カスタマーハラスメントとは?放置するリスクやとるべき対策を紹介!

近年、顧客からの悪質なクレームや理不尽な要求、従業員への暴言などのカスタマーハラスメントに悩む企業が増加しています。

カスタマーハラスメントに対して正しい対応をとらないと、従業員の離職や事実ではない悪評の拡散につながりかねません。

そこで本記事では、カスタマーハラスメントが発生したときの対応方法や発生前の対策、クレームとの違いなどを紹介します。カスタマーハラスメントについて網羅的に知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

カスタマーハラスメントとは顧客などからの迷惑行為

カスタマーハラスメントとは、顧客などからの迷惑行為を指します。厚生労働省が定義したカスタマーハラスメントの定義は、以下です。

顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・能様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・能様により、労働者の就業環境が害されるもの

参考:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」7P

「顧客など」としているのは、実際にサービスや商品を利用した人だけではなく、まだ自社製品を使っていない人の迷惑行為もカスタマーハラスメントに含まれるためです。

厚生労働省が令和2年に実施した「職場のハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年間に相談があったハラスメントの上位3位に、カスタマーハラスメントが挙げられています

同調査では、「過去3年でカスタマーハラスメントを経験した人の割合は15%で、セクハラの10.2%よりも回答割合が高い」との結果も出ています。

以下の表からは「過去3年間でカスタマーハラスメントの発生件数が増加している」と感じている人が19.4%と、増加傾向にあることが判明しました。

また「過去3年間でカスタマーハラスメントに該当すると判断した事例はない」と回答した人は7.3%と、全体の92.7%が迷惑行為を経験していることがわかります。

厚生労働省の調査からも、カスタマーハラスメントが企業にとって身近なものであることがわかります。

カスタマーハラスメントの対象となる行為

カスタマーハラスメントの相談内容として一番多かった行為は「長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム」(52%)です。

続いて、以下の迷惑行為が「顧客から受けた迷惑行為」として挙げられます。

  • 名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(46.9%)
  • 著しく不当な要求(金品の要求や土下座の強要)24.9%
  • 脅迫(14.6%)

この表からもわかるように、クレームもカスタマーハラスメントの一部です。しかし、すべてのクレームがカスタマーハラスメントに該当するわけではありません。

ここからは、混合しがちな「カスタマーハラスメントの迷惑行為とクレームの違い」について紹介します。

カスタマーハラスメントとクレームの判断基準2つ

カスタマーハラスメントとクレームの判断基準は、以下の2点です。

  1. 要求が妥当か
  2. 要求に対する手段が社会の基準からみて適切か

カスタマーハラスメントとクレームは、とるべき対応が違います。混合して誤った対応をしないためにも、カスタマーハラスメントとクレームの判断基準を正しく理解しましょう。

それでは、ひとつずつ紹介します。

【基準1】要求が妥当か

まず基準となるのは、要求の妥当性の有無です。

顧客などの主張に関して、まずは事実関係や因果関係を確認して、以下を判断しましょう。

  • 自社に過失がないか
  • 妥当な主張か など

たとえば「購入した商品が動かないので、交換もしくは返品したい」と顧客が主張するのは、妥当な要求です。

一方で「商品自体に問題はないが、作動音が大きくて気に入らないので、土下座して謝罪してほしい」などは、作動音の大きさと従業員の対応に因果関係はなく、謝罪の必要も全くないため、妥当な要求ではありません。

このように、要求に妥当性が認められない場合は「クレームではなくカスタマーハラスメント」と判断します。主なケースを以下に挙げましたので、参考にしてください。

▼要求に妥当性が認められない場合

  • 商品やサービスに過失が認められない場合例:レストランで注文した料理の味が個人的な好みに合わず、全額返金を要求する など
  • 要求の内容が商品・サービスと関係ない場合例:ホテルのフロントスタッフに、自身の私生活の悩み相談を長時間強要する宿泊客 など

