「DX導入したいけど具体的なアイデアが欲しい」
「DXを導入するとどんなことが実現できるんだろう…」
と思うことはありませんか。
「競争環境の変化」「顧客ニーズの変化」「コスト削減」などのニーズもあり、業界を問わずデジタル技術を活用したDXの導入が求められています。
DXの定義はサービスの開発からシステムの導入まで幅広く、DXを導入して業務を改善したいけど、結局どうすればいいのかわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業種ごとに「DX推進に成功している事例」をはじめ、下記の内容を解説します。
- そもそもDXとはなにか?
- どのような運用フローにDXを活用できるのか?
- DXを成功させるにはどうすればいいか?
なお、非対面での商談や顧客対応を進めるためには、電話対応のシステム化が有効です。カイクラでは「電話着信時の顧客情報の取得」「顧客対応のメモ機能」など電話対応の業務改善に効果がありますので、ぜひ資料をダウンロードしてご確認ください。
\利用社数2,600社以上!/
カイクラの詳細を見る
▲無料ダウンロード資料あり
DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義は?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「Digital Transformation」と書き、「Trans」を英語圏では「X」と書くことから「DX」と略されています。
DX化がIT化と違う点は、DX化はITを活用して企業の業務効率化や生活の質を高めることが目的で、ITはDX化のために必要な技術的な支援をすることが目的です。
近年、身近となってきたDXの例としては、次のものがあります。
- テレワークに対応した環境構築
- 書類のペーパーレス化
- Web接客の導入
- チャットボットによる対応
- CRMでの顧客管理
ITを利用することで、仕事や生活全体をより良くしていこうとするのがDXを進める目的といえます。
DXの詳細は以下の記事をご覧ください。
では、実際にDXはどのように活用されているのでしょうか。DXの種類や内容を、次章で解説します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の種類や内容は?
DXの種類や内容は、下記のとおりです。
- カスタマーエクスペリエンス(CX)でDXを活用する
- オペレーションの効率化にDXを活用する
- 製品/サービスの開発でDXを活用する
- 顧客のカスタマージャーニー/ライフサイクル設計でDXを活用する
- その他のDX活用方法
一言にDX化と言っても、業務全てを改革できるわけではありません。自社の苦手としている部分や、DXを導入することで大きなパフォーマンスを発揮できる部分を検討しましょう。
ひとつずつ解説します。
カスタマーエクスペリエンス(CX)でDXを活用する
カスタマーエクスペリエンス(Customer experience)とは「顧客体験」を表します。
商品やサービスの機能・性能・価格など「合理的な価値」だけではなく、顧客が商品を購入し、使用し、その後のフォローアップまでの過程における「感情的な価値」の訴求まで重視する一連の体験のことです。
顧客のニーズが多種多様化している現代では、CX全体を向上させるにはデータ分析による定期的な見直しで、顧客ニーズの変化に対応しなければなりません。
CXを改善することで顧客満足度やリピーターの獲得、ブランドイメージの向上につなげていきます。
▼CXでDXを活用できる例
- オンラインチャットサポートの導入
