電話でのクレーム対応。責任者はお客さまとオペレーター(部下)の双方向の対応が求められます。
しかし
「責任者として果たすべき役割はなにか」
「どんな内容の場合に責任者が対応すべきか」
は悩まれることも多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では下記を紹介します。
- 電話でクレーム対応を行う難しさ
- 部下のクレームのために責任者がすべきこと
- 責任者が対応すべき電話の内容
- クレームを受けたスタッフへの対応のポイント
電話のクレーム対応に向けて責任者が知っておきたい情報をまとめています。
この記事では責任者向けの情報を紹介しますが、クレーム対応の基本的なノウハウをこちらにまとめました。
対応の流れや内容ごとの対処法を紹介していますので、クレーム対応に悩まれている方はお気軽にダウンロードください!
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電話でクレーム対応する難しさと、責任者の役割とは?
電話でクレーム対応をする際の難しさと責任者が果たすべき役割から紹介します。
まず前提として電話を受けるオペレーターはクレーム対応を怖がっていることを理解する必要があります。
そのうえで、責任者が果たすべき役割は下記の3つです。
- 【責任者の役割1】電話対応教育をしっかりと行う
- 【責任者の役割2】部下が対応に困ったら、全面的にサポートする
- 【責任者の役割3】適切なフィードバックで成長を促す
前提からひとつずつ見ていきましょう。
【前提】部下(オペレーター)は、電話でのクレーム対応を怖がっている
責任者はオペレーターである部下にとって、電話でのクレーム対応が精神的負荷の高い業務であることを理解する必要があります。
そもそもクレーム対応は対面でも難易度の高い業務です。
電話は相手の顔が見えず、声色だけで判断する必要があるため、対面よりもさらに難易度の高い業務といえます。
そんなクレーム対応は、オペレーターの離職の原因のひとつにもなります。
株式会社ビズヒッツがコールセンターから異業種に転職した経験がある人を対象に行った調査で、離職理由の第1位は「ストレスが多い」ことが挙げられています。
このストレスの原因のひとつが、クレーム対応。お客さまからの心無い言葉への対応や繰り返し謝罪を行うことは、オペレーターにとってストレスを感じる業務です。
この調査結果では、責任者からのサポート・フォローがないことも理由として挙げられています。
そのため、責任者はオペレーターが精神的負荷の高い対応をしていることを理解したうえで、クレームに対して適切な役割を果たしていく必要があるといえるでしょう。
【責任者の役割1】電話対応教育をしっかりと行う
責任者はオペレーターへの電話対応教育を行う必要があります。
オペレーターがいきなりクレーム対応を行おうとしてもうまくはいきません。冷静な対応ができず、さらなるクレームにつながってしまう可能性もあります。
責任者はオペレーターに対してクレーム対応の基礎を伝え、実際の対応方法まで教育しましょう。
▼責任者が行うべきクレーム対応教育の例
- クレーム対応のマニュアルを作成する
- クレーム対応の流れや言葉遣いを共有する
- 実際の電話対応を想定したトレーニングを行う
教育を行うことで、オペレーターはクレーム対応への心構えができるようになります。実際の対応が発生する前に教育しておきましょう。
こちらの記事では、クレーム対応の基本的な流れや対処法の例を紹介しています。「オペレーターに教育すべき内容が知りたい」という方はぜひご一読ください。
【責任者の役割2】部下が対応に困ったら、全面的にサポートする
実際のクレーム対応で部下が困っている際のサポートを行うことも責任者の役割です。
事前に教育を行いマニュアル通りの対応ができるようになっていたとしても、クレームに冷静に対応できるオペレーターばかりではありません。
部下がクレームを受電している場合には、様子をうかがいながらサポートを行いましょう。
たとえば、下記のケースでは掛け直しや電話に代わることを指示しましょう。
- マニュアル通りの対応を行っても顧客がヒートアップしている
- オペレーターが顧客から暴言を吐かれている
また、オペレーター自身が冷静に対応できていない場合にも、「少々お待ちください」などのクッション言葉を用いて、通話を止める必要があります。
オペレーターが冷静な対応ができていない場合、判断が鈍くなり顧客への心証が悪くなる可能性があります。
部下がクレーム対応を行っている場合、責任者は様子を確認しつつ適切な判断とフォローを行いましょう。
【責任者の役割3】適切なフィードバックで成長を促す
クレーム対応を行った部下へのフィードバックも、責任者の役割です。
