グローバル化やインバウンド需要により、外国人の電話を受けたり、取引で海外に連絡を取ったり、英語の電話対応の必要性が増えています。
しかし慣れていなかったり苦手意識があったりすると、いざ電話対応を英語でしなければならないとき焦ってしまうのではないでしょうか。
ビジネス英語の電話対応には定番フレーズがあり、いくつかのケースをイメージしながら覚えることが大切です。
そこでこの記事では、ビジネスシーンですぐに使える英語の定番フレーズや知っておきたい英語の電話対応のポイントを紹介します。英語の電話対応をブラッシュアップする方法も触れているので、ぜひ最後までご一読ください。
なお、英語の電話対応になれていなかった場合、そもそもどんな要件を受けたのか担当者に伝えるのが難しいこともあります。このような場合は、通話録音機能を備えたシステムの導入がおすすめです。
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【受信時】ビジネス英語の電話対応に使える定番フレーズ
ビジネス英語の電話対応の基本的な流れは、英語でも日本語でも変わりません。電話を受けた場合、次の2つのポイントに沿って電話対応が進みます。
【受信時のポイント】
- 挨拶と名乗り、用件の確認
- 相手の名前を伺う
- 担当者へ取り次ぐ
・挨拶と用件の確認
「おはようございます/こんにちは」
「お電話ありがとうございます」
「本日はどのようなご用件でしょうか?」
・相手の名前を伺う
「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
・担当者へ取り次ぐ
「担当へおつなぎします」
明るい挨拶、相手の用件および名前確認は、電話を受けるときの大切なポイントです。
受信時に使える英語での定番フレーズと、ワンポイントアドバイスを、電話対応のシーンにあわせてご紹介します。
一般的な電話マナーに関しては以下のページで解説していますので、参考にしてください。
【場面1】挨拶と用件を確認する
まず電話に出たら、印象の良い挨拶と名乗り、相手の用件を聞き取ることが必要です。
名乗るときには、こちらの「会社名」と「自分の名前」を明確に伝えます。
▼定番フレーズ
「Thank you for calling the ABC company. This is 〇〇 speaking. How can I help you?」
(お電話ありがとうございます。ABCカンパニーの〇〇です。どのようなご用件でしょうか?)
◆ワンポイントアドバイス
CanをMayにすると、より丁寧になります。
例:Thank you for calling the ABC company. 〇〇 speaking. How may I help you?
【場面2】名前の確認をする
一般的な電話マナーでは、電話をかけた方が先に名乗るとされています。もし、相手が名乗らない場合は以下のフレーズで確認します。
▼定番フレーズ
「May I ask who’s calling?」
「May I have your name, please?」
(お名前を教えていただけますか?)
◆ワンポイントアドバイス
もっとカジュアルに言いたいときは、以下の例文に言い換えできます。
「Can I get your name, please?」
(名前を教えてもらえますか?)
【場面3】担当者へ取り次ぐ
担当者にすぐ取次ぎできるときは、以下のフレーズがよく使われます。
▼定番フレーズ
「Please hold on a moment, and I’ll connect you to the right person.」
(少々お待ちください。担当者におつなぎします。)
「I’ll put you through the marketing department.」
「I’ll transfer/connect you to the person in charge of marketing.」
(マーケティング部におつなぎします。)
◆ワンポイントアドバイス
相手の会社名や名前はメモを取り、スムーズに担当者に伝えられるようにしましょう。また、相手を待たせないためにも、取り次ぎの時間はできるだけ短くすることが大切です。
電話の取り次ぎをスムーズにする方法を以下のページで案内しています。あわせてチェックしてください。
【場面4】担当者不在を伝え伝言を預かる
取り次ぎしようとした担当者が不在のときの定番フレーズは、次の3つです。
▼定番フレーズ(通常シーン)
「I’m sorry. He’s not available right now.」
(申し訳ございません。彼は今電話に出られません。)
「He’s out right now.」
(ただいま外出しております。)
「He’s in a meeting at the moment.」
(ただいまミーティング中です。)
▼定番フレーズ(伝言を受ける場合)
「Would you like to leave a message?」
「Can I take a message?」
(メッセージを承りましょうか?)
◆ワンポイントアドバイス
不在を伝えるフレーズと伝言を受けるフレーズをあわせて使うと、相手に丁寧な印象を与えられます。ぜひセットで覚えましょう。
「I’m sorry. He’s not available right now.Would you like to leave a message?」
(申し訳ございません。ただいま担当者は電話に出られません。メッセージを承りましょうか?)
