「自動車が好き」「中古車を販売してみたい」などの動機から、中古自動車販売業の開業に興味を持つ方もいるでしょう。
そんなとき、
「開業手続きはどうやるの?」
「必要な費用や準備は?」
「中古自動車販売業は難しい?成功させるには?」
などの疑問を抱くのではないでしょうか。開業して事業をスムーズにおこなうには、事前の知識や準備、中古車自動車業の特徴の理解などが重要です。
そこで本記事では、中古自動車販売業を開業させたい個人事業主や経営者に向けて、必要な開業手続きや準備を解説します。
後半では、中古自動車販売業を開始する前に知っておきたい注意点や成功させるための重要なポイントを紹介していますので、ぜひ最後までご一読ください。
なお、中古自動車販売業は少人数で経営することもあり、業務効率化は不可欠です。
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中古自動車販売業を開業するために必要な手続き7つ
中古自動車販売業の開業には、以下の7つの手続きが必要です。
- 古物商許可の取得
- 自動車リサイクル法引取業登録
- 自動車リサイクルシステムへの事業者登録
- オートオークション会員登録
- 保険代理店登録
- オートローンの代理店登録
- 税務署への届出
ひとつずつ解説します。
【手続き1】古物商許可の取得
営利目的で中古品を売買する個人や法人は、古物営業法により「古物商許可」の資格が必要です。そのため、中古自動車販売業を開業する際は古物商許可を取得します。
取得の概要を以下にまとめました。
・取得窓口:事業をおこなう地域を管轄する警察署
・取得方法:警察署に申請書類を提出(必要な添付書類は自治体による)
・取得費用:申請手数料の19,000円(申請書類に手数料分の収入印紙を貼り支払う)
・取得期間:申請後、約40日で許可証が発行
注意点として、古物商許可証の発行審査には40日程度かかります。
もしも許可証を持たない状態で営業活動をおこなってしまうと、古物営業法の違反で「懲役3年以下もしくは100万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
よって、古物許可証の発行時期を見越して開業日を決めるとよいでしょう。
【手続き2】自動車リサイクル法引取業登録
使用済みの自動車の売買や廃車の引取の際は、事前に「自動車リサイクル法引取業者の登録」が必要です。登録は5年有効で、以降は更新申請します。
登録の概要を以下にまとめました。
・登録窓口:事業をおこなう地域の役所や保健所
・登録方法:役所や保健所に申請書類を提出(必要な添付書類は自治体による)
・登録費用:申請手数料は5,000円前後(申請書類に手数料分の収入印紙の貼付または現金払い)
・登録期間:申請後、約2カ月で登録完了
申請時の添付書類として、登記事項証明書や住民票の写しが必要になる場合もあります。自治体によって登録費用や提出書類は変わるため、事前に問い合わせて確認しましょう。
また、申請から登録完了まで数カ月かかることが多いため、早めに手続きすると安心です。
無登録での事業は自動車リサイクル法違反となり、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられてしまうため、注意しましょう。
【手続き3】自動車リサイクルシステムへの事業者登録
先述した「自動車リサイクル法引取業者の登録」と同時に「自動車リサイクルシステムへの事業者登録」が必要です。中古自動車販売業では、電子マニフェスト制度による取引の報告やリサイクル料金の預託実務が発生するからです。
自動車リサイクルシステムは、使用済みの自動車を取り扱う業者の役割を明確化し、廃棄物の削減や資源の有効活用を目的としています。
登録の概要を以下にまとめました。
・登録窓口:公益財団法人 自動車リサイクル促進センター
・登録方法:自動車リサイクルシステムのHPより、書類をダウンロードし記入後に郵送
・登録費用:なし
・登録期間:申請後、約1カ月で登録完了
【手続き4】オートオークション会員登録
中古車の仕入れや販売のルートとして、「オートオークション」の会員登録もしておきましょう。
オートオークションとは、中古自動車の取扱業者向けの中古車の卸売市場です。多くは会員制の形式で提供しています。
PCを利用したインターネット上でのオークションや直接各会場でおこなう現車オークションなどがあります。全国各地を対象にオークションが可能なため、会員登録しておくと中古車の仕入れや販売の機会や選択肢が増えるでしょう。
ただし、会員登録には実績や条件などが必要になるケースも。会員登録するときは、事前に条件の内容を確認しましょう。
【手続き5】保険代理店登録
自動車やバイクを購入する際、加入義務がある自動車保険が「自動車損害賠償責任保険」(自賠責保険)です。そのため、自社でも自賠責保険の加入手続きができるように、保険代理店登録しておくのがおすすめです。
中古自動車販売業の保険代理店登録は義務ではありませんが、顧客の負担を軽減でき信頼にもつながるでしょう。
登録方法は、主に以下の流れです。
1.代理店として登録したい損害保険会社を決める
2.損害保険会社が開催する研修や試験を受験し、合格する
3.損害保険会社と代理店委託契約を締結
4.財務局で代理店登録手続きし、審査と登録を完了させる
また、保険代理店になり自賠責保険の契約手続きをおこなえば代理店手数料が発生して収入も得られるメリットもあります。
【手続き6】オートローンの代理店登録
自動車は高額なため、購入する際にローンを組んで分割払いにする顧客もいます。そのため、顧客が店舗でローンを組んで中古車を購入できるように、オートローンの代理店になるのはおすすめです。
顧客が金融機関で手続きしてローンを組むことも可能ですが、手間や負担がかかります。よって自社でローンを組み、すぐに購入できる状態であれば販売促進になり購入の機会損失を防げます。
オートローン会社が提供するローンサービス内容や手数料などをふまえて、代理店として登録する会社を決めるとよいでしょう。
なお、代理店の登録手順はオートローン会社ごとに違いますので、問い合わせて確認する必要があります。
【手続き7】税務署への届出
中古自動車販売業を開業する際、税務署へ開業に伴う各届出も必要です。
開業の届出のほか、税金の控除を受けたり従業員に給与を払う際の源泉徴収をしたりするために必要な書類を提出します。
もし届出の提出を忘れてしまうと、多く税金を払うことになったりペナルティを課せられたりするため、忘れず提出しましょう。
また、個人事業主もしくは法人として中古自動車販売業を開業するとき、それぞれ提出する書類が異なります。
以下に個人・法人別に提出する書類をまとめました。
▼個人で中古自動車販売業を開業する際に必要な書類と提出先
個人事業主で経営する場合の提出書類と目的 | 提出先 |
---|---|
個人事業の開業・廃業等届出書(所得税の納税のため) | 税務署 |
所得税の青色申告承認申請書 (青色申告で確定申告するため) |
税務署 |
青色事業専従者給与に関する届出書 (配偶者・親族に支払った給与を経費にするため) |
税務署 |
所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書(自宅と事業所が違い、事業所を納税地とする場合必要) | 税務署 |
事業開始届出書(個人事業税の納税のため) | 都道府県税事務所 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 (給与を支払う従業員が常時10人未満で、源泉所得税を年2回に分けて納付したい場合のみ提出) |
税務署 |
法人で経営する場合の提出書類と目的 | 提出先 |
---|---|
法人設立届出書(法人税の納税のため) | 税務署 |
法人設立届出書(法人住民税・法人事業税の納税のため) | 都道府県税事務所や市町村役所 |
所得税の青色申告承認申請書 (青色申告で確定申告するため) |
税務署 |
給与支払事務所等の開設届出書 (給与を支払う従業員の所得税を納付するため) |
税務署 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 (給与を支払う従業員が常時10人未満で、源泉所得税を年2回に分けて納付したい場合のみ) |
税務署 |