若者層の車離れが進むなか、自動車ディーラーには生き残りをかけた対策が求められています。最近は車を購入せず必要なときにレンタルして利用する人が増えており、販売数も年々減ってきているからです。
そのため自動車ディーラーは、車の販売のみにとどまらず、新しいアイデアを打ち出していかなければなりません。そこで今回は、自動車ディーラーの状況と生き残り施策をみていきます。対策と企業事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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車が売れにくい…自動車ディーラーの氷河期
まずは、自動車業界の動向をみてみましょう。国内の自動車販売台数は、全体的に減少傾向にあります。一般社団法人日本自動車工業会によると、2022年の新車販売台数は前年より5.6%減少し、420万台でした。
さらに、三井住友銀行「国内自動車ディーラーを取り巻く業界動向」によると「2030年には現在の販売数のマイナス2割減になり、ますます車が売れにくくなる」と見込まれています。
メーカーは、販売台数が減少している状況への対策を講じています。たとえばトヨタ自動車は、専売車種制(特定の販売店でしか車を販売しない制度)を廃止しました。
今まで「トヨタ」「トヨペット」などのディーラーに対し特定の車種のみ販売できるシステムを採用していましたが、2020年5月からはディーラーの垣根を超えてすべての車種が販売できるようになりました。
「ディーラーを問わず希望の車種を購入できるようになることで、ユーザーの利便性が向上し、販売台数の増加にもつながる」と考えられています。
車が売れない状況には、どのような要因が関係しているのでしょうか。車が売れない理由として、従来のメインターゲットである若者層が「車を購入しなくなってきたこと」があげられますが、ディーラーが直面している課題はそれだけではありません。
ここからは、自動車ディーラーが抱えている課題をみていきます。
自動車ディーラーが直面している課題4つ
自動車業界を取り巻く環境が変化する中で、自動車ディーラーは時代の変化にあわせて柔軟に進化していくことが求められています。そこでここからは、自動車ディーラーが直面している課題を4つ紹介します。
- 少子高齢化と若者の車離れ
- 国内の新車台数の減少
- カーシェアリング・レンタカーの普及
- 新車の買い替えサイクルが長期化
それでは詳しくみてみましょう。
【課題1】少子高齢化と若者の車離れ
1つ目の課題は、少子高齢化と若者の車離れです。働き手不足と購入者減少の2つの問題があります。
国土交通省自動車局「自動車整備分野における外国人材の受入れ」によると、少子化により自動車整備士を目指す若者は減少し、自動車整備員の平均年齢は年々上昇しています。
自動車整備員を目指す若者の減少と、現役で対応する方の高齢化をふまえ、政府は人材不足対策として特定技能外国人の受入れ体制を整えました。
しかしその一方で、若者層の車離れも顕著です。
株式会社KINTO「Z世代のクルマに対する意識調査」によると、都内のZ世代の若者の約6割が車離れの自覚があるそうです。
東京のような大都市では、公共交通機関が発達しています。また運転者にとっては、中心地での道路渋滞や駐車スペースの問題も無視できません。このような事情からも、コストのかかる乗用車を買わない若者が増えています。
【課題2】国内の新車生産台数の減少
2つ目の課題は、国内の新車生産台数が減りつつあることです。一般社団法人日本自動車工業会によると、四輪車の生産台数は、年々下降傾向にあります。
とくに定員10人以下となる「乗用車」は、新型コロナウイルスの影響があった2019年から、半導体不足などの影響で急激に生産台数が減少しました。コロナ禍が終わり、人々の移動が制限されなくなりましたが、その後も新車台数は2024年5月時点で回復する様子はありません。
生産台数の減少は、顧客に希望の車種やオプションを提供できず、販売機会の損失につながるため、自動車ディーラーにとって死活問題といえるでしょう。また販売機会を逃しているということは、当たり前ですが販売車数にも影響を与えます。
「100年に一度の大変革の時代」といわれる自動車業界では、生産台数の減少以外にも「ディーラーの役割の変化」など未来予測についてよく語られます。
「自動車販売の未来について、自動車業界全体の視点で押さえたい」と思った方は、詳しく解説した以下の記事もあわせてご参照ください。
【課題3】カーシェアリング・レンタカーの普及
