電話対応から書類の手続き、内見など、時間がかかる業務が多い不動産業界。近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入によって、業務効率化や顧客満足度の向上を図る企業が増えてきています。
しかし、DXツールは年々進化しており、種類も規模もさまざまです。導入するには、具体的にどのようなサービスがあるのかを知ることが重要です。
そこで本記事では、「DXを検討したいけど何から手をつけていいかわからない」方へ向けて、不動産業界におけるDXの成功事例を7つ厳選して紹介します。
電話対応業務の負担軽減から、オンライン内見による成約率アップまで、DXによって得られる効果を具体的に解説しますのでぜひご一読ください。
なお、シンカでは、不動産会社でカイクラを活用した新戦略をまとめた資料を提供しています。無料でダウンロードできますので、詳しく知りたい方は以下よりご覧ください。
\契約率アップの秘訣を紹介!/
不動産会社の新戦略の詳細を見る
▲2年で500→800戸へ!
不動産業界のDX成功事例7選
不動産DXを検討するにあたり、まずは「DXがどのような課題を解決するのか」「DXによりどのような効果が得られるのか」を知ることが重要です。
ここでは、DX導入による不動産業界の成功事例を7つ紹介します。
- 電話対応業務の負担を約40%軽減
- 業務効率化により社員の生産性が向上
- 不動産契約書の電子化で事務業務削減
- オンライン内見が成約率向上に貢献
- 賃貸業務に特化した管理業務の一元化
- 賃料査定システム
- 不動産における軽作業をDXで効率化
では、順にみていきましょう。
【事例1】電話対応業務の負担を約40%軽減
株式会社ハウジング重兵衛様は、明治32年(1899年)に創業している老舗で、千葉・茨城に根ざした「住まいの総合アドバイザー」として幅広く事業を実施している会社です。
同社は、チラシを軸とした集客施策に注力していることもあり、問い合わせや依頼はほぼすべて電話で対応しているため、年間約7,000件にも及ぶコールセンター業務の効率化が長年の課題でした。
そこで、電話業務効率化ツールである「カイクラ」を導入したところ、コールセンター業務が大幅に軽減しました。
▼ DXで解決した課題と得られた効果
- カイクラ上での顧客情報の表示やメモ活用により、業務負担を約40%軽減した
- 顧客リレーションシップの強化で、自社の存在感向上に成功した
- 顧客のリピート率2.5%を達成した
また、導入時想定していなかった良い効果として「リピーターから電話があると顧客情報が出るため、話がスムーズに進んだ」「一度問い合わせをしたものの契約に至らなかった顧客が可視化され、顧客コミュニケーションの強化へとつながりやすくなった」というお話もありました。
詳しくは以下の記事をご一読ください。
【事例2】業務効率化により社員の生産性が向上
東京を本店に構え、売買・仲介から賃貸管理、コンサルティングまで幅広いサービスを提供する株式会社モカ様。社員とアルバイトをあわせても10名に満たない小規模な会社ながら、約800戸もの物件を管理しています。
少数精鋭で活動する同社は、社員が1都3県を駆け回るため不在になることも多く、担当者不在時の電話対応で用件メモの紛失トラブルや、顧客情報照合フローに課題を抱えていました。
そこで、通話録音クラウドの「カイクラ」を導入し、業務効率化を図りました。
▼ DXで解決した課題と得られた効果
- 顧客管理を一元化できたため、より迅速な電話対応が可能となった
- 業務効率化によって社員の生産性が向上し、残業の削減も達成した
- 管理戸数は2年で500→800戸と160%成長した
また、水漏れなどの緊急を要する電話でも顧客情報を素早く確認できるようになったため、スムーズな対応が可能になり顧客の信頼が向上したそうです。
参考:株式会社モカ様
上記2つの事例のように、「電話対応の業務効率化がしたい」「電話による顧客満足度を高めたい」という方は、カイクラの導入がおすすめです。「顧客対応に役立つ機能」を多数搭載しているため、効果をすぐに実感できます。
カイクラがよくわかる資料は、以下からダウンロードのうえご確認ください。
\利用社数2,600社以上!/
カイクラの詳細を見る
▲無料ダウンロード資料あり
【事例3】不動産契約書の電子化で事務業務削減
不動産経営と賃貸管理を手がける株式会社日本財託管理サービス様は、2022年1月の電子帳簿保存法改正をきっかけに、新規契約の電子化に着目しました。
同社は業務効率化を図るべく、個人契約者を対象に、不動産業界に特化した電子契約システム「いえらぶサイン」を導入しています。
▼ DXで解決した課題と得られた効果