- チャットボットの導入
- データ分析
人の手では、時間もコストもかかる作業となるので、DXを導入することで顧客にとっても魅力的なCXを提供することが可能です。
オペレーションの効率化にDXを活用する
現代では、日本の生産年齢人口が減少傾向にあり、多くの企業が人材不足に悩んでいます。
人材不足を解消するためには、オペレーションを効率化して従業員一人あたりの生産性を高めることが重要です。
業務をデジタル化・自動化することで単純な作業に費やす人材コストを削減し、それによって従業員の残業時間を減少させ、人件費削減にもつながります。
たとえばオペレーションの効率化において下記の内容でDX化が可能です。
▼オペレーション効率化でDXを活用できる例
- タスクの自動化
- データ収集と分析
- コミュニケーションの効率化
- 問い合わせ対応の自動化
- リアルタイムモニタリング
人の手が必要な作業の効率化や、作業そのものをツールなどに任せてしまうことで人材コストの削減が可能となります。
製品/サービスの開発でDXを活用する
社会状況が急速に変化し、ニーズが多様化するのに伴って、製品やサービスのライフサイクルは短命になりつつあります。
そのため、従来の仮説と実証を繰り返す手法では追いつかず、DXを活用した「データ主導型」で、データを集めて解析を行う手法が主流になっていくでしょう。
たとえば、下記の分野でDX化が可能です。
▼製品/サービスの開発でDXを活用できる例
- ターゲットの選定
- 顧客ニーズの収集
- データ分析
- 複数の試作品の設計
製品の企画や設計、実行をDX化することで、情報共有や連携スピードも上がるので研究開発の効率化が可能です。
顧客のカスタマージャーニー/ライフサイクル設計でDXを活用する
「CXでの活用」とも関連して、顧客のカスタマージャーニー全体を視野に入れてDXを活用することが重要です。
顧客の行動データをもとにしたカスタマージャーニーを分析することで、電話やチャットなどの顧客接点での施策を最大限活かせる、効率の良いCX追求ができるようになります。
たとえば、下記の分野でDX化が可能です。
▼カスタマージャーニー/ライフサイクル設計でDXを活用できる例
- ニーズや改善点の収集
- チャットボットの導入
- 顧客の行動分析
- 顧客満足度の向上
顧客の商品の購入時期から分析して、新商品の案内やバージョンアップされた製品の案内を電話やメッセージアプリで送り、来店につなげることも可能になります。
その他のDX活用方法
これまでDXの活用方法として、次の代表的なものを紹介しました。
- カスタマーエクスペリエンス(CX)
- オペレーションの効率化
- 製品/サービスの開発
- 顧客のカスタマージャーニー/ライフサイクル設計
これ以外にも、DXを活用して業務改善を図る方法があります。
リアルタイムで顧客の行動データを分析して適切なサービスを提案したり、過去の顧客の行動からクレーム処理を未然に防ぐなどもDXの導入で実現可能です。
たとえばカイクラでは、電話での会話を自動的に録音・録画したり、会話をテキスト化したりすることで、条件に合う顧客に来店を促すことができます。
また、蓄積された顧客情報を一元管理することで、担当者以外の社員が対応しても顧客にストレスを感じさせずにスムーズに対応することも可能です。
カイクラを活用した顧客対応例は、以下より資料をダウンロードできますので、ぜひDXの導入の参考にしてください。
次章から、実際に活用しているDX事例を紹介します。
DX事例一覧表
これから紹介するDX事例を、カテゴリ・業種別に表にまとめました。気になるカテゴリ・業種があれば、クリックして確認してみてはいかがでしょうか?
