顧客対応のストレスの根本原因と令和時代の対処方法

コールセンターを代表とする顧客対応業務は離職率が高く、高ストレスの業種として有名です。本稿では顧客対応のストレスの原因を明らかにして、根本的な解決方法について提案します。

ストレスの種類と原因

一般的にストレスと言った場合、受け取り手によって様々な意味の広がりがあります。

単純に何らかの不満を抱えている状態をストレスと呼んだり、抑圧状態のことを指したりするからです。

しかし厚生労働省によると、ストレスとは外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態と明確に定義されており、その刺激の種類は病気やけがなのど身体的要因と悩みや不安などの心理的な要因、人間関係などの社会的な要因の3つに分けられます。

知る事からはじめようみんなのメンタルヘルス|厚生労働省

厚生労働省の定義に従えば、顧客対応におけるストレスは主に社会的要因と心理的要因の2つが該当するといえます。

そしてストレスの原因となる外部からの刺激は下記の通りです。

クレーム

顧客対応業務は売り込みだけではありません。自社の製品・サービスに不備があった場合、顧客からクレームを受ける必要があります。

これは電話対応、対面接客を問わず違いはありません。

まずは顧客の怒りを鎮める必要があるので、お詫びをしてから事実確認、対応策の提案を行うのですが、第一声で罵倒を浴びせられる事もあり、主張内容に全く妥当性が感じられなくても納得してもらったり、妥協点を探す必要があるので極度に疲労します。

手順書に従うだけで問題が完結するなら良いですが、問題が担当者個人の判断出来る範囲を超えて、上司の指示を仰ぐケースもあるので、業務内容が定型化出来ません。

自分自身に非がなくても日常的に非難を受けてお詫びをし続けたり、理不尽な謝罪を強要されたりすると心が病んでくる、という向きもあり、嫌な顧客の相手をしたくない、クレーム対応が嫌だから接客業はしたくないという人は多いものです。

顧客対応ストレスの最たるものがクレーム対応だと言えるでしょう。

ノルマ

実店舗での対面接客で課せられるケースは稀ですが、コールセンター業務では規定時間内に処理する電話の本数や電話がなってから取るまでの時間に目標やノルマが課せられているケースが多いです。

コールセンターでは人手不足が常態化しているので、必ず顧客を待たせてしまいます。

そこで顧客満足追及の為には出来るだけ多くの電話を適切に処理する必要があり、管理者は下記のKPI(重要評価指数:Key Performance Indicator)を設定して管理せざるをえません。

  • 時間当たりのコンタクト処理率
  • コンタクト不備による手戻り率
  • 応答率
  • 話中率
  • 放棄率
  • 平均放棄時間
  • 平均応答時間
  • 平均通話時間

顧客対応の品質を維持しながら、KPIを達成するのは困難であり、大きなストレスだと言えます。

また対面接客はもちろん電話対応でも売り込み業務にノルマが課せられることもあります。電話本数や声かけ回数だけでなく、売り上げベースのノルマもあるのでアウトバウンド業務におけるノルマはインバウンド業務のクレームと同等のストレスです。

ダブルバインド

最後がダブルバインド(二重拘束:Double bind)です。これは矛盾した命令をこなさなくてはならない状態の事で、接客業においては主に顧客と会社指示の板挟みになるケースで発生します。

顧客対応を丁寧にしながらも大量の電話を捌く、明らかに自社に非があるケースでも返金や返品を受け付けずに顧客好感度を維持する、といった両立困難なシチュエーションが当てはまります。

ダブルバインド状態を打破するには、一段階抽象度を上げた視点で状況を把握する必要がありますが、状況が整理できても問題解決方法が存在しない(存在しても問題が発生するフレーム自体の変更を要するので実質的に不可能になる)ケースが多いので重度の社会的ストレスになります。

ダブルバインドは顧客対応に限らず、あらゆるケースで発生するのでコールセンターや接客業特有のストレスというわけではありませんが、クレームやノルマと合わせてストレスの大きな原因の一つです。

