自動車ディーラーが生き残るには?売れる店舗がやっている顧客対応と仕組み

「車が売れない……」「自動車ディーラーが生き残る術とは?」

このようにお悩みの方は少なくありません。

昨今、自動車業界全体では新車の販売台数が伸び悩んでいますが、売上を伸ばし続けている自動車ディーラーは存在します。成果を出している店舗とそうでない店舗では、何が違うのでしょうか?

鍵になるのは、顧客の比較検討の仕方や、店舗に求める対応の変化に応えられているかどうかです。顧客は、価格だけではなく、店舗のアフターサポートや営業担当者の対応を慎重に比較しています。

本記事では、売上につながる実践的な顧客対応に触れ、営業力を店舗全体の仕組みに変える方法を解説します。

カイクラの「売上アップの新戦略」では、自動車業界を取り巻く課題や、顧客購買心理、CS向上を売上につなげる考え方をまとめています。車が売れにくい状況を打開する全体像を把握したい方は、ぜひ無料でご活用ください。

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目次

車が売れない?自動車ディーラーがおかれた状況

自動車ディーラーを取り巻く環境は、以前より厳しくなっています。日刊自動車新聞によると、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の国内新車販売台数は453万3,782台で、前年度比0.9%減となりました。
参考:日刊自動車新聞

車が売れにくい背景には、主に以下の4つがあります。

▼車が売れない背景

1.車を所有する以外の選択肢が増えている

2.メーカーの供給制約により、需要に供給が追いついていない

3.購入後の維持費が負担になっている

4.買い替えサイクルが長期化している

カーシェアやサブスクリプションの普及で「所有しない」選択肢が広がり、維持費を理由に購入を控える層も増えています。さらに供給制約や車両性能の向上が重なり、1台を長く乗る傾向も強まっています。

実際、前保有車の平均保有期間は7.2年で、「10年超」の割合は2017年の19%から2025年は28%へ上昇しました。
参考:日本自動車工業会「2025年度乗用車市場動向調査(資料内P.26「前保有車の保有期間」)」

しかし、悲観する必要はありません。市場全体が厳しいなかでも、売上を伸ばし続けている自動車ディーラーは存在するからです。市場環境そのものは変えられなくても、顧客への対応は自店舗の工夫で向上できます。

生き残る店舗に共通するのは「売れる営業の顧客対応」とそれを「店舗全体で再現する仕組み」の2つです。次章から順に解説します。

【現場で実践】売れる営業がやっている顧客対応

販売実績を積み上げている営業担当者には、顧客対応における共通点があります。ここでは、売れる営業が現場で実践している顧客対応を2つの観点から解説します。

  1. 顧客ニーズを聞き出し、最適な選択肢を提案する
  2. 専門知識をもとに、顧客の購入判断を後押しする

ぜひ参考にしてください。

1.顧客ニーズを聞き出し、最適な選択肢を提案する

車が売れにくい時代に必要なのは、車種や価格を一方的に説明する営業ではありません。顧客ニーズを把握し、その条件にあわせて提案することです。

ミニバンを検討している層の例を紹介します。

▼ミニバンを検討している顧客への提案例

  • 子育て世帯:安全性能、スライドドア、荷室の広さ
  • 高齢の親を乗せる家庭:乗り降りのしやすさ、運転支援機能
  • 月々の支払いを抑えたい顧客:残価設定ローン
  • 納期を急ぐ顧客:在庫車、別グレード、展示車、未使用車

顧客に響く提案をするには、個人のライフスタイルや要望を整理し、選択肢を提示することが大切です。また、顧客にとって最善の選択は購入とは限りません。成約のハードルが高い場合は、店舗で提供している他の選択肢を提示するのも有効です。

たとえば、新車の納期が遅れる場合、レンタカーやカーシェアリング、認定中古車などを含めて案内することで、顧客にとって納得できる選択がしやすくなります。

重要なのは、顧客に「この担当者なら安心して相談できる」と感じてもらうことです。その安心感が、将来の成約や再来店につながります。

これらをふまえ、商談では以下のように顧客の本音を把握する質問が欠かせません。

▼顧客ニーズを把握するための質問例

  • 普段は何人で乗ることが多いですか?
  • 今の車で不便に感じている点はありますか?
  • 月々の支払いはどのくらいに抑えたいですか?
  • 納車時期とグレードなら、どちらを優先したいですか?