- 発送・返送の手間がなくなり事務作業が軽減された
- 契約書の記入漏れがなくなった
- メールではなくSMSで送信することにより、返送率が改善された
導入にあたり、顧客へ電子契約を案内したところ、全体の約7割を電子契約へと切り替えられたそうです。
また、電子契約書ではシステム上記入漏れがあると次のステップへ進めないため、必然的に記入漏れを防げたという思わぬメリットもありました。
【事例4】オンライン内見が成約率向上に貢献
中央日本土地建物株式会社様は、「バウス藤沢」の販売促進を目的に顧客がより検討しやすい環境づくりを目指し、オンライン内見ツール「ROOV」を積極的に採用しています。
ROOVは、特殊な機材やアプリを必要とせずにVRで空間イメージを共有できるツールです。これにより「その場に行かないと空間を把握できない」内見の大きな課題を解決し、成約率向上に貢献しました。
▼ DXで解決した課題と得られた効果
- VRでリアリティある説明ができるようになった
- 対面+オンラインで顧客への接客やフォローの品質が上がった
- 顧客の検討状況にあわせフォローを変え、成約歩留まり30%を達成
成約率が高い販売員ほど「ROOV」を活用していたそうです。VRで部屋のメリット・デメリットをより納得感のある説明をできるようになったことが、顧客の信頼獲得へとつながったといえます。
【事例5】賃貸業務に特化した管理業務の一元化
賃貸管理会社である丸西建物管理株式会社様は、業務効率化を目的に、アットホーム株式会社の「賃貸管理システム」を導入しました。
この賃貸管理システムには、契約管理プランや家賃管理プランがあり、契約者の個人情報や契約内容の管理から家賃の入金状況まで把握することが可能です。
同社はこれまで紙の台帳で管理していたため、入居者ごとに異なる更新や契約情報の管理が複雑になるという課題を抱えていました。
しかし、賃貸管理システムの導入により、入居者情報をデータで一元管理できるようになり、業務の効率化に成功しています。
▼ DXで解決した課題と得られた効果
- 時間のかかっていた業務の精度と効率アップ
- 紙書類の管理・保管から開放された
- 空いた時間で新たな管理物件の取得などに注力できるようになった
具体的には、「手入力していた金額のデータを一瞬で取り込めるようになり、大幅に業務時間が短縮できた」、「アラート機能でうっかり契約更新書類や督促案内を送り忘れるようなミスがなくなった」というメリットがあったそうです。
【事例6】賃料査定システム
プロパティエージェント株式会社様は、中古収益不動産マッチング事業において、スマサテ株式会社が提供するAI賃料査定システムを導入しています。
スマサテ社のAI賃料査定システムは、20億件を超えるビッグデータとAI技術をもとに、賃貸査定を行うシステムです。
従来、賃料査定は査定経験値をもとにした人の手で行われていましたが、このAI賃料査定システムを導入することで、事例探し・賃料査定・資料作成などの作業を大幅に効率化でき、人件費を削減できました。
▼ DXで解決した課題と得られた効果
- 想定の3倍以上の査定件数を処理できるようになった
- レスポンスが早くなったことで取引先からの印象が良くなった
- 競合他社に先を越されることが少なくなり、買取率がアップした
また、システムを導入した査定内容は、担当者によって結果がぶれにくいというメリットもあります。
【事例7】不動産における軽作業をDXで効率化
COSOJIは、不動産管理における現場の軽作業と地域住民の隙間時間をつなぐアウトソーシングサービスです。
共有エリアの清掃や草むしり、廃棄物処理などの物件管理における軽作業は、これまでオーナー自身や管理会社が対応するか、清掃会社へ依頼するしかありませんでした。
そこで、軽作業をお願いしたいオーナーと働きたい地域住民とをオンライン上でマッチアップすることで、突発的な作業などにもスピーディーな対応が図れる仕組みです。
COSOJIを利用した会社では、以下のメリットが報告されています。
▼ DXで解決した課題と得られた効果
- 遠方の物件でもストレス少なく管理ができるようになった
- 30~50%程度の外注コストを削減した
- 物件状況がタイムリーにわかり、細かいメンテナンスが可能になった
マッチングのみではなく現地作業員とのタイムリーなやりとりや報告書が得られるため、ストレスなく管理ができるようになったという声があります。
また、各作業内容や細かい作業ごとの金額が明確化されるため、外注コストの見直しにもつながっています。
参考:COSOJI株式会社
不動産業でDXできることまとめ
ここで、不動産業界でDX化できることをまとめます。
