カスハラ法制化はいつから?いますぐできる必須対策3つ

2026年中にカスハラ(カスタマーハラスメント)対策がすべての企業に「法的義務」として課されることが決定しました。これまで努力義務だったのが法的義務に変わるので、対策が不十分なままでは企業としての信頼を失う恐れもあります。

そこでこの記事では、カスハラの法改正の背景とあわせて、改正の概要や企業に求められる対応を解説します。

カスハラ対策には、法改正での変化だけではなく基礎知識を押さえることも重要です。定義や類型などの基礎知識を知っていれば、正当なクレームとカスハラの切り分けができ、現場が迷わず対応できます。

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目次

カスハラの法律はいつ改正された?法改正の概要と施行の背景

2025年の労働施策総合推進法の改正ではカスハラ対策がさらに強化され、企業が従業員を守るために取り組むべきことが一層明確にされています。

今後はカスハラ対策が「努力」ではなく「義務」として、すべての企業に具体的な対応が求められる方向へ進んでいます。

ここからは概要やカスハラの法改正の背景などを詳しく紹介します。

早くて2026年中にも全事業者に義務化

2025年6月11日、『労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(労働施策総合推進法改正)』が公布されました。

この改正内容の施行時期は「公布の日から起算して1年6か月以内に政令で定める日」とされています。

つまり、早くて2026年中にはカスハラ対策は努力義務から法的義務へ格上げとなる見込みです。

参考:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律の公布について

今回のカスハラに関する法改正では、カスハラの対象範囲と定義も新たに明文化されました。職場の従業員が安心して働けるように、以下の明確なルールと対応方針を定めています。

  • カスハラ加害者に対して企業としてどのような対応をしていくかの指針の策定
  • 相談窓口の設置の義務化 など

カスハラの法制化に伴い、企業は法律の施行に合わせた対策が必要です。具体的な対策に関しては、カスハラ法制化で企業がとるべきカスハラ対策3つを参考にしてください。

対象となるカスハラ行為や、法改正にともない企業が対応すべき指針などの詳しい内容は、以下の記事にて解説しています。カスハラにまつわる法律や対応がわかりやすくまとめられているので、詳しく知りたい方はご覧ください。

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努力義務から法的義務へ格上げされた背景

カスハラ対策を努力義務から法的義務へ格上げした背景には、カスハラが社会問題として顕在化してきたことが挙げられます。これを裏付ける背景として、厚生労働省による全国の企業に調査した結果によると、92.7%の企業でカスハラが発生していると回答がありました。

顧客対応が発生する事業で、多くの事業者がカスハラを受けていることがわかります。

過去3年間の相談件数の推移では、カスハラ(顧客などからの著しい迷惑行為)のみ「件数が増加している」の割合(3.8%)の方が「減少している」(2.2%)より高いという結果が出ています。

つまり、カスハラは過去3年間で、他のハラスメントよりも増加傾向にあることがわかります。

この労働環境をめぐる社会的な情勢から、すでに広く知られているパワハラ・セクハラと同様に、カスハラも被害を防止するための対策強化が急務であるといえる状況です。

カスハラの法制化により、従業員が安心して声を上げられる仕組みづくりが義務化されます。そのため従業員を顧客からの不当要求や暴言から守るための防止策を講じることは、企業の必須事項です。

「とはいえ、具体的には何をしたらいいの?」という方に向けて、ここからは義務化される内容について紹介します。

カスハラ法制化で防止措置が「企業の義務」に!明記されている義務3つ

カスハラを防止する措置が事業主の義務となり、措置が必須となるのは以下の3点です。

  1. 事業主の方針などの明確化及びその周知・啓発
  2. 相談体制の整備・周知
  3. 発生後の迅速かつ適切な対応

事業主が実施しなくてはいけない必須のアクションは、以下が挙げられます。

雇用管理上講ずべき措置 企業の実施必須アクション
事業主の方針などの明確化及びその周知・啓発 就業規則などに以下を記載

  • カスハラの内容
  • カスハラを禁ずる旨を規定・周知
相談体制の整備・周知 相談窓口の担当者を決め、就業規則に規定・周知
発生後の迅速かつ適切な対応
  • 行為者に対して必要な対応処分を実施
  • 会社方針を再周知・研修の実施

参考:ハラスメント対策・女性活躍推進 に関する改正ポイントのご案内

今回のカスハラの法改正でまずすべきは、企業の指針を固めて明記することです。あわせて相談窓口の設置も、従業員の負担軽減のため早急に取りかかりましょう。

カスハラ相談窓口の設置については、以下の記事でも詳しく解説しています。社内の相談窓口の設置方法や、従業員に周知しておきたい社外相談窓口などの情報も網羅されているので、カスハラ対応を検討する際にご覧ください。

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カスハラ対策で難しいのが、発生後の対応です。実際にカスハラが発生した際に迅速かつ適切に対応できるかは、事前の対策が整っているかどうかに大きく左右されます。ここからは、具体的なカスハラ対策に関して紹介します。

カスハラ法制化で企業がとるべきカスハラ対策3つ

カスハラ加害者の初期対応をする従業員のために、企業がとるべき対策は以下が挙げられます。

  1. マニュアルやガイドラインの整備
  2. 社内研修・従業員教育の実施
  3. 録音など証拠確保の仕組みづくり

なかでも証拠を確保する仕組みづくりは、カスハラ被害から従業員を守るうえで重要です。それでは、ひとつずつ紹介します。

1.マニュアルやガイドラインの整備

カスハラから従業員を守り、適切な対応を組織的に進めるために欠かせないのが「カスハラ対応マニュアル」です。

マニュアルがあることで、現場でカスハラ対応する従業員が迷わず行動できます。迷惑行為を繰り返すカスハラ加害者に対しても、企業全体として一貫した対応が可能です。

マニュアル作りの際に参考にしたいのが、厚生労働省が策定した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会」およびガイドライン です。このガイドラインでは、カスハラのパターンに応じて対応例が紹介されているので、対応方法や手順の作成がわかりやすく紹介されています。

