京都・滋賀エリアを中心に賃貸マンション・アパートの管理を手がける株式会社エリッツ建物管理。東証スタンダード市場に上場するエリッツホールディングスの中核として、「いかに不動産オーナーの収益を最大化し、いかに現場の手間とコストを減らすか」を追求し、管理戸数29,197戸、入居率96.9%(2026年5月現在)、京都・滋賀の営業店舗数No.1を誇ります。
同社では、入居者様からのお問い合わせやトラブルのご連絡にいち早く正確に対応し、現場で働く従業員の負担を軽減するために「カイクラ」を導入しました。今回は導入の経緯や現場にもたらされた効果について、エリッツグループの経営に携わる、株式会社エリッツ 代表取締役副代表 小林氏、入居者対応部門を統括する 藤原氏にお話をうかがいました。
導入事例

オーナーと入居者の安心を、確かな対応品質で支える 京都・滋賀No.1、管理戸数29,197戸・入居率96.9%を支える顧客対応のかたち
- 受電と同時のポップアップ表示により、スムーズな電話取り次ぎを実現
- 入居者名・物件名・号室の表示で、聞き取りミスを防ぎ新人でも安心して対応
- SMS送信の活用により折り返し率が大幅に向上
- メモ運用とテクノロジーの併用で、少人数でも質の高い顧客対応を実現
顧客特定と引き継ぎの課題解決に向けてカイクラを導入

――はじめに、カイクラの導入を検討された背景には、どのような課題がありましたか?
藤原氏:当時の課題は、すでにオーナー様や入居者様からご評価いただいている「丁寧な対応」や「信頼関係」を、さらに高い次元へと引き上げることでした。
私たちエリッツグループが最も大切にしているのは、不動産オーナー様からお預かりした大切な資産の収益を最大化すること、そして入居者様が安心して暮らせる住まいを支え続けることです。
京都・滋賀エリアで管理戸数29,197戸、入居率96.9%(2026年5月時点)という規模まで信頼関係を築いてきたからこそ、これからも一件一件の対応品質を高い水準で守り続けたいと考えています。
当社は電話が非常に多い会社で、入居者対応の窓口だけでも1日あたり約300件ものお電話をいただきます。これをわずか6〜7名で対応しており、電話対応業務が大きな負担になっていました。そうした現場の状況を根本から改善し、私たちの強みである対応スピードと安心感を、より強固なものにしたいという目的がありました。
――顧客対応のさらなる強化以外にも、導入によって伸ばしたいと考えていた点はありましたか?
不安を抱えたお客様のお気持ちに寄り添うためにも、緊急対応における社内連携の『精度とスピード』を、さらに伸ばしたいと考えていました。
漏水や火災など、人命に関わるような緊急性の高いご連絡をいただくとき、お客様は強い不安の中にいらっしゃいます。そうした状況だからこそ、お電話で伺った内容をコールセンターから入居者対応チームへ共有する際、ほんのわずかな情報のズレも無くし、組織として一糸乱れぬ対応を取りたかったのです。
お客様の大切な一言や状況をそのまま丸ごと社内で共有し、必要に応じてオーナー様へも迅速かつ的確にご報告する。私たちがこれまで築き上げてきた電話対応のクオリティを、時代の変化に合わせてより強い組織の武器へと昇華させるため、クラウド型で進化を続けていたカイクラの導入を決めました。
担当者へのダイレクトな取り次ぎと正確な情報把握により、顧客対応の質が向上
――実際に運用を始めてから、お客様への対応にはどのような変化がありましたか?
藤原氏:カイクラを導入してからは担当者への取り次ぎが以前よりもスムーズになりました。カイクラ導入前は、たとえば折り返しのご連絡をいただいた際に、どの担当者が電話したのかがすぐに分からず、その場で取り次ぐことができないため、保留が長くなってしまうことが少なくありませんでした。

今は着信と同時に、どの入居者様からか、そしてお住まいの物件名や号室までがポップアップで表示されるようになり、誰がお電話したのかもすぐに分かるので、お待たせすることなくスムーズにお繋ぎできるようになりました。
また、着信と同時にお客様の契約状況を確認でき、物件名や号室が表示される点も、対応品質の面で本当に助かっています。建物名はどうしても聞き取りづらいことがあり、外国籍の入居者様やご高齢の入居者様の場合でも、画面ではっきりと認識することができるため、入社したばかりの新入社員や、電話対応にまだ慣れていないスタッフであっても、必要な情報を見ながら落ち着いて対応できるようになりました。
さらに、こうして把握した内容を対応後にメモとして残し、社内で共有することも、私たちの情報共有の土台になっています。お電話に出る前に表示される情報と、対応後に残すメモ。この両輪があってこそ、誰が対応しても必要な情報がきちんと引き継がれます。実は、この運用が根づくまでには半年から1年ほど試行錯誤を重ねたのですが、今ではすっかり仕組みとして定着し、少ない人数でも質の高い対応を保てる支えになっていると感じています。
――お客様のお名前や状況を正確に聞き取るという点では、難しさを感じる場面も多いと思います。カイクラ導入後、そのあたりはいかがですか?
藤原氏:そうですね。特に漏水や設備の不具合といった緊急性の高いご連絡では、一度に伺う情報量が多く、何よりも正確な把握が欠かせません。例えば、お名前が少し聞き取りづらかったり、外の騒音などで聞き取りづらい場合、タイミングによっては何度も聞き直してしまうことが失礼にあたることがあります。
以前はそうした聞き直しに躊躇する社員もいましたが、お電話に出る前からお客様の情報が画面に表示されているだけでも、心持ちが楽になっています。聞き取りミスそのものが激減したことで、社員にもより安心して対応してもらえるようになっています。実際、入居者対応チームには建物管理ならではの複雑なご相談も多く入りますが、今では表示された情報をもとに状況を整理し、別部署ともスムーズに連携できる体制が整ったことで、現場では非常に重宝しています。
SMS送信で「つながらない」を解消し、入居者対応のスピードと確実性を向上

