「企業の業務を効率化したいけど、どこから始めていいかわからない…」
と感じている方。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を導入することで、企業のさまざまな部門で業務効率化がはかれます。
しかし、DXの導入を成功させるためには社内における課題の把握やDX管理をする人材が必要です。DX化成功のポイントを押さえておけば、業務効率化による恩恵を受けることができます。
DXというと大手企業が全社的な取り組みとして、顧客の声(VoC)を集めるためのチャット・コールセンターを総合的統合したコンタクトセンターを構築し、集めた顧客の声のデータをAIが解析して次の経営施策へ活かす・・・とか、工場〜倉庫の在庫管理をAIやロボットを駆使してロジスティクスの製造・物流・物流加工から在庫管理、配送・保管までを一気通貫で管理できるシステムを作るとか・・・莫大な費用がかかる取り組みにフォーカスが当てられがちですが、莫大な予算があればそれも可能ですが、まずは試しにやってみるだとか、限られた予算の中で効率化を図っていくという「身の丈にあったデジタルトランスフォーメーション」というのもあって然るべきです。
本記事では、その身の丈に合ったデジタルトランスフォーメーションという点も踏まえながら、具体的にどのような点を気をつければDXによる業務効率化がスムーズに進むのかは、以下の観点でご紹介したいと思います。
- デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?概要や企業内で導入できる部門を紹介
- デジタルトランスフォーメーションの導入による4つのメリット
- DXの導入によって、業務効率化を成功させるための4つのポイント
- デジタルトランスフォーメーションの導入によって業務効率化が成功した事例
まずはデジタルトランスフォーメーションについて、ざっくりと理解しましょう。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?概要や企業内で導入できる部門を紹介
最初にデジタルトランスフォーメーションについて、
- DXとは、デジタル技術を活用して生活や企業の活動を向上させること
- DXの導入によって、業務効率化をはかれる企業の部門
の順に解説します。
DXとは、デジタル技術を活用して生活や企業の活動を向上させること
デジタルトランスフォーメーションとは、IT技術によって企業活動や生活の質を向上させることです。
デジタルトランスフォーメーションに関して、経済産業省は下記のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
出典:経済産業省「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
冒頭にも述べたとおりDXは大きなコストをかけて実施する印象が強いですが、数十万円ほどで実施する身の丈にあったDX化も有効です。
続いて、DXを導入できる企業の部門について解説します。
DXの導入によって、業務効率化をはかれる企業の部門
DXの導入によって、業務効率化がはかれる部門は下記の通りです。
- 管理部門:RPAによる自動化
- 営業部門:オンライン商談や社内情報のクラウド管理
- 経理部門:RPAによる自動化やSaaSソリューションの活用
- 人事部門:AIを活用した勤怠管理
企業内の部門にはDX化できる課題が少なくありません。自社の課題を一度洗い出してみると、DX化できる課題がないか検討しましょう。
最近では新型コロナウイルスの影響によって、営業部門ではビデオ通話を活用したWeb商談の導入が進んでいます。
ビデオ通話やWeb商談について、詳しくは「テレワークでビデオ通話やWeb商談を導入すべき理由。おすすめサービスも紹介します」をご一読ください。
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デジタルトランスフォーメーションの導入による4つのメリット
続いて、デジタルトランスフォーメーションを導入するメリットとして、
- 新しい価値の創出
- 生産性の向上
- コストの削減
- 市場の変化への柔軟な対応
の順に解説します。
メリット1:新しい価値の創出
まずは新しい価値の創出です。デジタルトランスフォーメーションを導入することによって、サービスや商品、ビジネスモデルが開発されることがあります。
すでにクラウドやAI、IoTなどを活用した新しい商品やサービス、ビジネスモデルが生まれています。
新しい技術を搭載した商品やサービスは顧客にとって大きな価値を持っており、顧客満足度の向上につながります。
メリット2:生産性の向上
2つ目は、生産性の向上です。
デジタルトランスフォーメーションの導入によって、タスクを自動化したり、オフィス外で業務を進めたりすることによって、業務効率化が期待できます。
業務効率化によって生まれた時間を活用して、別のタスクを進めることが可能です。
メリット3:コストの削減
3つ目はコストの削減につながる点です。DXの中にはタスクの自動化を進めるツールなどもあり、今まで人が手作業で時間をかけていた作業を自動化してくれます。
これによって、コストやお金がかかっていた業務を削減可能です。
例えば社員が手書きで営業費用を記入しており、これがRPAによる自動入力になったとします。
これによって、紙の購入にかかっていた費用と記入にかかっていた時間が浮き、業務効率化につながります。
社内の業務の中でコストがかかっている業務を調べて、DX化を進めましょう。
メリット4:市場の変化への柔軟な対応
デジタルトランスフォーメーションの導入によって、市場に変化が起きたさいも柔軟に対応できます。
例えば、新型コロナウイルスの影響を受けて、各業界では大きく市場の変化が起きています。営業を担当していた社員は訪問営業に行けなくなり、従来の営業スタイルが難しくなりました。
そこで、Web商談を導入してオンライン上で営業を実施する企業が増えました。DX化の導入を進めていくことで、急な市場の変化にも対応することが可能です。
DXの導入によって、業務効率化を成功させるための4つのポイント
続いて、DXの導入によって業務効率化を成功させるためのポイントとして
