「新人の電話対応がおかしい……どのように教えよう?」
「電話対応教育を実施して、スキルアップして欲しい」
これらは、企業の人事や教育担当者よりよく聞く言葉です。多くの会社員が経験する電話対応業務ですが、経験が浅い新人にとってはハードルの高い業務でもあります。
そこでこの記事では、新人の電話対応に課題をお持ちの方に向けて、効果的に教える方法や注意点などを紹介します。新人の電話対応スキルの向上をサポートしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ちなみに電話対応のハードルを下げるための策として、ツールの導入があります。
相手の名前や要件などの確認を要する電話対応ですが、ツールの活用で電話相手の情報がわかると、確認事項が減り不安を持っている新人のハードルを下げることができます。
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電話対応がおかしい!新人にありがちな間違いとは
端から見て「新入社員の電話対応がおかしい!」と感じられるほど、新人の電話対応が不自然になってしまうのはなぜなのでしょうか?
おかしいと感じる電話対応を分析すると、以下の4点が見えてきます。
- 話し方が不自然
- 話すスピードが速い
- 敬語が正しく使えていない
- 電話対応の手順があっていない
電話では、身振りや表情などを使ってコミュニケーションを取ることができません。そのため「電話における話し方」の基本ができていないと、失礼な言葉遣いで誤解や不自然さを与えることがあります。
また緊張からくるスピードの速さや一言の長さにも不自然さがあると、要点が相手に伝わりにくくなります。
「敬語の使い方」も同様です。丁寧に伝えようとすればするほど過剰敬語や尊敬語と謙譲語の混用などにつながり、相手に対して不自然さや無礼な印象を与えることがあります。
「電話対応の手順」を把握していない場合も、不自然さが出やすくなります。電話で確認すべきことを押さえていないと、取り次ぎ先を間違えたり、折り返しの連絡先を控えなかったりと、不手際につながりかねません。
これらに関して「心当たりがある」と思った方もいるのではないのでしょうか?次の章では、新人の電話対応がおかしくなる要因にふれていきます。
新人の電話対応が不自然に(おかしく)なる要因3つ
新人の電話対応が不自然になる要因は、大きく3つあります。
- 緊張・ストレスが影響している
- 電話での言葉遣いに慣れていない
- 電話対応トレーニングが不足している
ひとつずつ詳しくみてみましょう。
【要因1】緊張・ストレスが影響している
要因の1つ目は新人が感じる緊張やストレスです。入社したばかりの社員は職場に慣れていないことが多く、社員の名前と役職を把握するのにも時間がかかります。
事情に関係なく、電話業務では正確さが求められます。まだ名前と顔が一致していない社内の担当者への取り次ぎや伝言を正確に行わなければならないため、緊張やストレスからくる心理的負担は大きいでしょう。
また緊張から早口になったり滑舌が悪くなったりする人もいます。さらに、電話対応そのものに対する苦手意識も緊張につながり、判断力の低下につながる恐れがあります。
【要因2】電話での言葉遣いに慣れていない
2つ目の要因は、電話での言葉遣いに対する不慣れです。
電話の言葉遣いのなかには、耳なじみがなく使い慣れない言葉が多いと感じる新人もいるでしょう。使い慣れない言葉を使おうとすると適切な表現ができず、顧客に不自然な印象を与える恐れがあります。
参考までに、担当者不在で折り返し電話を希望している顧客に対する間違った言い回しを紹介します。
▼間違った言い回し例
「○○さんは只今外出させていただいています。お戻りになりましたら、折り返しお電話させていただきます。いかがでしょうか?」
正しくは以下のとおりです。
「○○は只今外出しております。戻りましたら、折り返しお電話させていただければと存じます。いかがでしょうか?」
【解説】
・○○さん→○○:社内の人間は内にあたるため「さん」付けをしない
・外出させていただいています→外出しております。:「~ていただく」は相手に許可を得て行動する意味合いがあるため不適切
・お戻りになりましたら→戻りましたら:社外に向けて社内の人に敬語を使うのは不適切
言葉遣いの間違いは、自分ではなかなか気がつきません。電話特有の言い回しや敬語の使い方を押さえていない場合、二重敬語や敬語の使用ミスにもつながります。
