クレーム対応の電話でよくある「上司を出せ」という顧客からの要求に対して、簡単に上司を出すのはおすすめできません。
しかし「上司を出せ」といわれるケースでは、こんなお悩みがあるのではないでしょうか。
「クレーム対応で上司を出せと言われたときに、どんな対応が適切かわからない」
「上司を出さないためになにをしたらいい?」
そこでこの記事では下記を紹介します。
- クレーム電話の基本的な対応
- クレーム対応で上司を出せといわれる理由
- 上司を出せと言われた時の対処法
- 上司を出さないためにすべきこと
この記事を読むことで、クレーム対応時に「上司を出せ」と言われた場合の対処法がわかるようになります。
クレーム対応では基本的な流れや対処法を学んでおくことは重要です。こちらで詳しくまとめてますので、クレーム対応の基本を知りたい方はお気軽にダウンロードください。
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上司に頼る前に押さえよう!クレーム電話に対応する基本
上司を頼る前にクレーム電話への基本対応を学んでおくことが重要です。
まずクレームには4つの種類があります。
▼クレームの種類
- 問い合わせに近いクレーム
- 商品・サービスへの不満をぶつけるクレーム
- 従業員への態度へのクレーム
- 嫌がらせに近いクレーム
4つの種類を理解し、それぞれに合った対応を行っていく必要があります。
どの場合でもクレーム対応の基本的な流れは下記の5ステップです。
▼クレームの基本的な対応の流れ
- 心を込めて謝罪する
- クレームの内容を丁寧に聞いて受け止める
- 顧客の解決に向けて提案を行う
- 電話へのお礼を伝える
- 相手が電話を切ったことを確認してから受話器を置く
逆にクレーム対応で注意すべきポイントは下記です。
▼クレーム対応で注意したい言動
- クレームに対して反論・否定する
- 内容確認で顧客を待たせる
- その場しのぎのあいまいな回答
- 「上司に代われ」と言われてすぐに取り次ぐ
- 「とにかく謝る」「とりあえず相槌」などの適当な対応をする
クレーム対応の基本的な考え方を紹介してきました。
本記事では「上司に代われ」というリクエストへの対処法を中心に紹介していますが、こちらではクレーム対応の基本をより詳しく紹介しています。基本を知りたい方はあわせてご一読ください。
クレーム電話の対応における上司の役割とは?
クレームの電話対応における上司の役割は下記の3つです。
▼上司の役割
- 部下に対してクレーム対応の教育を行う
- クレームの理由・状況を見て電話に対応する
- クレーム対応後の部下へのフォローを行う
上司はクレーム対応のマニュアルを整備したり、部下が対応できるように教育をすることが役割です。
実際のクレーム対応の場合には、部下と顧客の状況を確認しながら、実際に電話に対応したり違う部署につないだりする役割があります。
簡単に上司の役割を紹介しましたが、こちらで電話のクレーム対応における、責任者の役割を紹介しています。詳しく知りたい方はあわせてご覧ください!
クレーム電話で「上司を出して」と言われる主な理由3つ
クレーム電話で「上司を出して」と要求される理由は主に3つです。
- 【理由1:改善要求】自社製品・サービスで被った悩みを解決したい
- 【理由2:謝罪要求】社員の初期対応に不満がある
- 【理由3:クレーマー】怒りをぶつけて特別待遇を受けたい
ひとつずつ解説します。
【理由1:改善要求】自社製品・サービスで被った悩みを解決したい
自社製品・サービスへの改善要望や悩みを解決したい場合に、「上司を出して」と要求されることがあります。このケースは問い合わせに近いクレームです。
たとえば専門的な知識を求める内容の場合、オペレーターでは回答しきれずに「上司を出して」と言われることがあります。
このケースでは、クレームの基本的な流れに沿って対応することが重要です。
相手の話を丁寧に受け止め、話を具体的に引き出すようにしましょう。
▼顧客にヒアリングする内容例
- なにが問題として起こっているのか
- 困っていることは何か
- どんな改善を希望するのか
問い合わせに近いクレームの場合には真摯に相手の話を聴くようにしましょう。
【理由2:謝罪要求】社員の初期対応に不満がある
オペレーターの初期対応に不満がある場合にも、「上司を出して」と要求される場合があります。この場合、顧客が求めているのは謝罪です。
たとえば下記のケースでは、社員の態度に対する謝罪を上司に要求する可能性があります。
- 電話対応が不適切
- 回答に誤りがある
- オペレーターに話が通じない
- 顧客を待たせる対応
この場合には誠意を持った謝罪を行うことが重要です。
初期対応への不満に適当な対応を行うと、顧客をさらに怒らせることになる可能性があります。
不快な気持ちにさせたことに対して真摯に謝罪を行いましょう。
【理由3:クレーマー】怒りをぶつけて特別待遇を受けたい
「上司を出して」と要求する顧客のなかには、自分の要求を通して特別な待遇を受けたいと思っているクレーマーもいます。
クレーマーに近い顧客の場合には、自分の筋を通そうとするあまりに、暴言を吐く、無理難題を言うなどのケースも考えられます。