カテゴリ・業種 | DXの内容 | |
---|---|---|
身近なDX事例 | ・ペーパレス化
・データ入力の自動化 ・カスタマーセンターへの導入 |
|
製造業 | ・【工場IoTプラットフォーム】ダイキン工業株式会社
・【プロセス参照モデル】株式会社今野製作所 |
|
物流業 | ・【倉庫のデジタル化】福岡運輸株式会社
・【倉庫の自動化・機械化】株式会社坂塲商店 |
|
飲食業 | ・【CRMの導入】焼肉やまと
・【モバイルオーダー】日本マクドナルドホールディングス株式会社 |
|
金融業 | ・【独自のプラットフォーム機能の開発】東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社
・【新規サービスの展開】株式会社三井住友フィナンシャルグループ |
|
観光業 | ・【陣屋コネクト】鶴巻温泉 元湯陣屋
・【手ぶら観光プラットフォーム】富士山エリア観光DX革新コンソーシアム |
|
建設業 | ・【遠隔臨場の導入】株式会社上東建設
・【現場の状況をリアルタイムに把握】佐多エンジニアリング株式会社 |
|
不動産業 | ・【AIカメラの導入】三井不動産株式会社
・【RENOSY(リノシー)】株式会社GA technologies |
|
アパレル業 | ・【マルチサイズプラットフォーム】株式会社ZOZO
・【ウェアラブル端末機能】グンゼ株式会社 |
|
海外でのDX事例 | ・【ビデオ配信サービス】Netflix,Inc
・【自動車配車アプリ】Uber |
真似しやすい国内での身近なDX事例3選
「DXに取り組みたいけど何から始めたらいいかわからない」と悩む方は多いでしょう。
大規模な改革は費用も莫大になりますし、自社に必要のない取り組みを行ってしまいDX化に失敗してしまう企業もいます。
いきなり自社にあったDX化なんてわからない場合は、真似しやすく失敗が少ない以下の分野でのDX化がおすすめです。
国内の身近なDX事例3例
業種を問わず、多くの企業で採用しやすい内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
【DX事例1】ペーパーレス化
1つ目の事例は「ペーパーレス化」です。ペーパーレス化とは、紙での管理・使用をやめて電子データでやり取りを行うことを指します。
ぺーパーレス化に取り組むことで、
- 書類の出力や発送がラクになる
- 書類の管理も電子データで検索・更新しやすい
- 事務作業にかかる人的コストの削減につながる
など、自社のDX推進につながります。
また、環境への配慮の取り組みにつながるため、SDGsを進めたい企業にもおすすめです。現在ではSaaSの登場によりクラウド環境ですぐに使えるサービスも増えているため、取り組みやすい事例と言えます。
【DX事例2】データ入力の自動化
2つ目の事例は「データ入力の自動化」です。すでに書類や資料のデータ化ができている場合は、データの入力の自動化がおすすめです。
データ入力の自動化方法はいろいろありますが、代表的な例に「RPA(Robotic Process Automation)」があります。RPAとは、顧客データや電話履歴など、人が行っていた入力業務をロボットに代替させて自動化することです。
ただし「ペーパーレス化」同様、RPAを導入しただけではDXが導入できたとはいえません。RPAを活用することで、単純作業の削減や長時間労働の防止を目指しましょう。
人的ミスの削減や、RPAではできない人の手による業務を増やすことで、生産性が向上しDXの成功につながります。
【DX事例3】カスタマーセンターへの導入
近年、カスタマーセンターの顧客対応手段として増えているのが、電話に加えてチャットボットやメッセージアプリの活用です。
AIを活用したチャットボットを取り入れることで、顧客は好きなタイミングで問い合わせでき、オペレーターの対応時間も大幅に削減できます。顧客は待ち時間が減り、顧客満足度の向上にもつながります。
またメッセージアプリを利用することで、不在がちな顧客に何度も電話連絡をする必要もなく、業務負担を削減して従業員の満足度向上にもなるでしょう。なお、顧客対応手段を増やす場合には、顧客がどの手段を使っても同じような体験を提供できるようにすることも重要です。