新人が言葉遣いを間違えた際に指摘する方法もありますが、代表的な言葉遣いを一度まとめて習得してもらうことも言葉遣いの改善には有効です。
なお、電話対応の言葉遣いに関しては以下の記事で知識を深めることができますので、あわせてご参照ください。
【要因3】電話対応トレーニングが不足している
要因の3つ目は、電話対応のトレーニングが足りないことです。
電話対応は、顔が見えない特殊なコミュニケーションです。そのため、電話業務の経験が少ないとどのように話せばよいかわからずどもってしまったり、会社の電話窓口としてそぐわない言葉遣いをしてしまったりすることがあります。
電話対応の練習をしないと適切な対応ができない場合が多いので、間違えやすい言い回しもあわせて電話対応トレーニングに取り入れることをおすすめします。
間違えやすい言い回しを以下で紹介しますので、参考にしてください。
間違った言い回し | 正しい言い回し |
---|---|
ご覧になられますか? | ご覧になりますか? |
申してください。 | おっしゃってください。 |
お待ちしますか?(※相手が主語) | お待ちいただけますか? |
○○様はおられますか? | ○○様はいらっしゃいますか? |
~でよろしかったでしょうか? | ~でよろしいでしょうか? |
これらを電話対応トレーニングに取り入れ、慣れるまでは手元に一覧表を置いておくと、実践でも間違えにくくなるでしょう。なお、電話対応トレーニングの方法に関しては、以下の記事もあわせてご一読ください。
新人の電話対応がおかしい場合の対処法3つ
前章では新人の電話対応が不自然になる要因に関してみてきました。
新人が電話で間違える事情や心理を押さえたうえで「対処法が知りたい」と思った方のために、ここでは新人の電話対応を改善する方法を3つ紹介します。
- 電話対応マニュアルを作成(更新)して共有する
- 電話トレーニングを実施する
- フォロー体制を整える
それぞれを詳しくみていきましょう。
【対処法1】電話対応マニュアルを作成(更新)して共有する
まず新入社員向けに電話対応マニュアルを作成し、参考にしてもらいます。すでにマニュアルがある場合は内容を精査し、未経験者にもわかりやすくなるよう、内容をブラッシュアップしましょう。
わかりやすい電話対応マニュアルを作るコツは、電話対応の基本の流れを押さえるだけでなく、状況別のノウハウを具体例で示すことです。
参考までによくある状況を紹介します。
- 相手の声が聞き取れない場合
- クレーム対応の際の言い回し
- 担当者不在時のかけ直し対応
- 電話で伝言を頼まれた場合
より実践的な言い回しを掲載しておくと、マニュアルを参考にしながら電話対応ができるので、新人がとっさに不適切な応対をする機会を減らせるでしょう。
しかしながら、電話対応マニュアルを作ったことがなくどこから始めたらよいかわからない方もいるのではないでしょうか?マニュアルの作成方法に関しては、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
【対処法2】電話トレーニングを実施する
次の対処法は、電話トレーニングを実施することです。
よくある電話対応シーンを選択しトークスクリプトを用意すると、実践に沿ったトレーニングができます。決められたフレーズを声に出してもらうだけでも、練習になるでしょう。
一例として、「電話に出たものの担当者が不在でかけ直しをお願いする場合」のスクリプトを紹介します。
▼担当者が不在で折り返しを提案する場合
Aさん:お電話ありがとうございます。○○商事でございます。
新家氏:お世話になっております。○○の新家です。管理部の貝倉課長はいらっしゃいますか?
Aさん:新家様、お世話になっております。確認いたしますので、少々お待ちください。
(電話を保留にして確認)
Aさん:お待たせいたしました。あいにく貝倉は外出しておりまして、3時頃戻る予定でございます。
よろしければ、戻り次第折り返しお電話をするように申し伝えましょうか?
新家氏:そうですね、それでは貝倉さんが帰社されましたら、お電話をお願いします。
Aさん:かしこまりました。それではお電話番号を確認させてください。
現在ご使用の00-000-0000にお電話を差し上げてもよろしいでしょうか(※番号表示されている場合)?
新家氏:はい、お願いします。
Aさん:承知いたしました。他にご不明な点はございますか?