【場面5】保留を案内する
情報の確認や上司に相談が必要な場合は、保留にします。
▼定番フレーズ
「Can you hold on for a moment, please?」
「May I put you on hold for a moment?」
(少々このままでお待ちいただけますでしょうか)
◆ワンポイントアドバイス
相手に保留する理由とおおよその待ち時間を伝えましょう。また、保留に対する感謝の気持ちも伝えます。
「Can I put you on hold for about ○minutes, please? ―Thank you.」
(○分ほど、このままお待ちいただけますでしょうか? ―ありがとうございます)
【場面5】クロージングする
電話を切る前に、丁寧に終わりの挨拶をします。
▼定番フレーズ
「Thank you for calling ABC company. Have a great day!」
(お電話ありがとうございました。良い1日を!)
◆ワンポイントアドバイス
電話は、気持ちよく切ることが重要です。
なお、日本語より英語の電話対応のクロージングは簡潔な傾向があります。お礼の表現と別れの挨拶のセットでシンプルにクロージングしましょう。
【発信時】ビジネス英語の電話対応に使える定番フレーズ
電話をかけるときの、基本的な流れは日本語と同じです。
【発信時のポイント】
- 名前を伝える
- 担当者に取り次いでもらう
- 用件を伝える
・名前を伝える
「いつもお世話になっております。○○会社のスズキです」
・担当者に取り次いでもらう
「経理のサトウ様はいらっしゃいますか?」
・用件を伝える
「先日のお見積もりの件でご相談があります」
明るいトーンと明瞭な発音で話すように心がけましょう。
以下、場面別で英語でのフレーズを紹介します。
【場面1】名前を伝える
電話をかけたときは、こちらの所属と名前を伝えます。
▼定番フレーズ
「Hello, this is 〇〇 from the ABC company.」
(こんにちは、ABCカンパニーの〇〇です。)
「Good morning/afternoon, this is 〇〇 speaking. 」
(おはようございます/こんにちは、○○です。)
【場面2】担当に取次いでもらう
話したい担当者に取り次いでもらいます。
▼定番フレーズ
「May I speak to 〇〇, please?」
(〇〇さんはいらっしゃいますか?)
「Could you transfer me to the sales department?」
(この電話を営業部に転送していただけませんか?)
【場面3】用件を伝える
用件は、電話相手が担当者へスムーズに伝えられるように、簡潔に伝えましょう。
▼定番フレーズ
「I’m calling about the appointment tomorrow.」
(明日のアポイントの件でご連絡をしました。)
「I’m calling to discuss the event.」
(イベントの件をご相談したくご連絡をしました。)
【場面4】(担当が不在の時)伝言をお願いする
担当者が不在の場合は、電話があったことを伝えてもらいたい場合があります。
伝言をお願いする定番フレーズは以下の3つです。
▼定番フレーズ
「Can I leave a message?」
(伝言をお願いできますか?)
「Could you tell him to call me back, please?」
(後ほどお電話をいただけますか?)
「Could you tell him to that I called, please?」
(電話があった旨お伝えいただけますか?)
◆ワンポイントアドバイス
伝言を残すときは、次の2つの情報も伝えるとより正確な対応が期待できます。
・名前と連絡先(電話番号やメールアドレス)
「This is ○○. You can reach me at 090-1234-5678 or abc@xyz.com.」
(私は○○です。連絡先は、090-1234-5678 またはabc@xyz.comです。)
・伝言の内容(電話があったことだけ/簡潔な伝言)
「I just wanted to leave a message for Mr.○○. Could you please let them know that I called?」
(○○さんへ伝言をお願いしたいのですが、電話あったことを伝えていただけますか?)
「Please inform Ms.○○ that I called and would like them to return my call at their earliest convenience.」
(○○さんに私から電話があったことを伝えていただけますか?できるだけ早く、折り返しのお電話をお願いします。)
以下のページで、留守番電話の伝言の残し方のポイントを解説しています。
困った時に使える英語の電話対応の定番フレーズ
「電話が遠くて聞こえづらい」「もう一度話してほしい」など、電話中に困った場合、次の定番フレーズを使ってみましょう。
【場面1】電話が遠い時
相手の電話の音量が小さすぎたり、電話回線の音質が良くなかったりなど、電話が遠い場合の定番フレーズは以下の3つです。
▼定番フレーズ
「I’m sorry, but your voice is breaking up. 」
(申し訳ございませんが、声が途切れています。)
「I’m having trouble hearing you clearly」
(声がよく聞こえません。)
「Could you speak louder please?」
(大きな声で話していただけますか?)
