企業が行うべきカスタマーハラスメント対策5選!事例もあわせて紹介

カスタマーハラスメントとは、顧客が従業員に対して理不尽なクレームや言動を行う行為です。近年、こうしたハラスメントに悩む企業が増えており、とくに接客業務に従事する従業員が被害を受けるケースが多くあります。

企業がカスタマーハラスメントに対して適切な対策を行うことは、従業員の安全と精神的健康を守るために大切です。本記事では、カスタマーハラスメントに対して企業が取るべき具体的な対策を紹介します。

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目次

カスタマーハラスメント対策をする前に定義を確認!

まず、カスタマーハラスメント対策をする前に定義を確認しておきましょう。以下の2つの項目に分けてカスタマーハラスメントについて解説します。

  1. カスタマーハラスメントの定義
  2. カスタマーハラスメントとクレームの違い

それぞれ詳しくみていきましょう。

カスタマーハラスメントの定義

カスタマーハラスメントがどのような行為のことなのかは、厚生労働省が定義しています。

顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・能様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・能様により、労働者の就業環境が害されるもの
参考:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」7P

暴言や暴力だけではなく、長時間の拘束や執拗なクレームなどもカスタマーハラスメントに該当します。

カスタマーハラスメントの定義は以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

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カスタマーハラスメントとクレームの違い

カスタマーハラスメントとクレームは似ているようですが違いがあります。たとえば、自社に何か過失があり、顧客の主張が妥当なものの場合は、カスタマーハラスメントではなくクレームです。

ただし、先ほどの定義にもあるように主張内容に正当性があっても、暴力や暴言などがあればカスタマーハラスメントに該当します。

カスタマーハラスメントかクレームを見分ける際は、まず主張内容に正当性があるか確認しましょう。もし正当性があっても、暴言や暴力、長時間の拘束、無理な要求がある場合はカスタマーハラスメントだと捉えられます。

以下の記事ではカスタマーハラスメントとクレームの違いを解説しています。

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企業にとってカスタマーハラスメント対策が必要な理由3つ

企業にとってカスタマーハラスメント対策が必要な理由を紹介します。

  1. 従業員への影響
  2. 他の顧客への影響
  3. 自社への影響

とくに1つ目の従業員は、カスタマーハラスメントの影響を受けやすい立場となります。それぞれどのような影響があるのか、詳しくみていきましょう。

【理由1】従業員への影響

まずは、従業員への影響を配慮する必要があります。従業員はカスタマーハラスメントの被害を受ける当事者になりやすく、実際に暴力や暴言を受ける可能性が一番高いからです。

カスタマーハラスメントがきっかけとなり、退職につながるケースも考えられます。

そのため、従業員が殴る蹴るなどの暴行を受けることがないように、まずは安全の確保が大切です。また、暴言などのより精神面に影響がないように配慮する必要もあります。

実際にカスタマーハラスメントが起きた際の対策としては、上司が対応を代わる・内容によっては警察に連絡するなどが挙げられます。

【理由2】他の顧客への影響

カスタマーハラスメントは、他の顧客への影響にも配慮しなければいけません。

たとえば、店内で従業員に対して暴言を言っている顧客がいると、他の顧客も怖がってしまったり不快に思ってしまったりする可能性が高くなります。また、カスタマーハラスメントへの対応で業務が遅れることにより、顧客満足度が下がってしまう恐れもあります。

加えて、カスタマーハラスメントに対して適切に処理できない現場に居合わせた顧客が「多少の無理難題でも押せば要求を飲んでくれる」と思ってしまい、カスタマーハラスメントを誘発してしまうことも避けなければなりません。

【理由3】自社への影響

カスタマーハラスメントと聞くと、暴言や暴力を想像する人が多いかもしれませんが、それだけではありません。インターネットやSNSで企業のイメージダウンにつながる書き込みをされる可能性もあるからです。

また、悪質なカスタマーハラスメントが続くと、対応に疲弊した従業員が離職してしまう恐れもあります。従業員の離職も企業にとっては、大きな損失です。

イメージダウンや、従業員の離職を避けるためにも、カスタマーハラスメントへの対策が必要となります。

企業のカスタマーハラスメント対策5選

ここからは、企業が行うべきカスタマーハラスメント対策を5つ紹介します。

  1. カスタマーハラスメント対策マニュアルを作成する
  2. マニュアルに基づいて社員研修を行う
  3. カスタマーハラスメントに対応できる体制を整える
  4. 従業員の安全を確保できる体制を作る
  5. 当時の状況を確認できる環境を整える

それぞれ順番に詳しく紹介します。

【対策1】カスタマーハラスメント対策マニュアルを作成する

まずは、カスタマーハラスメントが起きたときにどのように対応すればいいのか、企業が指針を示すことが大切です。対応を従業員に任せていては、企業として一貫した対処ができません。

そのため、カスタマーハラスメントへの対策を全従業員で共有できるよう、マニュアルを作成しましょう。

マニュアルには、以下の内容を盛り込みます。

基本的な方針や姿勢 組織としてカスタマーハラスメント対策にどのように取り組むか基本的な方針や姿勢
相談・報告先 カスタマーハラスメントを受けた場合の相談先・報告先
現場での初期対応 実際に現場でカスタマーハラスメントが起きた際の具体的な対応

マニュアルを作ることで、カスタマーハラスメントに対してすぐ適切な対処ができるわけではありません。しかし、事前にマニュアルを読んでおくことで、ある程度の対応ができるようになります。