クレーム対応を行った部下に対して、まずは労いの言葉を伝えつつ、振り返りをしましょう。
冷静になってから振り返りを行うことで、改善点を見つけるきっかけとなります。
その上で責任者は部下に対して適切なアドバイスを行いましょう。できたことに対して評価しつつ、足りない部分を強化できるように具体的に伝えるのがおすすめです。
決して、クレーム対応で疲弊した部下にいきなり「この対応はよくなかった」とフィードバックするのはおすすめできません。フィードバックをストレスに感じてしまい、教育につながらないばかりか、離職の原因にもなってしまいます。
クレーム対応の振り返り後に、具体的なフィードバックを行うようにしましょう。
クレーム対応を振り返る際におすすめなのが、通話録音機能です。
顧客のコミュニケーションを一元管理する「カイクラ」には、通話の自動録音機能があります。全通話を自動で録音するため、わざわざ事前に録音ボタンを押さなくても電話対応を振り返ることができます。
さらに電話対応は自動で文字起こしもできるため、テキストで確認することもできます。
このように実際の通話内容を聞いたり見たりしながら振り返ることで、クレーム対応の改善が可能です。
実際の対応を振り返りながらクレーム対応を改善したいとお考えの方は、ぜひお気軽に資料をダウンロードください。
部下の電話のクレーム対応で責任者がすべきこと5つ
部下の電話のクレーム対応に備えて、責任者がオペレーターに教育しておくべき内容を5つ紹介します。
- 1. 電話対応で欠かせないビジネスマナーを徹底する
- 2. クレーム対応の基本方針を伝え、理解してもらう
- 3. 責任者対応が必要な電話の内容と業務フローを設定し、共有する
- 4. 本番のクレーム対応を仮定して、トレーニングする
- 5. 適切な謝罪のしかたを知り、習得してもらう
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1. 電話対応で欠かせないビジネスマナーを徹底する
電話でのクレーム対応において、顧客の気分を害さないビジネスマナーを身につけておくことが重要です。
顧客の気分を害するような電話対応をしてしまうと、オペレーター個人へのクレームに発展してしまう可能性があります。
オペレーターにはあらかじめ電話対応の基本を習得してもらいましょう。
▼電話対応のビジネスマナーの一例
- 会社名と自分の名前を伝える
- 相手の名前や要件を復唱し、メモを取る
- 聞き取りづらい場合にはクッション言葉を使いつつ丁寧に聞き返す
- 自分だけで対処できない場合には持ち帰りを打診する
一例を紹介しましたが、こちらの記事では電話対応の基本ルールを例文付きで解説しています。ビジネスマナーで教育すべきポイントが知りたい方はあわせてご一読ください。
2. クレーム対応の基本方針を伝え、理解してもらう
電話対応のビジネスマナーに加えて、クレーム対応時の基本方針をお伝えすることも重要です。
自社のクレーム対応時の基本方針をマニュアル化し、部下が実際にアクションをとれるように伝えていきましょう。
マニュアルには具体的な対応方法をまとめておくのがおすすめです。
▼折り返しにする場合のマニュアル記載例
顧客の状況 | 対応 | 対応時の注意点 |
---|---|---|
・顧客の気分が高ぶっている ・顧客の要望が多い ・自分の発言で気分を害してしまった |
折り返し | ・顧客の話をさえぎらずに聞く ・折り返しにする理由を伝える ・いつごろまでに折り返しできるかを伝え、了承を得る |
このようにクレーム対応のマニュアルを作成し、部下が理解できるように促しましょう。
クレーム対応の基本方針をオペレーターに伝えることで、自分自身で対応できるようになります。
たとえばクレーム対応を折り返しにする際の注意点はこちらにまとめています。マニュアル作成時に折り返しについて考えたいという方はあわせてご覧ください。
3. 責任者対応が必要な電話の内容と業務フローを設定し、共有する
責任者が対応する電話の内容や対応する場合のフローを決めておくことも重要です。
クレームの内容や緊急度によってはオペレーターでの対応ではなく、責任者が対応したほうが良い場合もあります。
▼責任者が対応すべき状況の例
- オペレーターの裁量権では決められない要求を受けている
- 「責任者を出せ」と言われている
- 対応に時間がかかっている
どんな内容が来たら、いつ、誰に、どのように報告するのかのフローを決めることが責任者の役割です。
責任者につなぐべき内容を精査する際には
- 重要度
- 緊急度
で分類するといいでしょう。実際の問い合わせ内容をもとに作成することもおすすめです。
また責任者対応が必要な内容やフローが精査できたら、チーム全体に共有することも重要です。