◆ワンポイントアドバイス
通話品質の問題で電話が遠いときは、次のフレーズを使って電話をかけ直すこともおすすめです。
「I’m sorry, but the call is distant. Let me call you back.」
(申し訳ありませんが、通話が遠く聞こえます。こちらからかけ直します。)
【場面2】聞き取れない時
英語が聞き取れないときに聞き返す場合は、相手に失礼のないように丁寧な表現やトーンを心がけましょう。
▼定番フレーズ
「I’m sorry, but I didn’t quite catch what you said. 」
(申し訳ございません。聞き取れませんでした。)
「Could you say that again more slowly?」
(もう一度ゆっくりおっしゃっていただけますか?)
なお、電話対応中に聞き取れなかった英語を確認するには、システムの導入もおすすめです。なかでも「カイクラ」は通話の自動録音など電話に役立つ機能を多数搭載しています。
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英語の電話対応で知っておきたい3つのポイント
英語の電話対応では、以下の3つのポイントに注意し、日本語のとき以上に落ち着いて対応することが重要です。
- 【ポイント1】ネイティブでも電話対応はハードルが上がる
- 【ポイント2】ゆっくりと明確な発音で話す
- 【ポイント3】短く丁寧な定番フレーズを覚える
特に「【ポイント2】ゆっくりと明確な発音で話す」は、電話を通した会話では相手が聞き取りづらい場合もあるので、英語での電話対応に限らず意識しておきたいところです。
以下で、ひとつずつ解説します。
【ポイント1】ネイティブでも電話対応はハードルが上がる
電話越しなのでネイティブ同士でも聞き間違いはよくあることです。
聞き間違いを予防する方法としては次の3つがあります。
- メモをする
- 聞き返すことをためらわない
- スペルを確認する
スペルを確認する定番フレーズには次のようなものがあります。
「Could you please spell that for me?」
(それをスペルで教えていただけますか?)
◆ワンポイントアドバイス
英語でスペルを確認したいとき、より正確に伝わるように「フォネティックコード」がよく使われます。
特に「S/F」「M/N」「B/D」など、電話越しでは聞き取りづらい音の聞き間違いを避けるために使われる方法です。
ビジネス英語の電話対応で盛んに使われていますので、ぜひ覚えておきましょう。
【フォネティックコード】
◆ NATOフォネティックアルファベット ◆ | |||
---|---|---|---|
アルファベット | コードと読み方 | アルファベット | コードと読み方 |
A | Alpha(アルファ) | N | November(ノヴェンバー) |
B | Bravo(ブラヴォー) | O | Oscar(オスカー) |
C | Charlie(チャーリー) | P | Papa(パパ) |
D | Delta(デルタ) | Q | Quebec(ケベック) |
E | Echo(エコー) | R | Romeo(ロメオ) |
F | Foxtrot(フォックストロット) | S | Sierra(シエラ) |
G | Golf(ゴルフ) | T | Tango(タンゴ) |
H | Hotel(ホテル) | U | Uniform(ユニフォーム) |
I | India(インディア) | V | Victor(ヴィクター) |
J | Juliett(ジュリエット) | W | Whiskey(ウィスキー) |
K | Kilo(キロ) | X | X-ray(エックスレイ) |
L | Lima(リマ) | Y | Yankee(ヤンキー) |
M | Mike(マイク) | Z | Zulu(ズールー) |
英語の電話対応も、ビジネスマナーを身につけていることが基本です。相手の立場になった丁寧な対応を心がけましょう。
以下のページで、電話対応に関する参考情報を解説していますので、あわせてご一読ください。
【ポイント2】ゆっくりと明確な発音で話す
英語だからといって、電話対応で焦る必要はありません。むしろ落ち着いてゆっくりと話すことが大切です。
ゆっくり話すことで相手にも伝わりやすくなり、相手も自分のスピードや英語力にあわせてくれる傾向があります。また聞き取れないとき、わからないときはそのまま流すことは厳禁です。必ずその都度聞き返して、正確な対応をすることが大切です。