また、カスタマーハラスメントに対する姿勢を明確にすることは、従業員が安心して働く環境づくりの一環になります。

マニュアルの作り方や具体的な内容は下記の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

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【対策2】マニュアルに基づいて社員研修を行う

マニュアルの作成は大切ですが、マニュアルを作成しただけでは対策として十分ではありません。

実際にマニュアルをもとに従業員に対策の内容を周知させます。適宜社員研修を行い、具体的な対策方法を伝えるようにしましょう。

また、上司や現場監督者など、階層別に対策の研修を行うことも大切です。

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【対策3】カスタマーハラスメントに対応できる体制を整える

実際にカスタマーハラスメントを受けたとき、従業員がすぐに相談できる体制を整えましょう。まずは上司にすぐに報告できる環境と対応が必要です。

そのほか、カスタマーハラスメントの相談や実際の対策を行うチームを設置します。対策チームでは、実際に起きたカスタマーハラスメントへの対応のほか、事例を作成したり再発防止策を考えたりします。

加えて、自社だけでは対応できない場合の相談先を確保することも大切です。警察や弁護士など、相談先の連絡先をおさえておきましょう。

【対策4】従業員の安全を確保できる体制を作る

カスタマーハラスメントのなかでも、殴る蹴るなどの暴力行為やセクハラ行為がある場合、従業員の安全確保が必要です。具体的には、現場で上司が対応を代わったり、状況によっては警察に連絡したりします。

まずは、安全を確保することが最優先事項です。安全確保については、研修でも伝えておくべき内容となります。

また、顧客からの言動が理由でメンタルヘルスに不調がある場合には、産業医やカウンセラーへの相談など、企業としてアフターケアを行うようにしてください。

【対策5】当時の状況を確認できる環境を整える

カスタマーハラスメントでは、防犯カメラの録画や電話の録音などで理不尽な要求かどうか確認できる場合があります。そのため、なるべくあとから確認できる環境を整えることが大切です。

また、防犯カメラや電話の録音は、カスタマーハラスメントを起こす人の抑止力にもつながります。たとえば、電話対応の場合には事前アナウンスとして「この通話はサービス向上のために録音させていただきます」などの音声が流れるようにしておくと、相手にも通話が録音されていることが伝わるからです。

自動通話録音機能も搭載されているのが、コミュニケーションプラットフォームのカイクラです。毎回、録音ボタンを押す必要はなく、自動で録音させるので、実際にカスタマハラスメントが起きた場合にも録音漏れがなく、後から通話内容の確認ができます。

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社員を守るためのカスタマーハラスメント対策を実施した企業の事例

実際に、カスタマーハラスメント対策を実施した企業の例を紹介します。

ある企業では、コールセンターに同じ顧客から何度も苦情があったことがきっかけで、カスタマーハラスメント対策を実施しました。

実際、繰り返される暴言によりオペレーターが萎縮してしまい、約1カ月コールセンター業務に復帰できない状態が続きました。

そこで実務を想定した「カスハラ発言リスト」「文言集」を盛り込んだマニュアルを作成します。「カスハラ発言リスト」を活用することで、カスタマーハラスメントかどうか判断して、対処しきれない場合には管理者に代わるルールにしました。

ほかのコールセンターでも同じような対応ができるように、カスハラ情報を共有し、カスハラの概念が社内に浸透しました。

参考:社員の健全な業務を守るため、カスハラ対策の取組を始動

以下の記事では、カスタマーハラスメントの事例を紹介しています。せひあわせてご覧ください。

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電話対応は自動録音でカスタマーハラスメント対策を!

先ほどの事例にもあったように、電話対応でもカスタマーハラスメントを受けてしまう可能性があります。そのため、ここからは電話対応でカスタマーハラスメントを受けた場合に有効なコミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を紹介します。

電話でのカスタマーハラスメント対策は通話録音が必須です。対面の場合には、第三者が見聞きしている可能性もあるため、客観的な情報を得られやすくなります。

ただし、電話は一対一なので、相手が「そのようなことは言っていない」と主張すると事実がわからなくなる恐れもあります。通話録音があれば、後から聞き直して事実を確認できるためです。

たとえば「カイクラ」は自動録音機能があるので、カスハラと思われる発言があった場合でも、後から聞き直しができます。また証拠としても残るため、トラブルの際にも役立ちます。

自動録音していることが顧客にも伝われば、カスタマーハラスメントの抑止力としても効果的です。

また、着信時に誰からの電話かわかるので、何度もカスタマーハラスメントと思われる電話をかけてくる顧客に対して、はじめから上司が電話に出るなどの対処が可能になります。

▲顧客情報画面のイメージ

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まとめ:カスタマーハラスメント対策は企業の義務と考えよう!

大切な従業員やその他の顧客を守るためにも、カスタマーハラスメント対策は企業にとって大切な仕事です。カスタマーハラスメントへの対策は、マニュアルを整備して対策する必要があります。

また、カスタマーハラスメントは対面だけではありません。電話対応でもカスタマーハラスメントを受ける恐れがあるため、電話対応マニュアルの整備も必要です。

カイクラでは、電話対応マニュアルを準備しています。クレームやカスタマーハラスメントの対策をしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。電話対応マニュアルは、以下よりダウンロード可能です。

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この記事を書いた人

カイクラ編集部です。カイクラ.magは、株式会社シンカが運営するオウンドメディアです。 「音声を記録し、会話を企業価値に」をモットーに、「会話」に関する様々なテクノロジーや最新情報、企業の業務効率化や社内コミュニケーションの活性化事例など、すべての企業にとってお役に立てる情報を幅広く発信します。

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