3つ目の課題は、販売台数が伸びない代わりにレンタカーやカーシェアリングなどのサービスが普及していることです。
車を所有せず、必要なときに借りることは、車の新しい乗り方として画期的であり、コストを減らしたいニーズに即しています。しかし、販売する側にあたる自動車ディーラーにとっては、やはり新車が売りにくくなることを意味します。
この状況に対処するには、車の販売を主とした営業方式から「この人から車を買いたい」と思わせるような顧客対応に重点を置く方式への転換が必要です。
【課題4】新車の買い替えサイクルが長期化
4つ目の課題は、新車の買い替えサイクルが長期化していることです。昨今、自動車の性能・耐久性が向上し、買い替えまでの期間が延びています。
一般社団法人日本自動車工業会が毎年公表している「乗用車市場動向調査」によると、自動車オーナーの車両平均保留期間は、年々長期化しています。
1989年(平成元年)には買い替えまでの期間が5.1年でしたが、10年後の1999年(平成11年)は5.9年、そして2023年(令和5年)には7.2年となりました。また2023年のデータでは、10年を超えて買い換えをしない人は2割強いるということです。
この調査結果からもわかるように、1台の車に長く乗る人が年々増えています。
ここまで自動車ディーラーが直面している課題をみてきましたが、ますます車が売れにくい時代がきたことが伺えます。そのため、自動車ディーラーが生き残るためには、厳しい状況をチャンスに変えていくことが大切です。
そこで次に、自動車ディーラーがすべき対策をみてみましょう。
自動車ディーラーが生き残るためにすべき対策3つ
車が売りにくくなりつつある自動車業界で、販売店として自動車ディーラーが取り組むべきことは大きく3つあります。
- DX化による業務改革
- 多様な販売方法への適応
- 既存顧客の囲い込み
とくに3つ目の「既存顧客の囲い込み」は、自動車ディーラーならではの長所を活かせる対策です。ぜひ参考にしてください。
【対策1】DX化による業務改革
まずは、DX化して業務の効率化を行いましょう。DX化とは、アナログになりがちな日常業務をシステムでデジタル化し、サービス、ビジネスモデルを革新することです。DX化することで、業務の自動化や情報の一元化と共有などが実現し、業務フローを改善できます。
とくに自動車業界の顧客対応は電話がメインとなり、営業を担当する顧客が増えるほど顧客管理が煩雑になりやすい傾向があります。業務過多で従業員の負担が増えると、「対応に丁寧さを欠く」など顧客対応の品質にも関わるため、顧客管理や受発注、行工程を一元管理ができるシステムや仕組みを取り入れるなどの対策が必要です。
アナログな体質が濃い自動車業界では、業界全体でDX化が進んでおり、各方面で革新が起きています。気になる方は、以下の記事よりトレンドを把握してください。
【対策2】多様な販売方法への適応
次にすべき対策として、多様な販売方法に適応することが挙げられます。以前は営業担当者が顧客一人ひとりに販売していましたが、現在はオンラインでも車が買えるようになりました。
インターネットで車の写真やスペックなどを掲載し、売買を斡旋するサイトもあります。また、高価になりがちな自動車の契約方法は、サブスクリプション型や、残価設定型クレジット、リース販売なども選ぶことができます。
そのような状況で自動車ディーラーが検討すべきことは、車を売るだけではないプラスアルファのサービスを展開することです。
たとえば、顧客の要望にあわせて車の購入方法を選べるようにしたり、車検や各種車両ケア、試乗などをすすめたりして、車を所有する楽しさを伝える方法があります。
車検時期や契約の進捗などの顧客情報を店内で共有して、どの従業員でも対応できるような仕組み作りも「私のことをわかってくれているこのお店から車を買いたい」という顧客の動機作りにつながります。
【対策3】既存顧客の囲い込み
最後に、最も大切な対策として、既存顧客の囲い込みがあります。
たとえば、車の購入者に対して車用品を割引提供したり、点検時期を逃さないように連絡をしたりして、手厚いアフターサービスを提供する方法です。また店舗で試乗会を開いたり、抽選会でお菓子や日用品などを配ったりして集客を強化することも、囲い込みに有効です。
車は他の販売チャネルとの差別化が難しい商品ですが、自動車ディーラーだからできるサービス対応が、既存顧客を囲い込むポイントになるでしょう。
加えて顧客とのコミュニケーションも、集客を強化する重要な手段です。とくに電話が多い自動車業界では、迅速かつ丁寧な対応が顧客をひきつけます。その一方で、電話は対応件数が増えると社員が手一杯となり、丁寧な対応がしにくくなるのも事実です。
