通話の音質は、業務の信頼性にも直結する重要な要素です。
通話中に音声が途切れたりノイズが入ったりすると、顧客満足度の低下にもつながります。そのため、「便利そうだけど音質は大丈夫?」と、クラウドPBXの導入を検討する際に気になる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、現在のクラウドPBXの音質の現状と音質が悪くなる原因、安定した通話を実現するためにできる具体的な対策をわかりやすく解説します。クラウドPBXの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
クラウドPBXを導入する際は、音質だけではなく録音や対応履歴が管理できる機能の有無も大切です。クラウド電話「カイクラフォン」なら、音質もよく、自動通話録音や対応履歴の一元管理など顧客対応に役立つ機能が充実しています。クラウドPBXの選定で迷っている方は、以下のボタンより詳細をチェックしてみてください。
クラウドPBXの音質は悪い?通話品質の現状
結論からいうと、現在のクラウドPBXの音質は、従来のビジネスフォンと大きな差はありません。
サービスが始まった2000年代当初は、インターネット回線がまだ低速かつ不安定だったため、「音質が悪い」「音声が途切れる」などの事実が確かにありました。
しかし現在では、5Gの普及や通信インフラの整備が進み、ビジネスフォンとほぼ同等の水準にまで改善されています。こうした技術の進化を背景に、クラウドPBXの導入を検討する企業も増えており、市場の拡大が期待されています。
市場動向や今後の利用者数の予想に関しては「クラウドPBXのシェア・市場動向|普及し始めている理由とは? 」にて分析していますのであわせてご覧ください。
以前と比べて音質が改善されたとはいえ、利用する環境によっては通話品質に影響が出る場合もあります。次の章では、クラウドPBXの音質が悪くなる原因を詳しく解説します。
クラウドPBXの音質が悪くなる原因5つ
前述のとおり、クラウドPBXは、通信技術の進化により音質が大きく改善されていますが、すべての環境で常に高品質な通話ができるとは限りません。
この章では、クラウドPBXの音質が悪くなる主な原因を5つに分けて紹介します。
- オフィスのネットワーク通信速度
- オフィス外の通信環境
- 端末のバージョンや設定の問題
- ヘッドセットやマイクなどの問題
- クラウドPBXサービス側の品質差
導入前のチェックポイントとしても活用できる内容なので、自社の環境と照らし合わせながら確認してみてください。
1.オフィスのネットワーク通信速度
クラウドPBXはインターネット回線を使うため、オフィスのネットワーク環境がそのまま音質にも影響します。
とくに安価なプランを使っている場合は、「通信速度が遅く通話中に音声が遅れる、途切れる」などの問題が起きやすくなるため改善が必要です。
ネットワークに接続する端末の数も、音質に関係します。同時に多くの端末が利用していると、通信帯域が圧迫され、音声データの遅延や欠損が発生する原因になります。
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2.オフィス外の通信環境
スマートフォンを使用する場合に確認したいのが、オフィス外の通信環境です。Wi-Fiルーターやアクセスポイントの品質が音質へ影響する可能性があります。
在宅勤務の場合、家庭用Wi-Fiを使用するケースが多いため、事前に通話テストをしておくと安心です。
外出先でインターネット回線を使用する場合は、モバイル回線を推奨します。公衆Wi-Fiでは不安定になりやすく、通話中に音声が途切れることがあるからです。移動中に意図せずモバイル回線からWi-Fiと自動で切り替わっている場合があるので、使用の際の注意事項として社員に周知しておきましょう。
ただしモバイル回線は、通常の通話と同じように電波が届きにくい場所では通信状態が不安定になりやすい傾向にあります。
▼電波が届くにくい場所
- 建物の地下や地下鉄
- コンクリート構造の建物内部
- 山間部 など
こうした場所で通話する前には、電波が届いていることを確認しておくとトラブルを防げます。
3.端末のバージョンや設定の問題
クラウドPBXは、スマートフォンやパソコンに専用アプリをインストールして利用するのが一般的です。そのため、使用する端末の種類や設定によって通話がうまくできない場合があります。
たとえば、以下のケースです。
▼端末に原因がある場合の例
- OSのバージョン
- バックグラウンドで他アプリが動作している