新家氏:大丈夫です。
Aさん:それでは本日は私、○○部のAが承りました。お電話ありがとうございました。失礼いたします。
(相手が電話を切った後に切る)
このようなトークスクリプトを複数用意し、他の社員とペアになってそれぞれの役割を声に出して練習します。より実践に近い方法として、電話対応アプリや電話を使用して練習する手段もありますので、検討してみてください。
アプリで練習する方法に関しては以下の記事で解説しています。興味のある方はぜひご一読ください。
【対処法3】フォロー体制を整える
3つ目は、電話対応のフォロー体制を整えることです。
たとえば、新人が対応に迷った際に、相談にのれるようにメンターとなる社員や教育担当を決めておきます。
メンターや教育担当を決めることで「いざというときに助けてもらえる」などの安心感につながり、新人の電話対応の心的負担が軽減されるでしょう。また、日頃から新人の電話対応に関してフィードバックをすることで、スキルアップしやすくなります。
ここまで新人の電話対応を改善するための対処法に関してみてきました。紹介した3つは、どれも電話対応が不自然になりやすい社員の成長をうながす手段として有効です。
ただし、これらを効果的に実施するには気を付けることがあります。次に新人の電話対応で教育担当者が注意すべきことに関して解説します。
新人の電話対応で教育担当者が注意すべきこと3つ
新人の電話対応で教育担当者が注意すべきことは、主に3つあります。
- 一度に多くの対応を求めない
- 場数を踏む大切さを伝える
- 繰り返しフィードバックをする
なかでも3つ目の「繰り返しフィードバックをする」は本人に気づきを与え、スキルアップする際に欠かせません。ぜひ参考にしてください。
【注意点1】一度に多くの対応を求めない
まずは、一度に幅広い電話対応を要求しないことです。
慣れた人にとって電話対応は、さほど大きな負荷にはなりません。しかし電話に不慣れな新人にとっては、表情や身振りなどのコミュニケーション手段が使えず、ハードルの高い業務のひとつです。
新人によっては複数のポイントを同時に取り入れることは難しいため、少しずつ伝えていきましょう。そうすることで、新人が忘れることなく実践で心がけやすくなります。
たとえば、以下の内容を小出しに伝えましょう。
- 電話にふさわしい話し方(声のトーン、スピード)
- 電話対応の基礎フロー
- 敬語や言い回しの使用間違い
- 謝罪のしかた
- 提案のしかた
一方でクレーム対応や急用など難易度が高く、新人が対応しきれないと判断できる場合は、電話を交代することも大切です。新人が心理的ダメージを受け電話対応に消極的になっては、元も子もありません。新人のモチベーションを下げないことが、なにより重要となります。
【注意点2】場数を踏む大切さを伝える
2つ目は、場数を踏む大切さを伝えることです。電話対応は、すぐに上達する業務スキルではありません。新人が「自分にはできない」と思っていても、地道に取り組むことで慣れてくる場合が多くあります。
電話対応に苦手意識がある新入社員には、回数をこなすことで電話スキルが上達することを伝えましょう。またトークスクリプトなどを活用した電話トレーニングを繰り返すことで、実際の電話での失敗を回避することも期待できます。
【注意点3】繰り返しフィードバックをする
3つ目は、繰り返しフィードバックをすることです。新人の電話対応でよかった点や気を付けるべき点を伝えることで、気づきを得てもらうことができるでしょう。
ただしフィードバックをする際には、柔らかい伝え方を心がけてください。よくできた部分を具体的に褒めながら「こうするともっとよくなる」などの改善点にふれると、スキルの向上を実感できるためやる気につながりやすいです。
なお、電話対応を聞いたその場でフィードバックするのが最適ですが、時間的な余裕がなくむずかしい場合も多くあるのではないでしょうか。その際に便利なのが、通話録音を活用したフィードバックです。
たとえば「カイクラ」の場合、通話内容が自動で録音されるため、後から録音データを確認しながら新人にフィードバックをすることができます。
また通話の文字おこし機能もあるため、テキストを見せながら説明することで、なぜその部分を直す必要があるのか理解を深めやすくなります。
通話録音や文字起こし機能を活用することで、より綿密な電話対応チェックが可能になり、スキルアップのヒントを見つけられるでしょう。
カイクラの具体的な機能に関しては、以下の詳細をご確認ください。
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まとめ:新人の電話対応が不自然に(おかしく)なる要因を知り対処しよう!
新人の電話対応が不自然でも、マニュアルの整備とトレーニングを通して改善することが可能です。
また、フィードバックをする際には柔らかい伝え方を行うことで、電話対応が苦手な社員のやる気を引き出すことができるでしょう。
なお、電話対応教育を徹底する際に役立つのがツールの活用です。
カイクラでは、自動で通話録音ができるだけでなく、文字おこし機能もあるため、音声や通話のテキストデータを確認しながら電話対応に関して教えることができます。
新人の電話対応教育にお悩みの方は、解決策のヒントになる「カイクラ」の詳細をぜひご覧ください。
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