顧客に対するコミュニケーションを一元管理することができるかもあわせてDX導入の検討がおすすめです。
カイクラではCTIやSMS (ショートメッセージ) 、はがきDMなど、顧客コミュニケーションを一元管理する機能を有しています。
異なるコミュニケーション手段を用いても顧客ごとにコミュニケーション履歴情報を一元管理できるので、担当者以外でもこれまでの経緯を把握した上で、顧客対応することが可能です。
電話対応をはじめ、顧客とのコミュニケーションに課題を抱えている場合は、ぜひ資料をダウンロードください。
\利用社数2,600社以上!/
カイクラの詳細を見る
▲無料ダウンロード資料あり
次章から、業種ごとに実際にDXを推進し成功した事例を紹介します。
製造業でのDX事例
製造業でのDX事例を紹介します。次の2つです。
順に解説します。
(参考:製造業DX取組事例集/経済産業省)
【DX事例1:IoTでロスの低減】ダイキン工業株式会社
ダイキン工業株式会社は、市場環境変化のスピードが早くなったことなどから、DX推進によってコスト削減と競争力強化を図りました。
大阪・堺に新工場を設立し、工場のすべての設備をネットワークでつないで「工場IoTプラットフォーム」を整備しました。
「IoT」とは、モノをネットワークでつなぎ、サーバーやクラウドサービスに接続して情報交換を図れるようにしたシステムです。
これにより人やモノの動きをデジタル化、生産状態を見える化して、ロスを低減させることができました。
【DX事例2:業務の可視化でムダを改善】株式会社今野製作所
株式会社今野製作所では、受注生産や見込生産など多様な生産形態が混在していたため、業務の整流化を図りました。
行ったことは、自社に合う業務プロセスの分析ツールを活用したプロセスの整理で業務を可視化することです。小規模なシステムツールの開発を行って、業務プロセスを最適化しました。
その結果、部署間で人力でデータ入力を行っていることが明らかになり、改善につながりました。
物流業でのDX事例
物流業で紹介するDX事例は、次のとおりです。
順に紹介しましょう。
(参考:物流DX導入事例集/国土交通省)
【DX事例1:倉庫のデジタル化】福岡運輸株式会社
福岡運輸株式会社では、物流が集中することで倉庫への積み込みや荷下ろしに待ち時間が発生し、時間のロスや近隣への迷惑行為となることが問題視されていました。
そこで導入されたのが、携帯電話と連動した「バース予約・受付システム」です。受付状況やバース状況を可視化し、情報共有と車両の誘導を行えるようにしました。
限られたバース数の効率的な運用、倉庫内貨物の効率的な回転につながり、乗務員の待ち時間も軽減されたそうです。
【DX事例2:倉庫の自動化・機械化】株式会社 坂塲商店
株式会社 坂塲商店では、毎日1万ケースの商品をパレットから手作業でコンベヤに投入する作業を実施していました。
そこで、ロボットが自動で荷下ろし作業を実行する「MujinRobotデパレタイザー」が導入されました。
複数種類のケースが不規則に積まれていても、パレットをロボットのもとに搬送すれば、ロボットが自律的に荷下ろし作業を行います。
人力では難しい、高さのある積み荷や重い商品があっても、1時間あたり平均400〜450ケースを安定的に荷下ろしできるようになりました。
飲食業でのDX成功事例
飲食業でもDXを推進し、業務改善や顧客満足度の向上につながった企業があります。紹介するのは次の2つです。
順に紹介します。
【DX事例1:顧客情報のデータ化】焼肉やまと
焼肉やまと 船橋本店では、2020年からのコロナ禍で思うように集客ができないことが課題でした。
そこで、AIで電話予約を可能にしたり、CRM(顧客との取引や関係を管理するための方法やシステム)を使って会員データを活用したりして集客につなげられるようにしました。
CRMの導入で、顧客は会員カードを管理するストレスがなくなりました。紙で送っていたDMがアプリの通知で行えるようになって、コストや手間の削減になり、集客にもつながっています。
【DX事例2:オーダーシステムの導入】日本マクドナルドホールディングス株式会社
日本マクドナルドホールディングス株式会社では、お昼時や混雑する時間帯になると、注文を待つ顧客でカウンターに長い列ができ、顧客の待ち時間が長くなることが悩みでした。