マニュアルの作成方法は以下の記事で紹介しています。カスハラガイドラインに準じた、職場の状況にぴったりな対策を策定するポイントをわかりやすく解説しているので、カスハラ対策のマニュアルを作成する際にぜひ参考にしてみてください。

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2.社内研修・従業員教育の実施

マニュアルに加えて、研修の実施も大切です。

当たり前ですが、カスハラ被害は事前の予告なく突然発生します。突然大声を出すような顧客に対しても適切な対応ができるよう、座学とあわせて実際の現場を想起できるようなロールプレイング研修も効果的です。

研修を通して疑似的にカスハラ顧客の言動を経験することで、暴言を目の当たりにしても冷静な対応ができるようになり、感情的な対応や不適切な言動を避けられるようになります。

東京都や北海道などの地方自治体でも、独自のカスハラ防止条例に基づき、事業者へ研修の実施や対策を講じるよう推奨しています。組織としての信頼を守るためにも、カスハラ研修の導入を検討しましょう。

以下の記事でも、カスハラ研修がなぜ必要なのか、研修にはどういった内容を盛り込んだら効果的なのか、カスハラ対策に必要な研修を詳しく解説しています。

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3.録画や録音など証拠確保の仕組みづくり

カスハラが発生したあとは、事実確認が必須です。日頃から防犯カメラや電話の録音などを残しておくと客観的に事実を確認でき、裁判になったときでも証拠として活用できます。

加えて、「一連の言動を記録している」と顧客に伝えることは、カスハラの抑止力にもつながります。

電話対応がメインの場合は、カスハラ対策として自動通話録音機能が搭載されているカイクラがおすすめです。カスハラ加害者の発言をその場でもれなく録音できるので、従業員は対応に集中することができ、通話録音の内容は有効な証拠にもなります。

AIが自動で文字起こしと要約をおこなうため、事実確認を迅速に進められる点も強みです。

ここでは対策の一部を紹介していますが、以下の記事ではカスハラ対策7選を紹介し、より実践的なカスハラ対策のアイデアを解説しています。カスハラ対策を実施するメリットもあわせて解説しているので、これからカスハラ法改正の対応をする企業はぜひチェックしてみてください。

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ここまでの解説のとおり、電話対応をおこなう企業ではカスハラ加害者の言動を証拠として残す「通話録音機能」は必須の対策です。

カスハラ加害者は執拗に電話をかけてくる傾向があり、同じ人物から繰り返し被害を受けるケースも少なくありません。そのため、通話録音機能に加え、架電者がわかるシステムを導入することは、従業員の安全確保につながります。ここからは、カスハラ対策におすすめのシステムを紹介をします。

証拠確保には通話録音ができるカイクラがおすすめ

カスハラ対策には、通話録音を顧客情報と連携して管理ができる「カイクラ」がおすすめです。

カイクラは、すべての通話を自動で録音するので、発生したカスハラをもれなく記録できます。AIによる文字起こしと要約機能もついているので、通話録音をすべて聞かなくても詳細の把握が可能です。

カイクラには、電話をしてきた相手情報のポップアップ表示機能も搭載されています。受電時に電話番号に紐づいた相手情報がポップアップで表示されるので、カスハラ加害者からの受電もすぐにわかりスムーズな電話対応ができます。

顧客情報や過去の会話履歴をみながら通話できるので、執拗なカスハラ行為にも効果的です。

カイクラは、顧客データと録音データ、文字起こしや対応履歴を電話番号に紐づけて管理でき、必要な情報をすぐに確認できるため、何度も迷惑行為を繰り返すようなカスハラ加害者に対して有効なツールです。

カスハラ被害に遭ったときの証拠確保や、その後の対応策の検討に役立つカイクラに関する詳しい内容は、以下から確認できます。カスハラの対処法や導入事例など、現場で役立つ情報もありますので、ぜひ確認してみてください。

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カスハラ法改正でカスハラ対策義務化!今日から行動を

2026年以降、カスハラ対策は全ての企業に「法的義務」となりました。カスハラ対策は法律対応にとどまらず、従業員を守り、企業の信頼を高めるための重要な取り組みです。

2026年義務化を機に、今から計画的にカスハラ対策の準備を進めましょう。

カスハラ対策に必要な対応実務以外にも、労務や総務で対応すべきこと、カスハラの労災認定事例などの知識を組織としてもつことは、社員を守ることにもつながります。

シンカでは、法律に対応するため、そしてカスハラから従業員を守るために必要な対策をまとめた資料を無料で配布しています。社労士監修の資料になりますので、従業員を守る手段としてぜひご活用ください。

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  • カスタマーハラスメント防止をめぐる世の中の動き
  • 労災認定事例の要点
  • 定義と類型(線引きの基準)
  • クレームとの違い(どこからがカスハラか)
  • 対策に必要な対応実務(社内運用のポイント)

カイクラ 佐貫
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この記事を書いた人

カイクラ編集部です。カイクラ.magは、株式会社シンカが運営するオウンドメディアです。 「音声を記録し、会話を企業価値に」をモットーに、「会話」に関する様々なテクノロジーや最新情報、企業の業務効率化や社内コミュニケーションの活性化事例など、すべての企業にとってお役に立てる情報を幅広く発信します。

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