困った時に使える英語の電話対応の定番の【場面2】で紹介したように、相手に失礼のない丁寧な表現やトーンで聞き返しましょう。
【ポイント3】短く丁寧な定番フレーズを覚える
英語の電話対応では定番フレーズがよく使用されます。ビジネスにふさわしい英会話表現を覚えておくことが重要です。
挨拶や問い合わせ、伝言などの基本的なフレーズはどれも短いものばかりです。一度覚えると、電話のやりとりのパターンが身につくので、英語の電話対応に慣れていきます。
では、電話対応で使える英語力をさらに磨きをかける勉強方法があるのでしょうか。おすすめの方法をみていきましょう。
英語の電話対応をブラッシュアップする3つの方法
英語の電話対応をよりよく磨くためには、次の3つの方法がおすすめです。
- 【方法1】独学で練習する
- 【方法2】フレーズ集を活用する
- 【方法3】会話を録音する
特に「【方法3】会話を録音する」は、自分の電話対応を確認して、セルフフィードバックするのに大変役立ちます。
では、以下でひとつずつ方法を詳しく紹介します。
【方法1】独学で練習する
英語の電話対応をブラッシュアップするには、日々の地道な学習が欠かせません。次の4つの方法を日常生活に取り入れると、自然に英語の電話対応スキルのアップにつながります。
・ビジネス英会話テキストでスピーキング
ビジネス英会話のテキストを使用して、シチュエーションに基づいた練習問題やロールプレイに取り組みましょう。テキストのなかにはビジネスシーンにマッチする実践的なフレーズや表現が含まれています。自分がその場にいたらどのような会話をするか、イメージしながら自分自身で話す練習を積み重ねることがポイントです。
・YouTubeやビジネス英会話の教材などでリスニングする
YouTubeやオンラインのビジネス英会話教材などを活用して、ネイティブスピーカーの発音やビジネスシーンでの会話をたくさんリスニングしましょう。リスニングの練習を続けると、自然な英語のリズムやアクセントが身につきます。
・音声教材でシャドーイング
ネイティブスピーカーの音声にあわせて声を出す「シャドーイング」は、リスニングとスピーキングのスキルを一気に高め、会話の滑らかさや発音の上達を目指すことができます。
・友人や同僚とロールプレイ
友人や同僚にビジネス英会話の練習相手をお願いし、ロールプレイを行いましょう。実際のビジネスシーンを想定し、電話の発信側と受信側の役割を演じることで、実践的なスキルを身に付けることができます。
【方法2】フレーズ集を活用する
英語の電話対応に限らず、ビジネス英会話には定番フレーズが多く存在します。
フレーズ集などビジネス英会話教材には、ビジネスシーンでよく使われる表現がまとめられています。定番フレーズをより多く身につけると、自信を持って電話によるコミュニケーションができるようになります。
こうしたフレーズ集や教材は、初級から上級まで、学習者のレベル別に作られているものが一般的です。自分の英語力や必要なトピックに合わせた教材を選ぶことで、効果的な学習ができます。
【方法3】会話を録音する
英語の電話対応の会話を録音すると、以下のメリットがあります。
- 自分の英会話を客観的に確認できる
- ウィークポイントの把握により改善につながる
- チーム全体で電話対応の品質を向上させる
会話スピードや発音、語彙力、表現力、フレーズなど、通話録音を聞き返すことで、自分のビジネス英語力の弱点や改善点を把握できます。
また、通話録音をチーム全体で聞き返すことで、メンバー同士でそれぞれ電話対応のフィードバックや改善点を共有できます。ミーティングやトレーニングの場で録音を聞きながら電話対応の意見を交換すれば、お互いのスキルアップに役立つのではないでしょうか。
ビジネスシーンで電話録音をするときのポイントについては、下記の記事もご一読ください。
まとめ
英語の電話対応は日本語以上に聞き間違いや認識のずれが起きやすいことがあります。電話対応の品質向上やトラブル回避のためには、電話録音をすることがおすすめです。
たとえばCTIシステム「カイクラ」は、電話の内容を録音し音声とテキストの両方で確認できます。重要な会話や内容が難しい会話は、後から聞き直して対応が可能です。
録音データがあることからメモも最低限にしつつ、電話に集中できるため電話対応の品質向上にも役立ちます。「カイクラ」の通話録音機能の詳細については、以下をご確認ください!
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