【基準2】要求に対する手段が社会の基準からみて適切か

前述の要求の妥当性の確認とあわせて「要求に対する手段が社会の基準に照らして適切か」も、カスタマーハラスメントかクレームかを判断する基準です。

要求に対する手段が、社会の基準からみて不適切な場合もカスタマーハラスメントにあたります。

カスタマーハラスメントに該当する主な例を以下にまとめましたので、判断の参考にしてください。

身体的な攻撃
  • 商品に不満を持った客が店員に暴力をふるう
  • 返品を拒否された際に商品を従業員に投げつける
精神的な攻撃
  • SNSで特定の従業員を名指しで批判し、誹謗中傷をする
  • 従業員の外見や話し方を侮辱する
威圧的な言動
  • 大声で怒鳴りつけたり、机を叩いたり、物を投げたりして脅す
  • 従業員の個人情報を暴露すると脅す
土下座の要求
  • 謝罪の際に「それじゃ足りない、土下座しろ」と要求する
  • 土下座している様子を撮影し、SNSにアップすると脅す
継続的またはしつこい言動
  • 解決済みの問題について何度も電話やメールで問い合わせる
  • SNSや口コミサイトで同じ内容の批判を繰り返し投稿する
拘束的な言動
  • 問題が解決するまで帰さないと言って、従業員の退勤を妨げる
  • 「上司に電話を代われ」と言い続け、長時間拘束する

他にも、差別的もしくは性的な言動も、社会の基準からみて不適切です。

仮に要求に妥当性があっても、上記に挙げた暴力行為などは犯罪に該当しうる行為です。

▼要求に妥当性があっても、要求に対する手段が不適切な例

注文したラーメンのなかに虫が入っていた→返金を要求する際に従業員に殴りかかる

「クレームではなくカスタマーハラスメント」と判断できる行動の具体例をさらに知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。

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カスタマーハラスメントと判断されるケースは、対応にあたる従業員の身体的・精神的負担が大きいため、組織的な対策をしないとさまざまな面で悪影響を及ぼす恐れがあります。

ここからは、カスタマーハラスメント対策をしない悪影響を紹介します。

カスタマーハラスメント対策をしない3つの悪影響

カスタマーハラスメント対策をしない主な悪影響は、以下の3つです。

  1. 従業員
  2. 企業
  3. 既存顧客

なかでも既存顧客への影響は見落としがちなので、ぜひチェックしてください。それでは、ひとつずつ紹介します。

【影響1】従業員

まず影響を受けるのは、カスタマーハラスメントの対応にあたる従業員です。顧客からの攻撃的な言動や理不尽な要求に接することで、従業員は強い不安やストレスを感じます。

不安やストレスが続くことで、不眠や食欲不振などの健康不良だけではなく、以下の悪影響に及ぶ恐れもあります。

  • 業務のパフォーマンス低下
  • 顧客対応への恐怖心や精神的苦痛からの休職や退職 など

「従業員をカスタマーハラスメントの悪影響から守る」などの観点からも、カスタマーハラスメントの対応を従業員任せにせず、組織で行うことが大切です。

【影響2】企業

カスタマーハラスメントが組織に及ぼす1番の悪影響は、業務に支障が出ることです。カスタマーハラスメント対応によって他業務が行えないことで、人的リソースが不足し業務が滞る恐れがあります。

また他業務への支障以外にも、以下の影響が考えられます。

  • サービスの値下げや慰謝料対応などの金銭的損失
  • SNSの投稿による企業イメージの低下 など

慰謝料の支払いやSNSへの悪質な投稿に対しては、専門的な知識が必要になる場合があります。自社での対応が難しい場合は、弁護士と連携して解決しましょう。

【影響3】既存顧客

見落としがちなのが、既存顧客への影響です。

SNSへの悪質な投稿により企業イメージが低下すると、それに連動してサービスを利用するユーザーのイメージも低下する恐れがあります。

▼例

アパレルブランドAの広告が人種差別にあたる、など根拠のない投稿がSNSで広まり非難が集まった
→「アパレルブランドAのアイテムを持っている人は、人種差別を容認している」などのイメージが広がり、アパレルブランドAのアイテムを使いにくくなった など

また従業員の人数が少ない接客業などで懸念されるのは、カスタマーハラスメント対応によるリソース不足が、サービス品質の低下を招くことです。

▼例

コールセンターにてカスタマーハラスメントの対応に時間をとられ、通常の問い合わせ対応が遅延。
→待ち時間が大幅に増加して、電話がつながるまで20分ほどかかった

レストランにて、従業員がカスタマーハラスメント対応に集中し、他の顧客へのサービスが手薄に。
→レジの前で会計を待つ顧客が増えたり、食事の進み具合にあわせたサービスの提供ができなかったりした