「モバイルオーダー」はアプリから注文・決済まで済ませることができるため、顧客はカウンターに並ぶ必要がなく、テーブルからゆっくりと衛生的に注文ができるようになりました。
店舗側としても、カウンターの台数を削減し、人件費を抑えることに成功しています。
金融業でのDX事例
金融業では、ミスが許されないことや信用第一であることから、新しいシステムの導入によるリスクを警戒する傾向が強くあります。
しかし、金融業においてもDX化の遅れは利益低迷につながる恐れがあります。金融業でDX推進に成功している事例を紹介します。
順に見ていきましょう。
【DX事例1:独自のプラットフォーム機能の開発】東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社
東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社では、事業環境が激変する中、DXによって多様なニーズに応えていくために、独自のプラットフォーム機能を開発しました。
それが、「東海東京デジタルワールド」、FinTech機能を連携・発展させたDXプラットフォームです。
FinTech(フィンテック)とは、「Finance(金融)」と「Technology(技術)」をかけ合わせた造語です。最新テクノロジーを活用し、AIやブロックチェーンなどの新しい金融サービスを提供しています。
FinTech機能の連携により、顧客データから得られる新規ビジネス機会を創出したり、営業や管理事務などの社内業務の効率化ができたりしています。
【DX事例2:新規サービスの展開】株式会社三井住友フィナンシャルグループ
株式会社三井住友フィナンシャルグループは、多数のグループ会社が多様なサービスを提供することにより膨大なデータを保有しています。
それらのデータをもとに、DXを活用した新たなサービスを開発しました。
預金や資産運用、住宅ローンなどの内部データとグループ各社の外部データを連携させ、顧客それぞれに適したマーケティングが可能になるプラットフォームを構築しています。
また、電子契約やCRM、名刺管理、人事・労務など、必要なデジタルツールをワンストップで調達できるプラットフォームも展開しています。
観光業でのDX事例
観光業におけるDXは、日本ではまだあまり浸透しているとはいえません。しかしサービス品質の向上や課題の解決のために、観光DXの活用は不可欠と考えられています。
観光DXに成功している事例を紹介します。次の2つです。
順に紹介しましょう。
【DX事例1:業務内容のデータ化】鶴巻温泉 元湯 陣屋
鶴巻温泉 元湯 陣屋は、一時期深刻な経営危機に陥るほどの巨額の赤字を出していました。
そこで、IoTを導入して車や利用客の入退場の察知、宿泊客のデータをもとにした料理の改善、接客や清掃などの業務のデータ化、指示や引き継ぎにチャットを導入など、DX活用をすすめました。
その結果、数年で赤字から黒字へ転換するほどの復活を遂げています。
現在では、このクラウド型旅館管理システムを「陣屋コネクト」と呼び、同業他社に販売しています。
【DX事例2:予測データをもとにしたチケット販売】富士山エリア観光DX革新コンソーシアム
「富士山エリア観光DX革新コンソーシアム」は、パナソニック、富士急行、ナビタイムジャパンが共同で立ち上げた事業体です。
観光庁が主導する「これまでにない観光コンテンツやエリアマネジメントを創出・実現するデジタル技術の開発事業」を実現するため、富士山エリア周辺の自治体も参画して「手ぶら観光プラットフォーム」を構築しました。
AIによる来場者予測データをもとに、富士五湖周辺エリアの観光施設や交通機関で顔認証でシームレスに利用できる周遊eチケットを販売して、快適に観光を楽しんでもらうことを目的としています。
建設業でのDX事例
建設業は、コロナ禍によって以前と同じように行えなくなった作業に対応するためにもDX推進が急がれる業界の一つです。
建設業でDX化に成功している事例です。
順に紹介しましょう。
【DX事例1:遠隔臨場の導入】株式会社上東建設
株式会社上東建設では、新型コロナウィルスのまん延防止措置によって現場での臨場検査が行えなくなり、その対処法の1つとして遠隔臨場が導入されました。