不動産DXを一言でいうと、不動産業界のアナログな業務にIT技術を取り入れ、ビジネスモデルや企業文化を変革していくことです。
不動産に特化したDXツールには、以下の種類があります。
目的 | デジタル化に役立つツールの種類 |
---|---|
顧客情報や不動産情報の管理 |
|
不動産契約を電子化 |
|
Web接客 |
|
日常的に電話対応が多い不動産業界において、顧客管理や通話録音システムは業務効率化に大きく役立ちます。
メッセージや録音・メモ機能などを活用すれば、伝え漏れなどの人的ミスやトラブルの防止も可能です。
また、コロナ禍以降、非接触・非対面による内見ニーズが高まっている影響から、入居前の疑似内見やオンラインでの接客も進んでいます。
こうしたデジタル化によって業務負担が減り、社員が働きやすい環境を作れます。
不動産DXをより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご一読ください。
不動産DXを成功させる3つのポイント
本記事で紹介した7つの事例をふまえて、不動産DXを成功させるためのポイントを3つ紹介します。
- 自社の課題を明確にする
- 自社に適したDXツールを厳選する
- DX化に向けて社内の意識を改革する
ではそれぞれ詳しく解説します。
【ポイント1】自社の課題を明確にする
不動産DXを成功させるためには、まず自社の課題を明確にすることが重要です。
「トレンドだから」「他社が導入しているから」と理由が曖昧のままDX化を進めても、思ったより上手くいかなかったという結果になりかねません。
また、一口に業務負担を軽減したいといっても、課題が「電話対応に時間が取られすぎている」のか「事務業務や書類作成に時間がかかっている」のかによって適切なツールは異なります。
課題が明確になれば、自ずと自社に必要なツールが見えてきます。失敗しないためにも、「DXで何を解決したいのか」「何のためにDXを行うのか」を明確化しましょう。
【ポイント2】自社に適したDXツールを厳選する
ポイント1で洗い出した課題をもとに自社にとって必要なツールを厳選します。
デジタルツールは導入して終わりではなく、使い続けられるかをポイントとして選ぶことが大切です。
「導入したものの上手く使いこなせない」状況を避けるために、DXツールを選ぶ際は、以下のポイントに気をつけましょう。
▼選ぶポイント
- 既存システムをどうすべきか(データ連携もしくは移行)
- さまざまな社員(もしくは顧客)が使いやすいか
- サポート体制は充実しているか
- トライアル期間はあるか など
たとえば、「煩雑な電話対応に時間がかかりすぎている」場合は、電話業務効率化ツールの導入を検討するのがおすすめです。
カイクラでは、顧客情報がポップアップするため担当者や顧客の状況が誰でも瞬時に判断できます。また、Web APIを公開しているため自社システムとも連携可能です。
顧客情報を一元管理してスムーズな対応を実現するカイクラの詳細は以下の資料をご覧ください。
\業務効率化と顧客満足度アップを実現!/
カイクラがよくわかる資料はこちら
▲たった4つの回答で無料ダウンロード可能
また、社内での混乱やリスクをおさえるためにも、最初は対象を絞ってスモールスタートすることもひとつの手です。
【ポイント3】DX化に向けて社内の意識を改革する
DX化を決めたら、現場で混乱を招かないためにも、DX推進を進められる人材の確保・育成を優先的に行いましょう。
社内体制の整備には、以下のポイントに気をつけます。
- DXに理解を持つ人材を多く配置する
- 社内全体にDXで「何を解決できるのか」を具体的に伝える
- ノウハウを共有するようにする
このように、ただツールを導入するのではなく、社内全体での意識改革も欠かせません。
実際に毎日使う担当者を中心に、社内コミュニケーションを大切にしながら、着実にDXを進めていきましょう。
まとめ:ポイントをおさえて効果的に不動産DX化を進めよう
不動産業界におけるDXの成功事例を7つ紹介しました。不動産DXは、電話対応業務の負担軽減からオンライン内見による成約率アップまで、多岐にわたります。
不動産業界でDXを検討している方は、まずは自社の課題整理と解決のためのDXツール選びを行いましょう。またツールを長く効果的に活用するためには、社内の体制整備と意識改革に取り組むことが重要です。
シンカでは、不動産会社でカイクラを活用した新戦略をまとめた資料を無料配布しています。顧客購買心理にも触れながら契約率アップの秘訣を解説していますので、詳しく知りたい方は以下よりご覧ください。
\契約率アップの秘訣を紹介!/
不動産会社の新戦略の詳細を見る
▲2年で500→800戸へ!