【注意】電話録音をネット公開するのは違法!理由を詳しく解説

コールセンターによっては、顧客との通話内容を録音しており、クレーム対策やサービス向上のために活用されています。

一方で、通話内容を録音しても問題ないのか、また通話データをネット公開するのは合法なのか、気になる方は多いのではないでしょうか。

本記事では、電話録音したデータをネット公開することの違法性について解説します。電話録音でトラブルにならないための対処法も紹介しているので、ぜひご一読ください。

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目次

電話録音データのネット公開は違法となる


電話などで通話内容を録音する行為自体は、合法とされています。

電話録音でプライバシーの侵害を気にする人もいるでしょう。しかし、電話録音では第三者に通話内容を知られることを想定していないため、違法になるケースはあまりありません。

ただし、録音データをインターネット上に公開する行為は、プライバシーの侵害や名誉毀損に該当する恐れがあります。

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
出典:e-Gov

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:e-Gov

特に名誉毀損に該当してしまうと、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金と重い罰が科されるので、注意が必要です。

ネット公開以外で電話録音が違法となるケース


電話録音が違法になるのは、ネット公開だけではありません。ここからは、電話録音が違法となるケースを紹介します。

【ケース1】盗聴を目的とした他人の住居への侵入および所有物の破壊

盗聴を目的として他人の住居へ侵入したり所有物を破壊したりする行為は、刑法第130条の住居侵入・建造物侵入罪および刑法第261条の器物損壊罪にあたります。

第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
出典:e-Gov

第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
出典:e-Gov

なお、一般的に盗聴を許可する人はいないため、立ち入りの許可を得ていたと主張しても罰則を受ける可能性があります。

【ケース2】盗聴により知り得た情報の悪用

盗聴により知り得た情報を使って、相手を脅迫すると脅迫罪や強要罪に、金品を要求した場合は恐喝罪に該当します。

第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
出典:e-Gov

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
出典:e-Gov

第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
出典:e-Gov

また、盗聴により得た情報を使って他人につきまとう行為は、ストーカー規制法違反となることも理解しておきましょう。

繰り返しになりますが、電話録音行為そのものは処罰対象になるわけではありません。しかし、電話録音をする過程での行為が原因で、罰則を科される可能性は十分にあります。

録音した通話内容については、慎重かつ良識を持って取り扱いましょう。

電話録音自体は違法ではない!2つの理由を解説

電話録音をされる利用者にとっては、あまり良い気持ちにはなれない人もおり、そもそも違法ではないかと感じている人も一定数います。

ここで、電話録音が違法ではない理由について詳しく解説します。

【理由1】秘密録音に該当するため

電話録音が違法ではない理由のひとつは、秘密録音に該当するからです。秘密録音とは、一方が相手側に同意を得ずに会話を録音している事実を知らせない行為を指します。

日本では秘密録音を罰する法律がないため、無断で録音しただけでは違法性を問うことはできません

コールセンターなどでは一般的に「通話内容を録音します」とアナウンスされますが、実は、法律上は相手方への告知をしなくても問題ないのです。

【理由2】プライバシー侵害の程度が低いため

秘密録音は相手方に告示せずに行うため、プライバシーの侵害にあたると考える人もいるでしょう。

しかし、通話は自身の意思で聞き手に情報を開示しているとみなされるため、プライバシーの権利をほとんど放棄していると判断できます。

実際に過去には、秘密録音された事実だけで違法とする判決は出ていません。

プライバシー侵害をはじめとした当てはめる刑罰がないことも、違法性がないことの理由です。

電話録音でトラブルにならないための対処法


多くの企業では、消費者からの疑問を聞いたりトラブルを解決したりするために、コールセンターなどの問い合わせ窓口を設置しています。

コールセンターが消費者との通話内容を録音するケースは、珍しくありません。

電話録音がたとえ合法であっても、コールセンターと消費者のトラブルを抱えないように注意する必要があります。

ここからは、電話録音でトラブルにならないための対処法を紹介します。