遠隔臨場とは、国土交通省によって「動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラなど)によって取得した映像及び音声を利用し、遠隔地から Web 会議システムなどを介して「段階確認」、「材料確認」と「立会」を行うこと」と定義されています。
(参考:建設現場における遠隔臨場に関する実施要領/国土交通省)
遠隔臨場の導入によって、コロナ禍でも安心して臨場検査が行えるほか、発注者が画面の情報に集中するため、より整理整頓や安全面へ配慮できるようになったという利点もあります。
【DX事例2:現場の状況をリアルタイムに把握】佐多エンジニアリング株式会社
佐多エンジニアリング株式会社では、遠方の現場に出ている社員との情報の品質改善を目的にクラウドサービスを導入しました。
各現場の進捗状況を写真を添えて共有し、社内連絡や通達に加えてデータ保管にも活用できるようになって、社員同士の情報共有が活発になりました。
それにより、トラブルを未然に防止することや対応のスピードを上げること、またスマートフォンの活用による業務の効率化にもつながっています。
不動産業でのDX事例
不動産業では、DX推進を通じて業務の改善につなげている企業は、まだ一部の企業に限られています。
ではどのようにしてDXを推進させ成功しているのでしょうか。紹介する事例は次の2つです。
順に紹介します。
【DX事例1:AIカメラの導入】三井不動産株式会社
三井不動産株式会社では、画像解析技術を活用したAIカメラを、管理する不動産のセキュリティ対策や勤怠管理システムと連動して利用していました。
このAIカメラは、リアルタイム画像分析で通行人の異常行動、立ち入りの検知、迅竜分析が行えます。
このカメラを駅周辺に多数設置して、生活圏の人々の安全・安心の確保につなげ、地域全体に対応するセキュリティシステムを展開しました。
自社の顧客だけではなく、街づくりを担える企業として他社に対して優位性を確立する狙いです。
【DX事例2:ローンの審査・申し込みをオンライン化】株式会社GA technologies
株式会社GA technologies(GAテクノロジーズ)は、AIを活用したサービスの提供で、経済産業省などが実施する「DX銘柄」に2020年度から3年連続で認定されています。
住宅ローンの手続きは、これまで時間がかかりすぎることが課題でした。
GAテクノロジーズが運営するRENOSY(リノシー)は、住宅ローンの申し込みや審査をオンライン化することで、煩雑な作業を削減し、業務を効率化できるシステムです。
特に金融機関の作業時間は最大75%もの削減が可能で、審査がスピーディに行われ顧客満足度にもつながっています。
アパレル業でのDX事例
今やインターネットで衣服を購入することは珍しいことではなくなりましたが、一方でアパレル業界でのDX化は進んでいるとはいえない状況です。
では、アパレル業界においてDX推進に成功しているのはどのような事例でしょうか。2つ紹介します。
ひとつずつ解説します。
【DX事例1:オンライン試着システムの開発】株式会社ZOZO
アパレル業界でDX化を進めるために、どうしても課題となるのが「試着」でした。サイズや色が自分に合うか確認するために、現物を手に取りたい顧客は多くいます。
株式会社ZOZOが展開する衣料品のネット販売「ZOZOTOWN」では、身長体重を入力すると自分にあったおすすめ商品を紹介する「マルチサイズプラットフォーム」を開発しました。
顧客がサイズ選びで迷わないように配慮されているので、インターネットでも洋服が購入しやすいです。
また、洗濯方法などが表記されたケアラベルを自動化し、作業量を削減することにも成功しています。
【DX事例2:ウェアラブル端末機能の追加】グンゼ株式会社
グンゼ株式会社では、「ウェアラブル端末機能を備えた服」で常に身につける下着のメーカーならではのDX化を推進しています。
ウェアラブル端末といえば、腕につけるスマートウォッチやメガネのように装着できるスマートグラスが有名です。
これは電気を通す繊維とセンサーを組み込んだ薄型デバイスで、服として着用するだけで消費カロリーや心拍数がわかるので、健康管理がスムーズにできます。
海外でのDX事例
欧米諸国などの海外では、日本に比べてDX推進が進んでいる企業が多く、さまざまな企業がビジネスの変革を図っています。
では、日本でも馴染みのある海外の事例を2つ紹介します。
順に紹介します。