しかし、電話対応件数が増えても、迅速かつ丁寧な電話対応を実現できる方法はあります。続いて、顧客とのコミュニケーションに役立つシステムをみていきます。
自動車ディーラーの生き残りを支援するDXツール「カイクラ」
性能面での差別化が難しい自動車を売るために自動車ディーラーがすべきことは、顧客ニーズを把握し、それに応じたサービスを提供し続けることです。品質の高いサービスを継続的に提供することで、顧客から「このお店で次回も購入したい」と思ってもらうことができます。
「どうやって多様化した顧客ニーズを把握すればいいのかわからない」という方に役立つのが、顧客とのコミュニケーションを一元化できるコミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」です。
カイクラを導入すると電話内容がすべて録音され、電話番号に顧客情報や録音データが紐づけられます。また顧客との対応履歴を残したメモも顧客情報で一元管理でき、受電時にはポップアップ画面で顧客情報とともに表示されるので、電話のたびに氏名や用件の確認に時間を取られることがありません。
また通話の内容から顧客の傾向を把握し、顧客ニーズに沿った提案もできるので、売上アップを目指すことも可能です。ちなみに今後の自動車業界でディーラーがとるべき戦略については、以下よりダウンロードいただけます。売上アップや選ばれるディーラーになるためのヒントを盛り込んでいますので、ぜひご活用ください。
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実際に、システムの活用によって顧客に寄り添うカスタマーサービスを実現した企業があります。続いて参考となる2つの企業事例を紹介します。
【事例1】トヨタカローラ香川株式会社様
トヨタカローラ香川株式会社様は、電話対応の効率化と顧客対応の品質を向上し、お客様視点のカスタマーサービスを実現した良例です。
以前、同社では繁忙期に鳴りやまない電話対応に追われ、従業員の電話の取り次ぎが課題でした。顧客情報と電話対応の履歴が連携しておらず、その都度電話に出た社員が顧客のお名前や用件確認をしなければならなかったからです。
カイクラを導入後は、まず、電話の確認業務を大幅に短縮できました。入電と共に顧客情報がパソコンに表示されるため、相手が名乗る前に「○○様、いつもお世話になっております」と挨拶をすることも可能です。
また長い付き合いのある顧客の場合、問い合わせの履歴からニーズを把握しやすくなったと言います。その結果、顧客の希望に沿ったおもてなしを提供できるようになりました。
トヨタカローラ香川株式会社様の事例を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【事例2】株式会社マツダオートザム北神様
続いて、「お客様に選ばれるお店作りがしたい」という想いをお持ちの株式会社マツダオートザム北神様の事例を紹介します。
お客様に満足いただけるサービスについて日々試行錯誤をしていた株式会社マツダオートザム北神様。カイクラの導入後は、予想以上の効果を実感されています。
たとえば、電話のメモ機能を活用し、伝言がミスや漏れなく確実にできるようになりました。また、新規顧客のエピソードもあります。
試乗予約をしたもののキャンセルして来店に至らなかった顧客から、数か月後に再度電話があった際、「以前もご連絡いただいていましたね」と伝えて用件を伺ったところ「一度の電話でも覚えていてもらえた」と喜ばれたそうです。
そして好感を持ってもらうことに成功し、車の購入に至りました。これは電話対応履歴を顧客情報として、一元的に管理するシステムの賜物といえるでしょう。
まとめ:顧客の心をつかむことが自動車ディーラーが生き残る鍵!
自動車ディーラーが業界内で生き残るには、今回紹介した各課題と真剣に向き合い、ひとつずつ対処していくしかありません。そして最も大切なのは、商品で差別化ができない自動車ディーラーだからこそ、サービスを通して顧客の心をつかみ続けることです。
多様な顧客ニーズに応えていくことで、新規顧客を既存顧客に育て、固い信頼関係を築くことができます。その手段として用いられるのが顧客コミュニケーションであり、電話対応です。
また、今後の自動車業界で発展していくには戦略づくりも重要です。そのヒントとなる情報を資料にまとめてあります。気になる方は、ぜひ以下より無料でお求めください。
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