クレーマーの場合、クレームの基本対応を行うだけでは解決できません。他のクレーム客同様の誠意ある謝罪と解決策の提示で解決するのは難しいといえるでしょう。
そのため、クレーマーには要求を断る、諦めてもらうことをゴールにした対応を進めていく必要があります。
怒りを武器に要求を通すクレーマーには、毅然とした態度で対応していきましょう。
クレーム電話で「上司を出して」と言われたら?対処法4つ
クレーム対応で「上司を出して」と言われた場合の対処法を4つ紹介します。
- 【対処法1】自分が「担当窓口」であることを伝える
- 【対処法2】クッション言葉を用いて更に話を聞き出す
- 【対処法3】事実確認ができていないときに要求をうのみにしない
- 【対処法4】判断できないときは、上司と連携して動く
ひとつずつ紹介します。
【対処法1】自分が「担当窓口」であることを伝える
「上司を出して」といわれた場合、自分が担当窓口であることを伝え、粘り強く対応しましょう。
とはいえ、上司への取次ぎは絶対にしないという態度で話を聞くと、相手の感情を逆なでし、オペレーターへのクレームにつながる可能性があります。
そのため、自分自身が担当窓口であり、自分が上司にお客さまの話を伝えることを主張しましょう。
たとえば下記の言い回しを用いて、相手の要件をヒアリングするようにしましょう。
- 本件のお客さま担当は私です。ご用件をお伺いしてから上司にお伝えいたします。
- 担当は私です。まずは私にご用件を教えていただけますでしょうか。
- 私が担当窓口です。どのようなご用件でいらっしゃいますか。
相手の用件を丁寧に粘り強く聞き出すことで、本当に上司に対応してもらうべきなのか、それとも適切な担当者が別にいるのか、などの判断ができるようになります。
まずは自分が担当窓口であることを伝えつつ、相手の話を聞き出しましょう。
【対処法2】クッション言葉を用いて更に話を聞き出す
適切なクレーム対応をするには、事実を細かく確認する必要があります。相手に威圧的な印象を与えず、話を聞きだしやすくするために「クッション言葉」を用いましょう。
クッション言葉を使うことで、柔らかい印象を与えることができ、話を聞きだしやすくなります。
▼代表的なクッション言葉
- 失礼ですが
- お手数をおかけしますが
- 恐れ入りますが
- 差し支えなければ
- あいにくではございますが
- 申し訳ございませんが
- 勝手を申し上げて恐縮ですが
たとえば購入場所を確認する場合に「差し支えなければ、いつ・どちらで購入されたのか教えていただけますでしょうか」とクッション言葉を文頭につけることで、相手に誠意を持っているのが伝わります。
相手の話を聞き出すために、代表的なクッション言葉を覚えて対応に活かしていきましょう。
【対処法3】事実確認ができていないときに要求をうのみにしない
相手の要求をうのみにしないことも重要です。クレーム対応では事実確認が原則です。
顧客に暴言を吐かれたり高圧的な態度をとられて、慌ててしまうこともあるでしょう。それでも事実が確認できていない場合には、一旦保留にするのが原則です。
「他では対応してくれた」の言葉が出てくると断りづらいと感じるのではないでしょうか。しかし相手の要求をうのみにするのはやめましょう。
相手は「この手を使えば次もうまくいく」と考え、クレーマーになってしまう可能性があります。
相手の要求の前に、事実を丁寧に確認しましょう。
【対処法4】判断できないときは、上司と連携して動く
自分で判断できないときには、上司に報告・相談し、連携することが重要です。
自分で対処できない内容は、速やかに上司に報告・相談し、指示を仰ぎながら対応しましょう。
▼上司と連携して動くケースの一例
- 解決策を簡単に見つけられない
- 冷静に対応できない
- 自分に権限のない要求を受けた
- マニュアルで対応できない
上司や責任者が対応することで顧客が落ち着き、スムーズに対応が完了しそうな案件の場合には、直接電話に対応してもらいましょう。
それ以外の自分で引き続き対応が可能な場合には、上司のサポートを受けながら最後まで担当窓口としての役割を果たしましょう。
クレーム電話の対応で、上司を出さないためにすべきこと5つ
クレーム対応で上司を出さないためにすべきことを5つ紹介します。
- 不快な気持ちにさせてしまったことを「謝罪」する
- 状況の把握と、顧客の気持ちを落ち着かせるために「傾聴」する
- クレームする理由を整理して「解決策を提案」する
- 顧客の気持ちに配慮した言葉遣いを心がける
- 対応マニュアルを完備し、通話録音をする
とくに5つ目の通話録音の活用は、実際の電話対応から学びを得ることができ、教育に使えるためおすすめです。
ひとつずつ見ていきましょう。
1.不快な気持ちにさせてしまったことを「謝罪」する
クレーム対応のときには相手の心情を考え、不快な気持ちにさせてしまったことに対しての謝罪を行いましょう。
不快な思いをさせてしまったことへの謝罪は、非の有無にかかわらず行うことが重要です。
▼謝罪の言葉例
- ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません
- ご迷惑をおかけして申し訳ございません
- 配慮が行き届かず、大変失礼いたしました
誠意を持った謝罪を最初に伝えることで、真摯に内容を受け止める姿勢が伝わり、落ち着いた状態の顧客と話ができるようになる可能性があります。
相手の心情を理解したうえで謝罪することが重要です。
2.状況の把握と、顧客の気持ちを落ち着かせるために「傾聴」する
クレーム電話の対応では、顧客が伝えたいことにしっかりと耳を傾けることが重要です。自社としての言い分があったとしても、まずは顧客の話に耳を傾けましょう。
相手の不満を傾聴することは不満解消の第一歩です。顧客の話を聞きながら、内容・状況の把握と同時に心情の理解に努めましょう。
相手の話をしっかりと聞くことで相手が冷静になり、より細かな状況把握につながるほか、信頼関係の構築にもつながります。
そのために有効なのが下記の3つです。
- オウム返し
- うなづき
- 相づち
オウム返しは内容のメモを取ることができたり、正確な内容のヒアリングができたりするため、「〇〇でよろしいでしょうか」と復唱して確認するのがおすすめです。
電話の内容に耳を傾け、相手の伝えたい内容・心情を理解しましょう。
3.クレームする理由を整理して「解決策を提案」する
顧客のクレーム内容や状況が把握できたら、その原因に対して解決策を見つけて提案していきましょう。
このときのポイントは下記の3つです。
- 顧客の立場に立って誠意のある解決策を出す
- 解決策に対して顧客が不安に思うことは先回りしてフォローする
- 自分に解決でいないこと・権限のないことは判断せずに上司に相談する
クレームの理由となっている不満を取り除くために、相手の立場に立った解決策を提示しましょう。
また自分で解決できないことや自分に権限がない内容の場合には、必ず上司に相談しましょう。
自分一人であいまいな答えを出すと、さらなるクレームにつながる可能性があります。
クレームの内容を整理・理解したうえで、顧客の立場に立った解決策の提示に努めましょう。
4.顧客の気持ちに配慮した言葉遣いを心がける
クレームの電話に対応する場合には、顧客の気持ちに配慮した言葉遣いを心がけましょう。
たとえば相手に解決策を提示する際には、相手にも伝わるわかりやすい言葉を選びます。業界用語や専門的な用語を日常的に使っている場合には、言い換えることが重要です。
相手の感情に共感しながら、顧客が納得できるまで粘り強く、わかりやすく伝えていきましょう。
またクレームの電話を終える際には、顧客へ改めて誠意を持った謝罪と感謝を伝えるといいでしょう。
商品・サービスに違和感を持ってクレームを言ってくる顧客は全体の一部にすぎません。電話をくれたことにお礼を伝え、改善に前向きな姿勢を見せましょう。
こちらの記事ではクレーム電話の対応がうまい人の特徴をまとめています。クレーム対応時の姿勢や対応のポイントを解説していますので、あわせてご一読ください。
5.【おすすめ】対応マニュアルを完備し、通話録音をする
クレーム電話を想定したスキルを培っておくことも重要です。
クレーム対応のマニュアルを準備したり、クレーム対応に関する研修を取り入れるといいでしょう。
クレーム対応を研修するためには、2つの方法があります。
- 外部のクレーム対応研修の受講する
- 実際のクレーム内容をもとに自社でトレーニングを行う
もし自社でクレーム対応スキルを上げたい場合には「通話録音」がおすすめです。
実際のクレーム対応を録音し、正確なやりとりをもとに上司がアドバイスすることで、具体的なフィードバックが可能です。
通話録音を使うことで、クレーム対応を教育に活かすことができます。
また通話録音を使うと、クレームでよくある「言った・言わない」のトラブル回避にもつながります。
通話録音はこちらで詳しく解説しています。「クレーム対応を録音してスキルアップにつなげたい」「電話対応の品質を向上させたい」とお考えの方は是非ご覧ください!
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まとめ:上司と連携して、クレーム電話の対応を攻略しよう!
改めて電話でのクレーム対応で「上司を出して」といわれた場合の対処法を紹介しました。
「上司を出して」と要求された場合の対処法は下記です。
- 自分が「担当窓口」であることを伝える
- クッション言葉を用いて更に話を聞き出す
- 事実確認ができていないときに要求をうのみにしない
- 判断できないときは、上司と連携して動く
担当窓口として相手の話を聞き出すためにも、しっかりと相手の話に耳を傾け、解決策の提示に努めていきましょう。
そうはいってもクレーム対応は自分で解決・判断できないケースばかりではありません。その場合には、上司と連携して対応するようにしましょう。
実際のクレーム電話を受ける前に、クレームへの基本的な対応を理解しておくことは重要です。
こちらではクレーム対応の重要性や基本的な対応の流れ、クレームごとの対処法をまとめています。クレーム電話に上司を出さないために、基本を知りたい方はぜひご一読ください!
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