【対処法1】ホームページなどに録音した通話内容の利用目的を提示する

顧客から余計な不信感を持たれないために、自社のホームページなどに電話録音の利用目的を提示しておきましょう。

顧客に告知することなく通話内容の録音を行ったとしても、法律上は問題ありません。

とはいえ顧客が通話を録音されている事実を知り、利用目的がわからない状態では、会社に対して不信感を持つ恐れがあります。

あらかじめ利用目的を提示しておけば、たとえ通話内容を録音されていたとしても、納得してもらえます。

【対処法2】通話開始時に自動音声案内を入れる

顧客が通話を開始したときに「通話内容が録音されている」旨の自動音声案内を入れておくことも、不安を取り除くうえで効果的です。

「お客様対応の品質向上」や、「よりよい製品開発のために録音している」といったことを伝えれば、たいていの顧客は納得してくれます。

実際にコールセンターなどで使われるCTIシステムの多くは、自動音声案内を流す機能が搭載されているので、手軽に導入できます。

【対処法3】録音データは厳重に保管する

顧客との通話内容が万が一でも外部に漏れるようなことは、避けなければなりません。

故意ではなくても録音データが外部に漏れてしまった場合、名誉棄損に該当する恐れがあります。

直接的な被害がなくても顧客からの信頼を失うため、売上やブランドイメージの低下につながりかねません。

万が一の漏洩を防ぐために、電話録音のデータは厳重に保管するなどの対策を取る必要があります。

CTIシステムであれば、録音データをサーバーへ送信するときに暗号化したり、社外からアクセスできないように制限したりする機能が搭載されています。

対策に迷ったときは、CTIシステムの導入がおすすめです。

コールセンターが通話内容を録音する目的


コールセンターが通話内容を録音する目的は、以下の3つです。

  • 顧客の会話内容の聞き漏らしを防止できる
  • 顧客とのトラブルの証拠にする
  • クレーマーの防止になる

顧客からの問い合わせ窓口としてコールセンターを運営しているのであれば、有効に活用しましょう。

【目的1】顧客の会話内容の聞き漏らしを防止できる

通話内容を録音しておけば、通話中に聞き漏らした内容を電話終了後に確認できます。

顧客とやり取りをするときの聞き漏らしをオペレーターの力だけで100%なくすことは、ほぼ不可能です。

聞き漏らした内容を確認するために顧客に再度電話をかける必要がないため、余計なやり取りが発生しません。

「聞き逃してもあとで確認できる」という安心感があるので、オペレーターの精神的な負担を抑えられます。

ただし、録音していること自体がオペレーターに不安を与えるケースもあるので、注意が必要です。通話録音の目的やオペレーターにもメリットがある点を、あらかじめ伝えておきましょう。

【目的2】顧客とのトラブルの証拠にする

顧客との会話で言った・言わないなどのトラブルが発生するケースは、珍しくありません。

通話内容を録音していない状態では、トラブルがあったときに問題の原因を突き止めるのは難しくなります。

しかし、通話内容を録音していれば顧客とトラブルが起きたとしても、録音データを証拠として提示できます。

また、オペレーター側に非があった場合でもトラブルの原因を解明しやすくなるので、再発防止に努めることが可能です。

【目的3】クレーマーの防止になる

通話内容を録音している旨をあらかじめ顧客に案内しておけば、クレーマー側もクレームを言いにくくなる効果があります。

クレーマーが減少すればオペレーターも安心して業務に集中できるので、離職率の低下にもつながるでしょう。

また、悪質なクレーム電話の場合は、録音データを証拠として警察に提出できます。

まとめ:電話録音をネット公開すると違法になるので注意する


電話録音は基本的に、違法性を問われることはありません。

しかし、違法ではなくても電話録音が顧客に不安を与える恐れがあります。そのため、通話開始時に自動音声案内で電話録音している旨を伝えるのがおすすめです。

電話録音するときの注意点は、データをネット公開してしまうとプライバシーの侵害や名誉毀損に当たる恐れがあることです。

また、故意ではなくても録音データが漏洩してネット公開されてしまうリスクも、十分に考えられます。

録音データを適切に管理するうえでおすすめなのが、CTIシステムのカイクラです。カイクラではアクセスできるIPアドレスの制限やデータ通信の暗号化など、録音データを適切に管理するセキュリティ機能を搭載しています。

また、通話の自動録音・通話内容のテキスト化・着信時に顧客情報をポップアップ表示するなどの機能があるため、電話対応の品質を改善しやすくなります。

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この記事を書いた人

カイクラ編集部です。カイクラ.magは、株式会社シンカが運営するオウンドメディアです。 「音声を記録し、会話を企業価値に」をモットーに、「会話」に関する様々なテクノロジーや最新情報、企業の業務効率化や社内コミュニケーションの活性化事例など、すべての企業にとってお役に立てる情報を幅広く発信します。

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