――お電話がつながらなかった際の、その後のフォローについてはどのような変化がありましたか?
藤原氏:当社の営業時間内は、ちょうど入居者様が学校に行かれていたり、お仕事をされていたりする時間帯と重なっています。そのため、こちらから発信したお電話に出ていただけない方がどうしても多く、なかなかご連絡がつかないことが課題でした。
カイクラを導入してからは、お電話に加えてSMS(ショートメール)も送れるようになりました。
お電話がつながらず、留守番電話の設定もされていない入居者様には、すぐにSMSをお送りするようにしています。たとえば漏水のような緊急のご用件がある場合、「お話ししたいことがあるので折り返しください」と一言お送りするだけで、折り返しのご連絡をいただける確率が格段に上がりました。実際に、SMSをきっかけにご返信くださる入居者様がすごく増えたという実感があり、この機能は本当に便利だと感じています。会社の番号から送るSMSはメールと違って目に留まりやすいので、緊急性の高い建物管理の現場とは特に相性がよいと感じています。
――SMSは、社内でかなり活用されているのですね。
藤原氏:そうですね。入居者対応のチームだけでな
く、家賃の督促を行っている部署でも、かなりの数を
お送りしています。これまで書面でお送りしていた督
促のご連絡を、SMSに切り替えました。
送信している件数は、督促を行っている部署だけで月
に約600件ほど、それ以外に入居者対応チームで月に
約200件ほどをお送りしています。

書面に比べてスピードも反応率も大きく変わりましたので、入居者様への確実なご連絡という面でも、業務効率という面でも、なくてはならない連絡手段になっています。お客様の状況やご用件に応じて、お電話とSMSを使い分けながら、「確実に、かつ素早くお伝えする」体制が整ったことで、現場の安心感はぐっと高まりました。
テクノロジーと人の力で、グループ全体の対応品質をさらに高める

――今後、カイクラをどのように活用していきたいとお考えですか?
小林氏:私たちエリッツグループは、「質の高い情報とサービスにより、夢のある住空間とゆとりある生活の実現に貢献する」という企業理念を掲げています。
株式会社エリッツは1986年の創業以来、約40年にわたり京都を中心に地域の皆様にご愛顧いただいてまいりました。さらに2023年には、グループ持株会社である株式会社エリッツホールディングスが東京証券取引所スタンダード市場へ上場しました。その歩みの根底に一貫してあるのが、「お客様第一」という想いです。
賃貸管理という仕事は、今もマンパワーに頼る場面が多く残っています。
一方で、業界全体で人手不足が深刻化していることも事実です。だからこそ私たちは、スタッフが賃貸管理の業務に集中できる環境を、テクノロジーの力で整えていきたいと考えています。カイクラは、まさにその中核を担うツールの一つです。
今後は本社・営業所・店舗など、グループ全体で、お客様から伺った状況やお気持ちを、部署をまたいでより早く正確に共有できる体制へと磨き込んでいきたいですね。
これからも「夢のある住空間」をお届けするために、入り口となる一本一本のお電話の質を高め続けて、グループ全体の対応品質をもう一段引き上げていくことが私たちの目指すところです。
現場の安心が確かな信頼へ エリッツグループの「理想の顧客対応」のかたち
――最後に、貴社が考える「理想の顧客対応」を教えてください。
藤原氏:私たちが目指しているのは、どの社員がお電話を取っても、お客様に同じ安心を感じていただける対応です。お客様からすれば、誰が電話口に出るかは選べません。だからこそ、ベテランでも入社したばかりの社員でも、お待たせせず、正確に、落ち着いて応えられることが理想だと考えています。

以前は、聞き取りに慣れるまで数ヶ月かかり、経験の差がそのまま対応の差になっていました。
今は受話器を取る前に必要な情報が分かり、聞き取りミスもほとんどないので、若手でも自信を持って向き合えます。働く一人ひとりが安心して対応できる、その積み重ねがお客様への信頼につながっていると感じています。
小林氏:お客様にとって住まいを借りるという機会は、人生でそう何度もあるものではありません。新しい暮らしや新しい挑戦の節目にエリッツを選んでいただくからこそ、その一度一度を大切にしたいですし、ご入居後にいただく一本一本のお電話も、お客様の暮らしを支える大切な接点だと感じています。お客様のことをきちんと分かったうえで、その時々に最適なご対応を重ねること
が、住まいを通じてお客様の幸せにつながればと考えています。
賃貸という事業を通じて、お客様お一人おひとりの暮らしに寄り添い続ける。そんな顧客対応を、
これからも追求していきたいです。