- セキュリティソフトが動いている
- すでにインストールされている企業独自のシステムや他のソフト・アプリによる影響 など
アプリは定期的にバージョンアップされるため、古い端末では最新機能に対応できないこともあります。クラウドPBXを快適に使うためにも、使用する端末のOSや他のソフトとの相性をまずは確認しましょう。
4.ヘッドセットやマイクなどの問題
音声の品質は、ヘッドセットやマイク性能にも左右されます。
周辺機器との接続が悪いと、以下のケースが起こります。
▼接続が悪いと起こる問題
- 音声がこもって聞こえる
- 周囲の音を拾ってノイズが入る
- 接触不良によって音が途切れる
- マイクやヘッドセットの経年劣化
- デバイスドライバが古く、正常に動作しない など
電話対応の品質を高めたいのであれば、周辺機器の見直しにも目を向けてみましょう。小さな改善が、顧客のストレス軽減へとつながります。
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5.クラウドPBXサービス側の品質差
最後にお伝えしたいのが、クラウドPBXサービス側の問題がある場合です。サービスによって、通話の安定性や音のクリアさに違いが出ることがあります。
とくにポイントとなるのは、「通信を最適化する技術の有無」や、「サーバーの処理能力」です。これらが十分でないと、同時に多くの通話が発生したときに、音声が遅れたり途切れたりする可能性があります。
安定した通話環境を整えるには、自社の利用状況に合ったサービスを選ぶだけではなく、品質情報もチェックしておくことが大切です。
音質が悪くなる5つの原因の説明は以上です。
クラウドPBXの音質に影響を与える原因は多岐にわたりますが、適切な対策を取れば通話の品質は改善できます。次の章では、安定した通話のために企業側が実際に取れる対策を具体的にみていきましょう。
クラウドPBXで安定した通話がしたい!できる対策5つ
クラウドPBXは、環境や使い方次第で通話の音質が左右されます。ですが、事前にポイントを押さえておけばトラブルを防ぐのも可能です。
ここでは、実際に取ることができる5つの対策を紹介します。
- 通信環境を整える
- 有線LANを使う
- 音質評価の高いクラウドPBXサービスを選ぶ
- 高品質なヘッドセットやマイクを使用する
- トライアル利用で実際の音質を確認する
どれもすぐに実践できる内容なので、自社の状況と照らし合わせながら確認してみてください。
1.通信環境を整える
クラウドPBXには、高速かつ安定したインターネット回線が欠かせません。
通話中の音声が遅れたり途切れたりする原因の多くは、通信環境にあります。快適に使うためには、法人向けの高性能な回線を選ぶことが重要です。
以下に推奨するルーターを挙げます。
▼おすすめのルーター例
- 通信速度が速く、2.5Gbpsや10Gbpsに対応したWi-Fiルーター
- 同時接続に強いビジネス用ルーター
現在契約中のプロバイダやプランを見直し、必要に応じて回線の増強やルーターの買い替えなどを検討しましょう。
2.有線LANを使う
クラウドPBXをパソコンで利用する場合は、有線LANでの接続がおすすめです。
無線LAN(Wi-Fi)は便利ですが、障害物や家電の影響を受けやすく、通信が不安定になりやすい傾向にあります。一方、有線LANはケーブルで直接接続するため、電波干渉の影響を受けにくく、安定した通信が可能です。
家庭用Wi-Fiの場合も同様に、有線接続に切り替えると通話の音質が改善することがあるので、無線LANで音質に課題を感じる場合は試してみてください。
なお、LANケーブルを選ぶ際は、CAT6A以上の規格を推奨します。数字が大きいほど高速な通信に対応できるため、安定した通話にも向いています。
3.音質評価の高いクラウドPBXサービスを選ぶ
安定した音質を求めるのであれば、クラウドPBXのサービス選びの段階で音質をしっかり確認することが大切です。
音質の目安のひとつになるのが、総務省が定める「IP電話の音声品質基準」です。この基準では、通話品質をクラスA〜Cの3段階で評価しており、クラスAは固定電話と同等の高音質とされています。
クラス | 詳細 |
---|---|
クラスA | アナログ電話(固定電話)の品質相当 |
クラスB | 携帯電話の品質相当 |
クラスC | IP電話の品質相当 |
参考:「IP電話の通話品質評価の標準化動向と課題について(P19)」総務省
クラウドPBXサービスの提供会社が公表している品質指標や評価実績をチェックしてみて、クラスAを獲得しているサービスであれば、従来のビジネスフォンとほぼ同等の通話品質が期待できます。