このようにカスタマーハラスメントを放置すると、従業員だけではなく企業イメージや既存顧客にも悪影響が及ぶ恐れがあります。

従業員や企業イメージ、既存顧客を守るためにも、カスタマーハラスメントは放置せずきちんと対応することが大切です。

「とはいえ、どのような対策をとればいいの?」という方に向けて、ここからはカスタマーハラスメントの対策に関して紹介します。

5ステップ!カスタマーハラスメントに向けた対策

カスタマーハラスメントに向けた対策は、以下の5ステップで行います。

  1. 方針を従業員に伝える
  2. カスタマーハラスメントに対応できる体制を作る
  3. 対策マニュアルを作成する
  4. 社員研修を実施する
  5. 状況を確認できる環境を整える

どれも大事なステップなので、しっかり押さえましょう。

【ステップ1】方針を従業員に伝える

まず大切なことはカスタマーハラスメントに対する基本姿勢や取り組み、対応方法を従業員に対して明確にすることです。

従業員がカスタマーハラスメントの方針を理解することで、互いにサポートし合える環境が作られ、一貫性のあるサービスを顧客に提供できます。

また「部署単位ではなく、組織として従業員を守る」などの姿勢を伝えることで、組織に対する安心感が従業員のなかに生まれ、離職防止にもつながります。

【ステップ2】カスタマーハラスメントに対応できる体制を作る

方針を従業員に伝えた後は、カスタマーハラスメントに対応できる体制を作りましょう。

具体的にはカスタマーハラスメントに対する現場での初期対応を決定したり、カスタマーハラスメントを受けた従業員が相談できる窓口を設置したりします。

相談窓口を設置し1人で問題を抱えこまないように配慮することは、以下のことにつながります。

  • カスタマーハラスメントを受けた従業員の精神的・身体的健康を守る
  • ハラスメントによるストレスによる燃え尽き症候群を防ぐ など

相談窓口になる人や部署を決定したら、従業員に周知しましょう。

またカスタマーハラスメントの相談に対応する人は、状況把握や事実確認、顧客対応や相談してくれた従業員のフォローと、非常に重要な役割を担います。

そのため、相談対応者に向けた定期的な研修も実施しましょう。

【ステップ3】対策マニュアルを作成する

カスタマーハラスメントが発生したときに、どのような対策をとればいいかわかりやすいように対策マニュアルも作成しましょう。

カスタマーハラスメントの対策をマニュアルにまとめておくことで「一貫した対応ができる」などのメリットがあります。

対策マニュアルは「作って終わり」では、意味がありません。対策マニュアルを活用するコツは以下の3つです。

  • 誰でも読みやすく使えるマニュアルにする
  • 事例を多く集めて記載する
  • 内容を定期的に更新する

対策マニュアルを活用するコツの詳細や、作成時のポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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【ステップ4】社員研修を実施する

カスタマーハラスメント行為に対する対応が決定したら、従業員へ周知しましょう。

対策マニュアルの配布とあわせて、迷惑行為や悪質なクレーム対応に対する研修の実施も、カスタマーハラスメントの対策として効果的です。

日頃から研修を実施することで、どのような対応をすればいいのか事前に学べるので、カスタマーハラスメントの発生時でも慌てずに対応できます。

カスタマーハラスメント研修の主な実施方法は、以下の3つです。

  • 厚生労働省の動画で学ぶ
  • eラーニングなどの動画教材を活用する
  • 外部講師を招いて研修する

厚生労働省の動画を活用すれば、費用をかけなくでも研修を実施できます。各実施方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

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【ステップ5】状況を確認できる環境を整える

カスタマーハラスメントの発生状況を、後から確認できる環境作りも重要です。防犯カメラの録画や電話の録音などがあると、第三者が状況を公平に判断でき、理不尽な要求かどうかの判断材料となります。