- 社内の課題を明確にする
- 社内でDXに関する情報共有を進める
- 小さな課題の解決から取り組む
- DXの管理に適切な人材を配置する
の順に解説します。
ポイント1:社内の課題を明確にする
まずは、社内における課題を明確にすることです。DX化のためにツールを導入する企業は増えていますが、ツールの導入が目的ではありません。
ツールを導入して解決した課題があるため、ツールを導入していることを忘れてしまい、満足している企業が多いです。
例えばクラウドデータ管理のツールを導入したが、うまく活用できていないケースが多く見られます。
データ管理を効率化して、その後にどのようなビジネスモデルにしていきたいか、などのゴール設定を明確にすることが重要です。
ポイント2:社内でDXに関する情報共有を進める
2つ目は社内でDXに関する情報共有を進めることです。
DXの推進を決断するのは経営陣の役目ですが、実際にツールを活用するのは現場の社員の職務になります。従来のシステムからDX化するにあたって、現場社員からの不安や疑問がでてくる可能性が高いです。
また、DX化が現場にそこまで必要ではないケースもあります。
経営陣と現場社員の考え方にズレが生じている場合があるので、DXの導入前にしっかりと擦り合わせすることが重要です。
ポイント3:小さな課題の解決から取り組む
デジタルトランスフォーメーションの導入は小さな課題から取り組みましょう。
規模が大きいデジタル化から始めようと考えて、大きな予算を用意する必要があると考える人が多いです。
しかし、予算が限られている中小企業が大規模なDX化をはかることは簡単ではありません。
DX化が可能な業務から優先順位をつけて少しずつ導入していくことがおすすめです。
ポイント4:DXの管理に適切な人材を配置する
DXの導入にあたって、IT人材が必要です。DXツールの活用は難しく、ITの技術や知識を持っている人でなければDX推進は難しいです。
DX化に対して明確なビジョンや予算を用意してもうまく活用できなければ、業務効率化につなげることができません。
そのため、DXの活用にITに詳しい人材や社外の専門家をアサインすることをおすすめします。
デジタルトランスフォーメーションの導入によって業務効率化が成功した事例
最後に、デジタルトランスフォーメーションの導入によって業務効率化に成功した事例として、
- トヨタ自動車
- 旭鉄工株式会社
- 神戸クルーザー
の4社を紹介します。
事例:トヨタ自動車
まずは、トヨタ自動車の成功事例です。トヨタ自動車はクラウド型CRM(顧客管理システム)の「Salesforce」と連携して顧客情報を一元管理しています。
もともとはオンプレ型のシステムを活用していましたが、従来のシステムでは販売店における要望に答えることができませんでした。
例えば、タブレットを使った接客やSNSを活用したお客さまとのコミュニケーションなど、前向きな要望が出てきました。
そこで、トヨタ自動車はそれぞれの販売店で効果的な接客方法を実現するためにも、営業スタイルを販売店に任せて顧客データを連携する方法をとります。
結果的に、業務効率化とともに接客の質の向上につながりました。
事例:旭鉄工株式会社
2つ目の事例は、旭鉄工株式会社です。旭鉄工株式会社では取引先から増産を依頼されたさいに、データを活かした稼働率の向上を検討しました。
そのためには正確なデータを取得する必要があり、IoTを活用した自動モニタリングへの変更を決断します。しかし、市販のシステムでは価格が高く、自社の設備に対応するもんがありません。
そこで、教育用コンピュータである「ラズペリーパイ」と部品を購入して、自作のシステムを組んでIoT化に取り掛かります。
結果的に生産数が上昇して、少額投資によるDX化に成功しました。
事例:神戸クルーザー
神戸クルーザーは電話対応に課題を感じていましたが、電話の通話録音ツールを導入し、顧客対応の状況共有かをデジタル化することで課題解決につながりました。
今まで個人向けと法人向けで電話回線を分けて対応しており、誰から電話がかかってきたのかもわからない状況。
過去に電話対応したのかもわからないため、情報を確認しなおす必要がありました。
そこで、カイクラを導入することによって通話録音を使用することによって、時間ロスやお客さまの手間を省くことに成功します。
結果的に、顧客満足度のアップや業務効率化につながりました。
神戸クルーザーの成功事例について、詳しくは「「カイクラ」の導入でスムーズな電話対応が可能に 失敗できないサプライズ演出も「通話録音」で事前確認 電話内容の統計データも活用し、上質なお客様対応へ」をご一読ください。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を導入して企業の業務効率化をはかり、ビジネスチャンスにつなげる
今回はデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化について解説しました。
おさらいすると、デジタルトランスフォーメーションとは、IT技術によって企業活動や生活の質を向上させることです。
デジタルトランスフォーメーションを導入するメリットは
- 新しい価値の創出
- 生産性の向上
- コストの削減
- 市場の変化への柔軟な対応
です。
続いて、DXの導入による業務効率化を成功させるポイントとして、
- 社内の課題を明確にする
- 社内でDXに関する情報共有を進める
- 小さな課題の解決から取り組む
- DXの管理に適切な人材を配置する
について解説しました。
最後に、デジタルトランスフォーメーションの導入によって業務効率化に成功した事例を紹介しました。
- トヨタ自動車
- 旭鉄工株式会社
- 神戸クルーザー
今回紹介したポイントや事例を参考にしながら、可能な規模のDXから取り組んでいきましょう。
また、新型コロナウイルスの影響によってオンライン商談を導入する企業が増えています。コロナ禍の影響を考えると、営業に関するDX化が急務です。
コロナ禍の営業に役立つサービスについて、詳しくは、「新型コロナで地方出張ができない企業が導入したい、おすすめオンライン商談サービス4選」をご一読ください。
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