情報通信

一本の電話をチーム全員で受け止める 世界100か国で入退場を支えるスキーデータの記録でつなぐカスタマーサービス

オーストリアに本社を置き、スキー場のゲートをはじめとする入退場システムを世界100か国以上で展開するSKIDATA(スキーデータ)。その日本法人として、国内では80か所近くのスキー場に導入実績を持ち、冬季シーズンを中心にスキー場運営者からの問い合わせに対応しています。

繁忙期には1日に最大40件ほどの問い合わせが寄せられ、その多くが緊急性の高い電話です。導入前は、こうした電話で受けた情報が「人の記憶」にしか残らず、引き継ぎ漏れや対応漏れが課題となっていました。個人の記憶やメモに頼った対応から仕組みで支える体制へと移行し、サービスの質を高めることを目的に、同社は「カイクラ」を導入しています。今回は導入の経緯や現場にもたらされた変化について、アドミニストレーティブアシスタントの近藤氏と、システムエンジニアの蘇氏にお話を伺いました。

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  1. 着信時のポップアップ機能で、読みづらい社名も間違えずに対応
  2. 通話履歴とAI文字起こしで、引き継ぎがスムーズに
  3. 外出先でも対応履歴を確認でき、優先順位の判断が容易に
  4. 録音とAI文字起こしが、チームの結束力を後押し

「人の記憶」に頼っていた電話対応を、記録が残る仕組みへ

――カイクラの導入を検討されたきっかけを教えてください

近藤氏:弊社は、オーストリアに本社を置くSKIDATA(スキーデータ)の日本法人です。スキー場のゲートをはじめとする入退場システムを提供していて、メインのお客様はスキー場の運営者様です。繁忙期は冬季シーズンに集中します。エンジニアのチームがカスタマーサポートを担っていて、「ゲートのシステムでこういうトラブルがあった」といったお問い合わせに対応しています。「すぐに解決してほしい」といった緊急度が高いケースも多く、電話でのお問い合わせが中心です。

カイクラの導入を検討するきっかけとなったのは、一昨年のシーズンでした。
当時は電話の件数が1日に40件ほどあり、1本1本の案件内容が重いことも多かったです。また、少数精鋭で運用しており、なかにはスキー場の現場へ出張に出ている者もいます。そうなると対応にも時間がかかってしまい、電話対応だけでもとても大変でした。

一番の課題は、電話を取っても、その情報が「電話を受けた人の記憶」にしか残らないことでした。「いつ・どこで・誰が」を意識してメモは取るのですが、人によって取り方も全然違いますし、常駐するエンジニアも少なかったので、引き継ぎ漏れや細かい対応漏れが発生してしまう状況でした。そうした対応漏れが、お客様から見ると「サービスの質があまり良くない」という印象につながってしまっていたと思います。

――数あるサービスのなかで、カイクラを選んだ理由を教えてください。

近藤氏:一番の目的は、対応漏れや引き継ぎ漏れを限りなくゼロに近づけて、サービスの質を上げることでした。あわせて、万が一トラブルが起きた際に、後で対応内容を確認できるよう記録として残しておきたい、という想いもありました。

そのうえで、数あるサービスのなかからカイクラを選んだ理由は、画面の分かりやすさです。ポップアップなどの表示一つをとっても、デザインがすっきりしていて分かりやすいです。私たちにとっては、使用感が良くて使いやすいという点が、ありがたかったですね。そういった点が導入の決め手になりました。

着信時の情報表示とAI文字起こしで引き継ぎをスムーズに

――実際に運用を始めてから、お客様への対応にはどのような変化がありましたか?

蘇氏:電話の着信時に、PC画面へお客様の会社名と担当者名が表示されるため、どこのスキー場の、どなたからのお電話かが一目で分かり、対応しやすくなりました。

特に助かっているのが、社名の表示です。弊社は外国籍の社員が半数以上で、スキー場の社名には、日常ではあまり使わない難しい漢字が含まれていることもあります。

以前は読み方に苦労することもありましたが、今は画面にはっきり表示されるので、名前を間違えずにお呼びできます。お客様とスムーズにお話しできるようになったのは、大きな変化ですね。

――情報の引き継ぎや、用件の把握という面ではいかがでしょうか。

蘇氏:担当者が不在のときや、別の案件に対応中のときでも、ほかのメンバーが通話履歴やAIの文字起こしから、案件の内容とこれまでのやり取りを確認できるようになりました。お客様に同じことを重ねて伺う必要がなくなり、対応時間の短縮にもつながっています。