【DX事例1:ビデオ配信サービス】Netflix, Inc
Netflixといえば、日本でもかなりの会員登録数を誇るビデオ配信サービスで、世界的には2022年2月現在で2億2千万人にものぼります。
もともとはDVD宅配サービスを営む企業でしたが、「借りたDVDを返却しなければならない」顧客の不満を解消するため、ストリーミングサービスの提供を開始しました。
ブロードバンドが普及し、楽にビデオ配信サービスが利用できるようになったこともあり、VODという新たなビジネスモデルを確立しています。
【DX事例2:自動車配車アプリ開発】ウーバー・テクノロジーズ
日本ではUberといえば「Uber Eats」を思い浮かべる方が多いでしょうが、ウーバー・テクノロジーズはDX推進事例として「自動車配車サービス」をしばしば紹介しています。
日本では、いわゆる「白タク」として違法行為になるためタクシー配車に限られていますが、米国では一般の個人ドライバーによってサービスが提供されているのが特徴です。
アプリ1つで配車が手配されて料金も明示され、ドライバー情報や到着時間もわかります。目的地はすでに伝わっており、料金もアプリを通じて決済されます。
この利便性が受け入れられて、自動車配車サービスはウーバーの事業の根幹となっています。
DXを成功させる3つのポイント
DXを成功させるには、「とりあえずツールを導入してみた」だけでは業務改善や効率化につながらず、DX化に成功したとはいえません。
DXの成功には、次のポイントを押さえておきましょう。
- 意識を統一させる
- DXの目的を明確にする
- 継続して取り組む
ひとつずつ解説します。
ポイント1:意識を統一させる
DXに限らず、新しいことを始めるには反発する意見が出ることは必至です。DX化のメリットがよくわからない社員もいるでしょう。
DXは、ただ導入すれば成功するわけではなく、携わる社員全員が意識を統一させることで業務改善につながります。
DXを進めることで、根本的に改革する意識で統一できないと、現場が振り回されたり改革がなかなか進まなかったりということになりかねません。
取り組む際には、DXの導入を成功させる改革意識を統一させましょう。
ポイント2:DXの目的を明確にする
DXは、導入するのが目的ではありません。改革の意識が統一できたら、DXで何を目指すのかを明確にして周知しましょう。
目的が定まらないと、何をしていいのかわからずやみくもにDXを進めてしまうこともありえます。
目的達成のためのDX導入です。数値目標を設定し、何を改善するためのDXか目的を定めておきましょう。
ポイント3:継続して取り組む
目的が定まれば、達成まで継続して取り組みましょう。
導入してからは、どうしても実施方法に改善や見直しの余地を感じることがあります。DXの成功のためには、PDCAを回して業務プロセスの改善や生産性の向上を続けていくことが必要です。
一見業務が改善したように見えても、楽になったのが一部の人だけでは成功とはいえません。全員の意識や疑問点を共有し、改善することも継続して行いましょう。
DX事例集から自社に合わせたDXの導入を目指そう
これまで、DXとは何かということから、さまざまな業種での活用事例を紹介してきました。「何から手を付けたらいいのかわからない」場合は、身近なところからスモールスタートしていくのがおすすめです。
大きな企業の大規模な改革は難しくても、書類をペーパーレス化したり、電話の会話をデータ化したりするところから始めてみてはいかがでしょうか。
DXのスモールスタートに適した身近な事例は、下記の通りです。
- ペーパーレス化
- データ入力の自動化
- カスタマーセンターへの導入
非対面での商談や顧客対応を進める場合は、カイクラの導入をおすすめします。
カイクラではCTIやSMS (ショートメッセージ) 、はがきDMなど、顧客コミュニケーションを一元管理する機能を有しています。
異なるコミュニケーション手段を用いても顧客ごとにコミュニケーション履歴情報を一元管理できるので、担当者以外でもこれまでの経緯を把握した上で、顧客対応することが可能になります。
電話対応をはじめ、顧客とのコミュニケーションに課題を抱えている場合は、ぜひ資料をダウンロードください。
\利用社数2,600社以上!/
カイクラの詳細を見る
▲無料ダウンロード資料あり