質問を重ねることで、顧客自身も気づかなかった優先順位が明確になります。その結果、「自分にあった提案をしてくれた」という納得感が生まれ、他店ではなく自店舗を選んでもらいやすくなります。

2.専門知識をもとに、顧客の購入判断を後押しする

選ばれる営業担当者になるには、車両情報に限らず、維持費・税制優遇・EV(電気自動車)の充電環境など、購入後の不安や質問に答えられる知識が必要です。

顧客は購入前に多くの情報を比較しているため、営業担当者が車両説明だけではなく、顧客の迷いや質問に的確に応じることで、信頼を獲得しやすくなります。

EVに興味がある顧客を例に、伝えるべきことを紹介します。

▼EVに関心がある顧客に伝えること

  • 購入を検討する顧客が知りたい基本情報:車両価格、充電環境、走行コスト、維持費、補助金や税制優遇、将来的な使い勝手
  • メリット・注意点:車両価格は高額だが、走行コストや維持費削減が期待できる
  • 顧客のライフスタイルを踏まえたアドバイス:自宅充電の可否、自宅近隣の充電スポットの有無、普段の走行距離
  • 顧客ニーズを踏まえたアドバイス:ニーズ・予算・ライフスタイルから総合的に判断し、EVがあうかどうかを提案

このように、注意点も含めて説明すると、顧客は購入後の生活を具体的にイメージできます。その結果、営業担当者は信頼され、長期的な関係を築きやすくなるでしょう。

ただし、これまで解説した顧客から信頼を得る方法は、いずれも営業担当者のスキルに依存しているため、店舗全体で安定的に成果を出し続けられるとは限りません。そこで、成果を出している営業担当者の対応を、店舗全体で再現できる状態にすることが重要です。

次章では、そのために管理職がすべきことを解説します。

【店舗で再現】個人の営業力を「店舗の仕組み」に変える

売上を伸ばし続けている自動車ディーラーは、優秀な営業担当者の顧客対応を個人任せにせず、店舗全体で再現できる仕組みに変えています。

それを実現するために管理職がすべきことを解説します。

  1. 来店前後の対応を見直し、見込み客を逃さない
  2. 既存顧客との接点を維持し、買い替え提案につなげる

具体的にみていきましょう。

1.来店前後の対応を見直し、見込み客を逃さない

自動車ディーラーでは、来店時の接客だけではなく、来店前後の対応も成約を大きく左右します。たとえば「電話の折り返しが遅い」「用件が引き継がれていない」「前回の問い合わせ内容が残っていない」などの状況が続くと、不信感につながります。

このような事態を避けるには、来店前の問い合わせから来店後のフォローまで、誰が対応しても履歴が引き継がれる状態にすることです。

たとえば、試乗後には以下のようなフォローが有効です。

▼試乗後のフォロー例

  • 試乗時に気にしていた点を確認する
  • 比較している車種との違いを補足する
  • 家族に相談する場合の判断材料を送る
  • 納期や在庫状況に変化があれば連絡する

大切なのは「ご検討ください」と伝えるのではなく、試乗時の会話からヒントを得て、次の判断材料を提示することです。ただし、こうした対応を営業担当者1人に任せると、不在時や繁忙期に対応漏れが起こりやすくなります。

そこで、顧客情報や対応履歴を確実に管理できる仕組みが役立ちます。自動車ディーラーでは、顧客と電話でやりとりをすることが多いため、顧客情報と通話履歴を紐づけて管理するツールを導入するのも有効です。

たとえば、カイクラでは着信時に顧客情報を確認できるほか、対応履歴やメモを店舗内で共有できるため、折り返し漏れや引き継ぎ漏れの防止に役立ちます。

2.既存顧客との接点を維持し、買い替え提案につなげる

自動車ディーラーが生き残るうえで、既存顧客との関係強化はとても重要です。新規顧客の獲得が難しくなるなか、過去に購入した顧客との接点を維持できれば、買い替え、車検、点検、保険、家族紹介などの機会につなげやすくなります。

たとえば、買い替えの提案をする場合、以下のような接点があります。

  • 車検の半年前
  • 点検時の走行距離確認
  • 保険更新のタイミング
  • 子どもの進学や独立
  • 高齢家族の送迎が増えたタイミング
  • 年数を重ね、故障・修理相談が増えたタイミング
  • ローン完済前後