また防犯カメラや電話の録音は、カスタマーハラスメントを起こす人の抑止力になり、​​不当な非難から従業員を守ることにもつながります。

とくに顔の見えない電話は、心理的障壁が低くなり普段は言えないことを言わせやすくするので、通話録音ができるシステムを導入して備えることが重要です。

クレーム対策における通話録音システムは、以下3つの観点で選びましょう。

  • 自社に適した機能が備わっているのか
  • システムがオンプレミス型なのかクラウド型なのか
  • 予算に適したシステムなのか

選び方の詳細やおすすめの通話録音システムを知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

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カスタマーハラスメント対策の詳細や、社員を守るためのカスタマーハラスメント対策を実施した企業の事例に関しては、以下の記事に詳しく書いてあります。気になる方は、ぜひご確認ください。

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ここまではカスタマーハラスメントが発生する前に準備できる対策に関してお伝えしてきましたが、カスタマーハラスメントが発生したあとの対応も重要です。

いざというときに備えてカスタマーハラスメントが発生したときの対処法についてもまとめておくと、慌てずに対応ができます。

そこでここからは、カスタマーハラスメントが発生したときの対処法について紹介します。

4ステップ!カスタマーハラスメントが発生した際の対処法

カスタマーハラスメントが発生した際の主な対処法は、以下の4ステップです。

  1. 事実確認をする
  2. 対応部署に内容を引き継ぐ
  3. カスタマーハラスメントを受けた従業員をサポートする
  4. これまでの対策を見直し再発防止に向けて改善する

なかでも、事実確認はカスタマーハラスメントかどうかを判断する重要な要素です。それでは、ひとつずつ紹介します。

【ステップ1】事実確認をする

カスタマーハラスメントが発生したら、まずはカスタマーハラスメントか否かを判断するために、証拠・証言に基づいて顧客の主張を確認します。

顧客の主張に妥当性があり商品やサービスに過失がある場合は、謝罪し、商品の交換や返金に応じましょう。

とはいえ、証言が録音や録画されていない場合は、記憶をもとにしか判断できず、客観性に欠けます。対策でもお伝えしましたが、客観的な判断には録音や録画で記録を残すことが重要です

電話での会話は、通話録音データがあると事実確認が容易です。コニュニケーションプラットフォーム「カイクラ」があれば、すべての通話が自動録音されるので、録音漏れの心配がありません。

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【ステップ2】対応部署に内容を引き継ぐ

顧客などの要求や言動が悪質で自社での対応が難しい場合は、弁護士への相談や警察への通報を検討しましょう。

弁護士への相談などの訴訟手続きや警察への通報、地方自治体など、社外の組織との連携が必要になった場合は、以下の内容を引き継ぎます。

  • 対応日時・場所
  • 対応した従業員
  • 顧客情報
  • 顧客の要望内容
  • 管理者の指示や対応の詳細
  • 対応結果 など

上記をまとめる際は、時系列で整理しておくと流れがつかみやすく引き継ぎもしやすいのでおすすめです。

【ステップ3】カスタマーハラスメントを受けた従業員をサポートする

カスタマーハラスメントは、従業員に精神的負担を与えます。そのため、カスタマーハラスメントの対応をした従業員のケアが重要になります。

従業員のストレスが強いようであれば、必要に応じてカウンセリングなどメンタルケアも検討しましょう。

カスタマーハラスメントが繰り返される不相当な行為には、従業員を一人で対応させず、複数名もしくは組織で対応して従業員をサポートすることが大切です。

【ステップ4】これまでの対策を見直し再発防止に向けて改善する

カスタマーハラスメントの対応が終わった後は、再発防止に向けて現在の対応を見直すことが大切です。

現在の対応を見直すときは、発生から時系列で改善できるポイントがないかを振り返りましょう。

▼例

最初に電話に出た従業員が上職に変わるタイミングを逃し、長時間拘束された
→今後は、顧客の許可をとらずに保留にして上職に変わる、など

カスタマーハラスメントの発生は、多くの要因が関係しています。カスタマーハラスメントが発生したら、事例を書き留め、定期的な見直しや改善を継続的におこないましょう。

電話対応の事実確認をスムーズにするなら通話録音がおすすめ

カスタマーハラスメントが発生した際のフローで重要なのは、事実確認です。

商品の不良など明確な基準がない問題の場合、事実確認が曖昧では、顧客の主張が正しいかどうかやカスタマーハラスメントかどうかの判断ができません。

電話対応であれば、通話録音データがあれば客観的な事実確認ができます。数多くある電話対応できるシステムのなかでも、おすすめなのは「カイクラ」です。

カイクラがおすすめの理由は、以下の3つです。

  • 固定電話や携帯電話の通話を自動で録音してくれる
  • 着信時に顧客情報がポップアップされるので、カスタマーハラスメントの対応中の顧客からの連絡と一目でわかり、直接担当者が電話に出れる
  • 顧客の対応履歴が一元管理できるので、顧客を待たせないスムーズ対応ができ新たなクレーム発生を防止できる