このAI文字起こしは、外国籍の社員にとっても心強い機能です。日本語を読み書きするとき、音声で聞くだけでなく、文字で確認できたほうが内容を正確につかみやすいんです。

また、お客様によっては電話だけでご依頼を承ることもあり、確認のメールが残らないケースもあります。そうしたときも、通話履歴をさかのぼれば、こちらの対応がご要望通りだったかを確認できるので、私たちエンジニアにとって、安心して対応できる支えになっています。

リアルタイムに共有される履歴が、対応の進め方を変えた

――運用を始めてから、現場での電話対応の進め方にはどのような変化がありましたか?

蘇氏:外出先からでも着信を確認できるようになったことが、働き方を大きく変えてくれました。たとえば朝、出勤前の電車のなかで、その日のお客様からの着信状況を確認できますし、出張中でも、自分が担当しているお客様からの着信があるかどうかをチェックできます。

おかげで余裕を持って事前に準備ができますし、リアルタイムで履歴を見ながら対応の優先順位を変えられるのも大きいですね。状況に応じて、今やるべきことを判断しやすくなりました。

――情報の引き継ぎや、現場の負担という面ではいかがでしょうか。

蘇氏:カイクラを導入する前は、紙ベースでメモを取って引き継いでいたので、案件のたびに前後の確認作業が発生していました。今は履歴で経緯を追えるので、その確認の手間が案件ごとに短縮され、現場の負担も減ったと感じています。

一昨年のシーズンは、入ってきたばかりの新人も多かったのですが、分からないことがあると、どうしても「分かる人への確認待ち」が発生してしまい、その分対応に時間がかかってしまっていました。今は録音を聞くことで、どう対応すればいいかのイメージが最初からつかめます。新人が対応に慣れていくうえでの教育コストという意味でも、削減につながっていると思います。

情報が見えることで生まれた「チームで支える」という手応え

――現在は、どのような体制でカイクラを活用されていますか?

近藤氏:エンジニアのチーム全体で、録音や文字起こしを日常的に活用しています。電話で受けた内容や、誰が取ったのかが可視化されるので、その安心感はエンジニアにとって大きいですね。特に外国籍の社員にとっては、心強い支えになっています。

――情報が共有されるようになったことで、チームの連携にはどのような変化がありましたか?

近藤氏:チームとしての結束力が上がったと感じています。引き継ぎの対応漏れが減ってきたことで、社内のコミュニケーションがより活発になりました。「こういう電話があって」といった話がしやすくなり、エンジニア同士はもちろん、エンジニア以外も含めて、共通して話せるテーマの一つにカイクラがなっている気がします。

弊社はもともと、チームでサポートすることを価値観として大切にしている会社です。マネージャーもそこを重視していて、チーム力をとても気にかけています。カイクラによって情報が可視化されたことが、そうした「チームで支える」という姿勢を、さらに後押ししてくれていると感じています。

カスタマーサービスに欠かせない存在として、サポートの質を高める

――貴社にとって、カイクラはどのような役割を担っていますか?

蘇氏:電話対応によるカスタマーサービスの品質向上と、エンジニアチームの運用効率の向上、その両面に役立つツールだと感じています。導入してまだ1年目ではありますが、今では必要不可欠な存在です。録音や文字起こしがあるおかげで、安心して対応にあたれています。

こうした役割を踏まえると、カイクラが力を発揮するのは、カスタマーサービスをメインで提供している企業や、お客様に寄り添ってきちんと対応する部署を持っている企業ではないかと思います。弊社の場合は、ITのエンジニアがIT関連のサポートデスクとして電話対応をしていますので、同じようにIT企業で、電話を受けてヘルプデスク業務をされている企業にも、向いているのではないでしょうか。

――今後、カイクラをどのように活用していきたいとお考えですか?

近藤氏:先日ご案内いただいた、通話内容をAIが自動で要約してくれる自動要約機能を活用していきたいです。業務がよりスムーズになりそうで楽しみにしています。
こうした新機能も取り入れながら、これからも一件一件のお問い合わせに丁寧に向き合い、お客様に安心してサービスをご利用いただけるよう、サポートの質を追求していきたいと考えています。