これらの接点をチャンスに変えるには、車検や点検の案内を単なる事務連絡で終わらせるのではなく、顧客の利用状況や、前回の会話内容にあわせて提案することです。

たとえば、車検案内を買い替えにつなげる場合、過去の購入履歴や点検履歴、走行距離、前回の会話内容を踏まえて提案します。

▼車検案内を買い替え提案につなげる案内文例

  • 「前回、次は安全性能の高い車も検討したいとお話しされていました」
  • 「走行距離が伸びていますので、車検を通す場合と買い替える場合の費用を比較してみませんか」
  • 「ご家族で使う機会が増えたとのことでしたので、今の車より荷室が広い車種もご案内できます」

顧客の動向を把握したうえで提案をするには、日頃の顧客管理を徹底しておくと確実です。とくに車検は2~3年ごとに実施するため、時間が空いてしまいます。

顧客管理を徹底していない場合や担当者が異動・退職してしまうことに備え、店舗全体でやりとり記録を含めた顧客情報を残しておくのがおすすめです。

カイクラを活用すれば、担当者個人の記憶に頼らず、過去のやり取りを踏まえた対応がしやすくなります。既存顧客との接点を維持し、必要なタイミングで適切な提案ができれば、買い替えや再来店の機会を増やしやすくなります。

顧客対応の品質を高める機能を詳しく知りたい方は、以下よりご確認ください。

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続いて、実際にツール利用で顧客対応を改善した事例を紹介します。

顧客対応を改善した自動車ディーラーの事例

カイクラを例に、ツール利用で顧客対応を改善した自動車ディーラーの事例を紹介します。

  1. 顧客一人ひとりにあわせた対応を正確に
  2. 既存顧客への点検誘致を効率化し、来店促進へ

ぜひ参考にしてください。

事例1.顧客一人ひとりにあわせた対応を正確に

株式会社ホンダクリオ共立様は、神奈川県の川崎・横浜東エリアでHonda Cars川崎を展開する自動車ディーラーです。

同社では、以前より顧客一人ひとりにあわせたコミュニケーションを重視し、販売に限らず、確かな技術力で車両の点検・整備・修理まで一貫して対応してきました。車検1つとっても車1台ごとにメニューを作成し、きめ細かな対応を行っています。

一方で、顧客データベースは2万件以上あり、電話での問い合わせでは情報確認に時間を取られ、スピーディな対応を行ううえで課題となっていました。

カイクラ導入後は、着信時に顧客情報が画面に表示されるため、顧客の特定にかかる時間を短縮できました。営業時間外や通話中の入電も記録され、後からフォローしやすくなっています。

参考:株式会社ホンダクリオ共立様

事例2.既存顧客への点検誘致を効率化し、来店促進へ

トヨタカローラ高崎株式会社様は、自動車の販売やメンテナンスサービスなどを行う正規カーディーラーです。

同社では電話でのやり取りが多く、平日は150件、土日は300件を超えることもあります。1件の電話に時間をかけてしまうと、他の顧客からの問い合わせを逃しかねません。電話対応が大きな負担になっていました。

カイクラ導入後は、入電と共に既存顧客の情報が表示されるため、顧客情報の確認が効率化できています。折り返しの電話でも、相手の名前や担当者、履歴を見ながら会話できるため、保留や聞き直しの時間削減にもつながっています。

さらに、SMS一斉送信機能を活用し、キャンペーン周知や点検誘致もスムーズに行えるようになりました。既存顧客への案内を効率化し、来店を促す取り組みに活用しています。

参考:トヨタカローラ高崎株式会社様

まとめ:自動車ディーラーの生き残りは、顧客ニーズを逃さない対応にある

自動車ディーラーが業界で生き残るには、課題と真剣に向き合い、1つずつ対処していくしかありません。

同じメーカーや近隣店舗との比較がされやすい自動車ディーラーだからこそ、商品だけではなく、サービスや顧客対応を通して選ばれることが重要です。

多様な顧客ニーズに応えていくことで、新規顧客を既存顧客に育て、継続的な信頼関係を築くことができます。そのためには、顧客情報や対応履歴を共有し、誰が対応しても一定の品質を保てる状態をつくることが大切です。

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この記事を書いた人

カイクラ編集部です。カイクラ.magは、株式会社シンカが運営するオウンドメディアです。 「音声を記録し、会話を企業価値に」をモットーに、「会話」に関する様々なテクノロジーや最新情報、企業の業務効率化や社内コミュニケーションの活性化事例など、すべての企業にとってお役に立てる情報を幅広く発信します。

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