音声認識技術とAIの発展により、声でデバイスを操作する事が出来るようになりました。中でもスマートスピーカーは今後の発展に大きな期待が持てるガジェットです。
本稿ではスマートスピーカーの種類や機能について紹介します。
スマートスピーカーとは?
スマートスピーカー(Smart Speaker)とは音声対話可能なAIアシスタント機能を持つスピーカーで、AIスピーカーと呼ばれる事もあります。
AIアシスタントについてはAppleのSiriやMicrosoftのCortanaなどスマホやパソコンにインストールされているので、実際に音声で命令をしたことがある人も多いかと思います。スマートスピーカーは、AIアシスタントがスピーカー筐体に入っていて(厳密にはクラウドですが)、様々な拡張性を獲得したガジェットなのです。
単に音声で命令を出すだけでなく、ある程度の自由会話や質問に対応している点が単なる音声認識付きガジェットと大きく異なる点です。
2020年1月時点のスマートスピーカーは主に下記の4系統に分けられます。
- Amazon
- Apple
- LINE
これらはAIアシスタントを開発・リリースしている企業です。スマートスピーカー自体はソニーやシャープ、anker、BOSEなどAIを開発した企業と違うメーカー(サードパーティ)がリリースしたものがありますが、頭脳は4種類しかありません。
つまりソニー製スマートスピーカーでAIはGoogleアシスタント、anker製でAIはアレクサといった具合に組み合わせが異なるのです。
スマートスピーカー:プロモーションビデオ:LF-S50G【ソニー公式】
スマートスピーカーで何よりも重要なのはメイン機能を左右するAIです。
機能と選び方
スマートスピーカーはインターネット(Wi‐Fi)に接続し、アカウント認証をすませることで様々な機能を発揮します。主な機能としては下記の通りです。
- ネットショッピング
- 音楽・ラジオ再生
- 天気予報
- ニュース
- 検索
- AIアシスタントとの対話
- 音声通話(特定の相手)
- 翻訳
- テキスト朗読(電子書籍朗読)
- スケジュール管理
- タイマー
- 各種スマート家電の操作
ただしあらゆるスマートスピーカーが上記機能の全てを備えているわけではありません。搭載しているAIによって機能が大きく異なります。
Amazonで買い物をするのならAmazonのAlexa(アレクサ)が搭載されている必要がありますし、調べものをするのならGoogleアシスタント搭載のスマートスピーカーが向いています。フリーハンドでLINEを操作したいのならLINEと連携しているClovaを選ぶべきですし、iPhoneユーザーが音楽再生をメインに使いたいのなら、Appleのスマートスピーカーがおすすめです。
スマートスピーカーに何をさせたいのか、導入目的を明確にした上で対応する機能を持ったものを選びましょう。AIを4つから選んでから、メーカー純正品を選ぶか、サードパーティー製を選ぶか決めるのです。
おすすめのスマートスピーカー
下記におすすめのスマートスピーカーを紹介します。最も基本的なものをチョイスしたのでサードパーティー製は省きました。4社どれかの純正品を選べば間違いないでしょう。
Echo(第3世代)
Amazonのアレクサを搭載したスマートスピーカーです。2020年1月時点では最新モデルは第3世代となります。
アーティストAI CM撮影現場で語る Amazon Echoで出来ること
スマートスピーカーとして必要な機能を全て備えており、しかもAmazonと繋がっているので、音声ショッピングが出来るのが最大の特徴といって良いでしょう。音楽再生のメインはAmazonミュージックですが、AppleMusicとも互換性があるので安心して使えます。
動画に関してはAmazonプライムビデオと連携しているので、Fire TVを差したテレビをスマートスピーカーで操作できます。
そしてアレクサの特徴は何といっても2,500種類以上というスキルの多さです。スキルストアで入手したスキルで星占いなど様々な機能をスマートスピーカーに追加拡張できます。
しかもスキルのほとんどは無料なので都度課金する必要がありません。スキルの中にはサーファー向けに湘南の波情報誰を教えてもらうようなニッチなものもあるので、自分好みにカスタマイズできるでしょう
スピーカーとしての機能も十分なので、音楽鑑賞にも十分耐えられるクオリティを持っています。
Google Home
GoogleのGoogleアシスタントを頭脳にしたスマートスピーカーです。各種調べものに強く、サードパーティー製のアプリで様々な機能を追加できます。
Google Home:使い方 調べもの 篇
ハンズフリーで株価や渋滞情報をチェックできるのはかなり楽ですし、ネットフリックスやhuluと連携しているので、音声で映画を再生できます。
もちろん音楽再生機能も十分で、インテリアとして馴染みやすいデザインをしています。
スマート家電と連携したり、赤外線リモコンを管理できるので自宅の家電を一括管理することも可能です。
音声ショッピングはできませんが、知りたいことをすぐに質問できるのでカジュアルに使えるスマートスピーカーだと言えます。
LINE Clova WAVE
3つ目はLINEのAIアシスタントを頭脳にしたClova WAVEです。
【公式】Clova Friendsができること
Clovaの特徴は何といってもLINE通話やメッセージが使える点です。しかもバッテリー内臓なので持ち歩く事が出来ます。自宅で水仕事をしている時にキッチンに移動させるなど自由に使えるのです。
ミニオンなどのキャラクターをモチーフにしたモデルがリリースされており、昔話の読み聞かせや英語クイズなど子ども向けの知育機能が充実しています。LINE機能・バッテリー・キャラクターモデルの3要素はGoogleやAmazonのスマートスピーカーには無い機能で、後発として強く差別化を意識しているのが分かります。
もちろんアプリによる機能追加や音楽再生、各種調べものなど、基本的な機能は揃っているので安心して使う事が出来ます。
Apple HomePod
最後がAppleのHomePodです。AIアシスタントのsiriで有名なAppleですがスマートスピーカーとしては最後発となります。
非常に機能を絞っており、基本的な受け答えや調べもの機能を備えていますが、アプリ(スキル)の拡張が出来ません。
その代わりに空間認識技術を導入しており、スピーカーとしてはもっとも高性能です。置かれた場所を自動的に検知して音の特性を変化させるのはHomePodだけです。
また最重要な点として、iPhoneやiPad、macのようなios搭載ガジェットがないと機能を十分に使えません。Amazon、Google、LINEのスマートスピーカーはandroid・iosの両方とBluetooth接続出来ますが、HomePodはandroidと接続できないのです。
しかも音楽についてはApple Musicとの連携が基本となっています。互換性の面では他社に劣ると言わざるを得ません。完全に音楽再生機能に特化したAppleユーザー向けのスマートスピーカーだと言えるでしょう。
まとめ
スマートスピーカーは2014年にAmazonが初代のエコーをリリースしてから既に6年が経過しており、だいぶ一般的になってきました。AmazonやGoogleのスマートスピーカーは、しばしば大幅値下げを行うのでかなり安く入手するチャンスがあります。先行してシェアを確保したい思惑があるのかもしれません。
年を重ねるごとにバージョンアップを繰り返して音声認識能力や受け答えの自然さなど、あらゆる面で高機能化しています。
また音楽再生に関してはHomePod以外他社サービスとの連携が可能なので、乗り換えも楽になっています。
中心となるAIアシスタントの部分がより高度化していけばSF作品に登場するような人間のパートナーとなるコンピュータが登場するかもしれません。
価格も手ごろなので、まずは一度使ってみてはいかがでしょうか。
スマートデバイスについての今後をまとめた記事も以下にありますのでご興味があれば是非ご一読ください。