4.高品質なヘッドセットやマイクを使用する
クラウドPBXでクリアな通話を実現するためには、周辺機器の品質も重要です。とくにヘッドセットやマイクの性能が低いと、音声がこもったりノイズが入ったりする原因になります。
ノイズやエコーを軽減したい場合は、通話専用で音質に定評のある製品を選ぶのがおすすめです。
▼おすすめの周辺機器例
- ノイズキャンセリング機能付きのヘッドセット
- 通話専用設計のマイク
- 周囲の雑音を拾いにくい指向性マイク
とくに なかでも電話対応が多い業種では、通話品質の向上が業務効率にもつながるため、周辺機器にこだわることは大きな意味があります。
5.トライアル利用で実際の音質を確認する
クラウドPBXの導入前には、トライアルを活用して実際の通話品質を必ず確認しましょう。カタログや仕様だけではわからない、「使い勝手」や「聞き取りやすさ」を体感するためです。
導入後のトラブルを防ぐためにも、トライアル期間を有効に使い、自社に合うかどうかを見極めることが重要です。
では、トライアルの際にどのような点を確認すべきでしょうか。次の章では、トライアルでチェックしておきたい具体的な内容を紹介します。
クラウドPBXの無料トライアルでチェックするポイント
トライアル期間中は、単に「音が聞こえるか」だけではなく、さまざまなシーンや環境での通話品質を確認しましょう。
チェックする際は、業務の中でよく使う場面を想定しながら、時間帯・端末・周辺機器など、自社の利用環境と照らし合わせます。
チェックポイント | 具体例 |
---|---|
実際の利用する想定シーンごとの確認 |
|
使用予定の端末・周辺機器ごとの確認 |
|
時間帯ごとの確認 |
|
他のアプリケーションとの相性 |
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トラブル時のサポート対応 |
|
トライアルで以下の現象がある場合は、ネット環境やツールの変更を考える必要があります。
現象 | 詳細 |
---|---|
電話が切れてしまう・つながらない | 会話途中で電話が切れる、電話がつながらなくなる |
音声が途切れる | 音声が一瞬消えたり、会話の一部が抜け落ちたりする。重要な単語を聞き逃す原因になる |
音声が遅れて聞こえる | 話した内容が相手に数秒遅れて届く状態。会話のタイミングがずれて、スムーズなやりとりが難しくなる |
エコーがかかる | 自分の声が少し遅れて(こだまして)自分に返ってくる |
ノイズが入る | 「ザー」「ブツブツ」などの雑音が入って聞き取りづらくなる状態 |
トライアル中にサポート体制もあわせてチェックしておくと安心です。問い合わせの手段や対応スピードも、サービス選びの大切な判断材料となります。
あとから通話内容を確認できるクラウドPBXサービス「カイクラフォン」とは?
「カイクラフォン」は、機器の設置なしで利用できるクラウド電話です。アプリを使って、会社の代表電話番号での架電・受電がどこでも可能になります。
「カイクラフォン」には、通常の通話機能に加えて、業務を効率化する便利な機能が搭載されています。
▼カイクラフォンの機能
- 通話録音
- 対応履歴のメモ登録
- 受電時の顧客情報ポップアップ
通話後に自動録音された内容を確認できる自動録音機能は、聞き間違いや通話トラブルがあった際に便利です。
カイクラフォンには、通話後に対応履歴のメモを残したり、受電時に顧客情報をポップアップ表示したりと、社内の情報共有に役立つ機能も備わっています。クラウドPBXを検討中の方は、あわせてカイクラフォンのページをご覧ください。
まとめ:クラウドPBXは対策次第で安定した音質が保てる
冒頭にお話ししたとおり、現在のクラウドPBXの音質は、基本的に従来のビジネスフォンとほぼ同等レベルを実現しています。
ただし、通信環境や使用機器の状態によっては、音質に差が出ることもあります。その場合は、本記事で紹介した対策を講じて品質を保ちましょう。業務で使う通話だからこそ、音質の安定は信頼へとつながります。
顧客から信頼を得るためには、クリアな音質だけでなく、スムーズで的確な応対も欠かせません。
「カイクラフォン」なら、着信時に顧客情報がポップアップ表示されるため、相手を待たせることなく迅速な対応が可能です。名前を聞き返す手間も減り、顧客に安心感を与える応対を実現できます。
機器の設置なしで利用できる「カイクラフォン」は、通常の通話機能に加えて、業務を効率化する便利な機能を搭載しているクラウド電話です。気になる方は、以下のページから詳しくチェックしてみてください。