの施策を講じることで他の社員にも情報を伝えることが可能となり、言った言わない問題対策になるでしょう。

ここまで言った言わない問題が発生した際の対処手順をみてきましたが、あらかじめやりとりを記録し、情報として残すことが大切なことがわかりました。そこで次にやりとりを記録するおすすめの方法を紹介します。

コミュニケーションの行き違いを防止するなら「カイクラ」

電話での言った言わない問題は、対応した社員ひとりだけがわかるという状態をなくし、第三者への情報共有によって客観的なコミュニケーション履歴を残すことが大切です。そこで役立つのが、ツールによる通話録音です。

たとえばコミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」の場合、以下の機能で通話履歴をもれることなく管理します。

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さらに社内の情報共有もしやすいため、担当者以外の社員が電話に出たり急な担当替えで引継ぎが必要になったりしても、対応がスムーズです。

何よりも通話録音なら相手の発言をそのまま記録できるため、客観的な事実として発言記録を証明できます。

カイクラはその機能が標準となっているため、あらゆるシーンで発生しやすいコミュニケーションエラーの予防に有効です。

より具体的に機能やメリットを知りたい方は、以下より詳細あわせてをご確認ください。

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まとめ:言った言わない問題について知り、防止策を練ろう!

言った言わない問題は、社内外のコミュニケーションに齟齬がある場合に発生しやすいです。しかし発言を記録し、やりとりで決定した事項を書類や契約書に記載することで、トラブルを回避することができます。

今回紹介した防止策や対処手順を参考に、言った言わない問題に取り組まれてはいかがでしょうか。

なお、コミュニケーションの記録を効率的に残すならツールの利用が役立ちます。通話録音を標準装備したコミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」は、自動で通話を録音するだけではなく顧客情報と紐づけることも可能で、案件管理を各段に効率化できます。

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この記事を書いた人

カイクラ編集部です。カイクラ.magは、株式会社シンカが運営するオウンドメディアです。 「音声を記録し、会話を企業価値に」をモットーに、「会話」に関する様々なテクノロジーや最新情報、企業の業務効率化や社内コミュニケーションの活性化事例など、すべての企業にとってお役に立てる情報を幅広く発信します。

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