以上が顧客対応の主なストレスの種類と原因になりますが、近年は若い世代を中心に別のタイプのストレスが見られます。

固定電話恐怖症

顧客対応は大きく分けて対面接客と電話対応の2種類に分けられますが、電話受付がない顧客対応業務はありません。

コールセンターのような専門職だけでなく営業事務であっても電話を受ける必要があるからです。

そこへ固定電話恐怖症という社交不安障害が広がっています。

これは固定電話を受ける事自体に大きなストレスを感じるというもので、様々な社会的な要因が重なって生まれた現代病の一種です。

クレームやノルマ、ダブルバインドといったストレスは仕事の内容そのものから生じるストレスを分類したものですが、電話恐怖症は仕事以前の問題です。

特にデジタルネイティブなミレニアム世代は通話よりもチャットでのやり取りに慣れており、電話を受ける事自体が苦手という人は珍しくありません。

固定電話恐怖症について詳しくは下記の記事をご覧ください。

固定電話恐怖症が担当者に限った傾向なら単純に訓練などして電話に慣れるという選択もありえますが、実は顧客も電話応対にストレスを感じています。

実は顧客もストレスを抱えている

顧客対応業務を行っているとなかなか見えてこないのですが、実は顧客側も会社に電話などの連絡をとるのはストレスとなっています。

悪質なクレーマーの例は話題性もあり、頻繁に顧客対応のテーマにのぼりますが、会社側として最も恐れなくてはいけないのは無言で去っていく顧客です。

実のところ、怒りに任せて相手を罵倒するタイプの人は少数に過ぎません。電話をかけたり、クレーム問い合わせメールを送信するというのはかなりの時間と労力を使うからです。

特に多忙な現代人は最初から解決が望み薄だと思われる問題をひっくり返すために無駄な努力や摩擦を嫌います。

あまりにも我慢できないような問題が発生すれば、普段は温厚な顧客もクレームを入れることがありますが、多少の問題が発生しても周囲の人に愚痴を言うくらいでわざわざ会社に連絡などしたくない、という人が多数派です。

彼らは購入した商品やサービスに不満があってもクレームを入れて返金させたり、取り換えさせたりするような面倒なことはせず、黙って次から買わなくなったり、すぐにサブスクリプションを解約してしまいます。

クレームや悪評があれば会社側も顧客の不満を察知できますが、リアクションがないので潮が引くように業績が悪化して初めて隠れた問題に気付くというわけです。

顧客対応がストレスフルな業務であることは否定できない事実ですが、顧客との間に接点すらない状態がもっとも危惧すべき状態であり、問題がある事を知らせてくれる一部の顧客はむしろ会社にとってありがたい存在だと言えます。

以上の点から、電話というツール自体が自社と顧客の双方にとってストレスの源となっているのです。

ストレスを減らすには?

顧客対応のストレスを減らすには2つの方法があります。

メンタルケアと自助努力

一つは担当者にメンタルケアを施して、過剰なストレスを抱えないようにするというものです。社内にカウンセラーや産業医を配置したり、外部の医療機関と提携するなどして担当者をフォローします。

また担当者に研修を施してストレスに負けない強いマインドを持ってもらう方法もありますが、基本的には対症療法であり、ストレスの発生それ自体の根本解決には繋がりません。

ストレス源はそのままですし、なにより顧客側が潜在的に抱えているストレスが軽減できていません。顧客対応のストレスは自社サイドの問題だけでなく、双方向的なものなのです。

顧客接点のデジタル化

二つめの方法がデジタル化です。電話をかけること、電話を受けること自体がストレスフルなのですから最初から電話を使わない顧客対応をすればよいのです。

例えばサイトにチャットを設置すれば、リアルタイムでやり取りが出来ます。通話のように担当者が拘束されないので、同時に複数の書き込みに対応出来ますし、難しい質問に対しても調べながら返信するだけの時間的余裕も生まれます。

そしてチャットで対応しきれない状態であることが判明してから通話に切り替えればよいのです。

チャットを導入することで顧客側も電話で待たされることが無くなり、短文でもすぐに書き込めてリアルタイムのリアクションが期待できるので、企業との接点を持ちやすくなるの大きなメリットだと言えます。

チャットなら電話をかけたり、苦情メールを送るハードルの高さに躊躇したまま、不満を抱えて黙って去っていくようなケースが減るので、会社と顧客の双方に大きなメリットが生まれます。

しかもチャットシステムはやり取りが全てテキストなのでログに残して問い合わせ内容を分析しやすい利点があります。

通話を録音しても音声は聞き直しに時間がとられるのでアーカイブ性に欠けますが、テキストなら整理しやすいのです。

またチャットボットを導入すれば簡単な問い合わせに24時間356日自動で対応できます。統計情、半数以上の問い合わせは深刻なものではなく、一言で解決できるものです。

チャットボットで即座に回答が得られるようになるのなら、顧客は回答を待つ必要がなくなるので理想的だといえます。

このようにデジタルによって顧客と担当者の双方のストレスが軽減されます。

個人の努力でストレスへの耐性を高めるといった定量化できない対策を打つよりも、明確に数字に現れるデジタル化こそ顧客対応ストレスへの切り札だと言えます。

デジタル化は既存の仕組みを大幅に変更する必要に迫られ、費用も掛かりますが、それに見合うだけの業務改善効果が期待できます。

まずは信頼できる企業に相談してみてはいかがでしょうか。

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