チーム全員がいつでも確認できるドキュメントにしたり、ミーティングをしたりと、工夫しながら理解してもらいましょう。
さらに責任者に引き継ぐべき内容やフローは、実際の問い合わせ内容をもとに定期的に更新を行い、そのたびに共有することを欠かさないことが重要です。
4. 本番のクレーム対応を仮定して、トレーニングする
クレーム対応への準備が終わったら、オペレーターに本番を想定したトレーニングを行いましょう。
クレーム対応はいつ必要になるかわかりません。そのため、オペレーターがいざというときに焦らないための準備が必要です。
マニュアルに沿った受け答えができるように、本番のクレーム対応を想定したトレーニングが重要です。
▼トレーニング方法の例
- 外部のクレーム対応研修を活用する
- 社内研修として実際のクレーム事例をもとにシミュレーションを行う
責任者はトレーニングを通じて、オペレーターが突然のクレームにも冷静に対応できるような準備を整えておきましょう。
5. 適切な謝罪のしかたを知り、習得してもらう
責任者はオペレーターに適切な謝罪を習得してもらう必要があります。「クレーム対応=謝罪」と考えがちですが、なんでも謝罪すればいいというわけではありません。
謝罪を行うにもポイントがあります。
▼適切な謝罪を行うためのポイント
- 誠心誠意、謝罪の気持ちを伝える
- 相手の言い分をしっかり聞く
- 解決策を提示する
- 自分だけで解決できない場合には折り返しとする
何に対しての謝罪なのかを明確にすることで、相手に謝罪の意が伝わりやすくなります。その上で顧客の話に耳を傾け、解決策を提示していく必要があります。
オペレーターが適切な謝罪が行えるように、教育をしていくことが重要です。
クレーム対応時の適切な謝罪についてはこちらの記事で詳しく解説しています。謝罪時の例文やNG行動についてもまとめていますので、適切な謝罪について知りたい方はあわせてご覧ください!
責任者がクレーム対応をすべき!よくある電話パターン3つ
クレームに対して責任者が対応すべきパターンを3つ紹介します。
- 【パターン1】顧客からの要求に、裁量権のない内容がある
- 【パターン2】対応に不備があり「責任者に代われ」と言われた
- 【パターン3】クレーム対応に時間がかかり、困っている
それぞれのケースについてみていきましょう。
【パターン1】顧客からの要求に、裁量権のない内容がある
顧客からの要求内容がオペレーターに裁量権がない場合には、責任者で対応したほうが良いでしょう。
オペレーターはマニュアルに沿った対応はできますが、専門的な問い合わせに回答できるとは限りません。
たとえば以下のケースでは、責任者の判断のもと、専門部署の担当者に引き継いだほうがいい可能性もあります。
▼専門部署に引き継ぐ対応の一例
- 商品の専門的な知識が求められるようなクレーム
- 価格交渉が入るイレギュラーなクレーム
オペレーターで判断できる内容以上のことが求められている場合には、責任者が対応するようにしましょう。
対応と一口に言っても電話対応を行うだけではありません。
- どの部署に対応を引き継ぐべきか
- その際にどんな情報を渡すべきか
を考え連携していくのも責任者の役割です。
クレーム対応には責任者の判断のもと適切な対応を行うようにしましょう。
【パターン2】対応に不備があり「責任者に代われ」と言われた
顧客から「責任者を出せ」と言われてすぐ対応するのは得策ではありません。
しかし、オペレーターの対応に不備があり、「責任者を出せ」といわれている場合には対応するのがおすすめです。
「責任者を出せ」と言われる背景にはオペレーターに経験や知識が足りず、訴えが伝わっていないと判断されている可能性が考えられます。
そのため経験と知識をしっかり持った責任者が対応することで、顧客の訴えを理解することができ、クレームが早く収まる可能性があります。
このケースではオペレーターの知識・経験不足、対応品質に問題があることが多いです。
そのため対応由来のクレームが多数発生している場合には、オペレーターの教育に力を入れる必要があります。
【パターン3】クレーム対応に時間がかかり、困っている
オペレーターの通話時間や様子によっては、責任者が電話に代わったほうがいいケースもあります。
クレームに対応中のオペレーターは顧客対応に集中しているため、周りに助けを求める余裕はありません。
そのため責任者はオペレーターの通話状況を見て、適宜対応を代わっていく必要があります。
▼責任者が察して代わるべきクレーム対応の例
- オペレーターの通話時間が長い
- オペレーターが冷静さを失いつつある
- 謝罪の言葉を何度も繰り返している
- 何度も同じ説明を繰り返している
- オペレーターが視線で助けを求めている
責任者が察することが難しい場合には、困ったら挙手をしてもらうようなルールを定めておいてもいいでしょう。