カスタマーハラスメント対策だけではなく、クレームや通常の電話対応にも活用できるカイクラの詳細は、以下からご覧ください。

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カスタマーハラスメントに関するよくある質問3つ

カスタマーハラスメントに関するよくある質問は、以下の3つです。

  1. カスタマーハラスメントと関係がある法律は?
  2. カスタマーハラ​​スメントの取り組み事例はある?
  3. カスタマーハラスメントの相談窓口はある?

それでは、ひとつずつみていきましょう。

【Q1】カスタマーハラスメントと関係がある法律は?

カスタマーハラスメントに関係がある犯罪、違法行為に抵触・関連する条文として、主なものは以下の通りです。

身体的な攻撃 傷害罪:刑法204条

暴行罪:刑法222条

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処する。

精神的な攻撃 脅迫罪:刑法208条 生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処する。
威圧的な言動 脅迫罪:刑法249条

侮辱罪:刑法231条

生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処する。

事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留または過料に処する。

土下座の要求 強要罪:刑法223条 生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する
継続的またはしつこい言動 名誉毀損罪:刑法230条
信用毀損及び業務妨害:刑法233条
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金に処する。

虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の信用を毀損し、またはその業務を妨害した者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

拘束的な言動 威力業務妨害罪:刑法234条

不退去罪:刑法130条

威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入し、または要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する。

参考:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」10P

上記に挙げた以外に、軽犯罪法においてもカスタマーハラスメントは法律・規則に抵触する可能性があります。

【Q2】カスタマーハラスメントの取り組み事例はある?

カスタマーハラスメントの取り組み事例は、あります。話題になったのは、東京都の取り組み事例です。

東京都は、2024年9月の定例都議会にカスタマーハラスメントの防止条例案を提出すること、罰則は設けないがガイドラインや業界共通のマニュアルを作り、禁止行為の具体例を示すことを発表しています。

以下の記事では、実際にあったカスタマーハラスメントの事例を紹介しています。

具体的にどのようなカスタマーハラスメントがあったかを詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

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【Q3】カスタマーハラスメントの相談窓口はある?

会社に相談窓口がない場合は、厚生労働省の委託事業である「ハラスメント悩み相談室」に相談をしましょう。

上記で紹介したサイト内には、その他の相談機関も紹介があります。一部を紹介するので、連絡をする際の参考にしてください。

厚生労働省 SNS相談 SNS相談などを行っている団体一覧を案内
総合労働相談コーナー (各都道府県労働局及び労働基準監督署) 労働問題に関するあらゆる分野について、専門の相談員が面談あるいは電話
みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル) 最寄りの法務局・地方法務局にて、差別や虐待、パワーハラスメントなど、さまざまな人権問題についての相談を受け付ける電話
法テラス(日本司法支援センター) 解決に役立つ法制度や団体などの関係機関の相談窓口を、コールセンターや全国の法テラス地方事務所にて、無料で案内

まとめ:カスタマーハラスメントには組織全体で取り組もう

カスタマーハラスメントは、部署単位ではなく組織全体で取り組むことが大切です。とはいえ、カスタマーハラスメントか否かを判断するためには、客観的な証拠が必要不可欠です。

電話対応において、客観的な事実確認がしたいときに効果的なのが、通話録音データです。

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この記事を書いた人

カイクラ編集部です。カイクラ.magは、株式会社シンカが運営するオウンドメディアです。 「音声を記録し、会話を企業価値に」をモットーに、「会話」に関する様々なテクノロジーや最新情報、企業の業務効率化や社内コミュニケーションの活性化事例など、すべての企業にとってお役に立てる情報を幅広く発信します。

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