特に通話時間については、明確な時間が決まっているとフォローが行いやすくなります。たとえば、10分話してもダメな場合には責任者に代わるというルールです。
過去のクレーム対応時間から判断していきましょう。
クレーム対応時、オペレーターは助けを求められない状況になることを理解したうえで、責任者は適宜判断を行う必要があります。
電話のクレーム対応をサポートする際に、責任者が配慮すること2つ
電話のクレーム対応をサポートする際に責任者が配慮すべきポイントを2つ紹介します。
- 1. モチベーションをアップさせるフィードバックを心がける
- 2. クレーマーの程度によっては、受電させない
オペレーターのサポートを行うためにはどちらも重要です。
特に2つ目のクレーマーの程度によっては最初から受電させないことは、オペレーターの精神的負荷の軽減につながるため離職率低下・従業員満足度向上の観点からもおすすめです。
ひとつずつ見ていきましょう。
1. モチベーションをアップさせるフィードバックを心がける
オペレーターへのサポートのためには、モチベーションをアップさせるフィードバックを心がけましょう。
クレーム対応は精神的に疲弊します。何度もクレーム対応を受けたり、難易度の高い対応を続けているうちに心が折れてしまうオペレーターは少なくありません。
そのため責任者はオペレーターのモチベーションを維持することが重要な役割です。
定期的な電話研修やフィードバックを行い、オペレーターとしてのスキルアップを促すようなアドバイスを行いましょう。
特にフィードバックするときには改善点を伝えるだけではなく、普段の感謝や対応の良い点も具体的に伝えることで、モチベーションの向上にもつながります。
オペレーターのモチベーションを意識したフィードバックを心がけましょう。
2. クレーマーの程度によっては、受電させない
過去のクレーム対応が難しかった顧客からの電話を、新人オペレーターがとらないような仕組みを作ることもおすすめです。
過去のクレーム客の電話を新人オペレーターが受電した結果、対応が難しく、最終的に責任者に引き継ぐことになる可能性もあります。
また新人オペレーターにとってはクレーム対応がストレスとなり、離職につながるリスクもあります。
過去のクレーム客の電話を経験の浅いオペレーターがとらないような仕組みを整えておくといいでしょう。
そのためには、着信時に顧客情報や過去のやり取りが確認できるシステムの導入がおすすめです。
顧客コミュニケーションを一元管理するシステム「カイクラ」では、着信時に顧客情報がポップアップで表示される機能があります。
カイクラで登録した顧客情報にはタグをつけることができます。「クレーム対応中」「過去にクレームあり」のタグをつけることで、経験の浅いオペレーターでも受電すべきかどうかを判断するヒントにすることができます。
そのほか、カイクラでは通話をすべて自動で録音しており、クレーム対応時によくある「言った、言わない」のトラブルを回避するためにも有効です。
顧客情報の管理や通話録音ができる「カイクラ」については、こちらで詳しく紹介しています。クレーム対応にお悩みの方は、ぜひお気軽にダウンロードください。
まとめ:システムも活用して、電話のクレーム対応スキルを高めよう!
この記事では、電話でのクレーム対応で責任者が果たすべき役割や内容を紹介してきました。
責任者は部下となるオペレーターがクレーム対応を怖がっている、という前提を理解したうえで対応を進めていく必要があります。
理解したうえで責任者が対応すべき役割は下記です。
- クレーム対応が発生する前にオペレーターを教育する
- クレーム対応中のオペレーターの様子を伺い、適宜判断・フォローする
- クレーム対応後のオペレーターへのフィードバックを行う
責任者はクレーム発生前から、対応中、対応後にわたって、顧客とオペレーターに対しての役割を果たす必要があります。
クレーム対応においては通話録音機能や顧客情報がわかるシステムを活用するのがおすすめです。
顧客コミュニケーションを一元管理する「カイクラ」では、通話の自動録音機能がついているため、クレーム対応後に内容を確認することができます。
通話録音機能はクレーム対応時の「言った、言わない」の問題へ対処するときにも有効です。
また着信時に顧客情報を確認できるため、
- 過去にどんなやり取りがあったのか
- クレーム対応の履歴があるのか
などの情報を確認しながら対応ができます。
あらかじめ顧客に「クレーム対応中」などの履歴をつけておけば、経験の乏しいオペレーターの受電を防ぐこともできます。
カイクラを使うことでクレーム対応の改善が可能になります。
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