勤務先で電話を取ったとき、一番緊張するのが「顧客からのクレーム」ではないでしょうか。電話口の顧客が興奮していることもあり、どうしたらいいかパニックになってしまうこともあるでしょう。
クレームの電話に対する対応は、まず第一に謝罪することが大切です。ただし適切な方法で謝罪できないと、顧客の怒りを増幅させてしまうこともあります。
この記事では、クレームの電話の適切な謝罪方法や、言ってはいけないNG発言や行動について解説します。例文も紹介しているので、クレーム時の謝罪に備えたい方はぜひご一読ください。
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クレーム対応の電話で謝罪する際に意識すべきポイント
クレーム対応の電話で謝罪する際に意識すべきポイントは、次の3つです。
- 謝罪の意を示す
- 顧客の話をしっかりと聞く
- 解決策を提示する
まずは、誠心誠意、謝罪の気持ちを示しましょう。たとえ顧客の勘違いだったり、会社側に落ち度がなかったりする場合でも、いきなり反論してはいけません。クレーム時の顧客は興奮していることも多く、正論を言っても火に油を注ぐこととなってしまうからです。
また、顧客の話をしっかりと聞いて受け止めることも重要です。一度クレームの内容を受け止めることで、落ち着いて話してもらえることも多いです。
顧客の話を聞いて共感し、理解を示してから解決策を提示します。「話を聞いてもらった」「理解してくれた」ということで、顧客も納得してくれるでしょう。
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クレーム対応の電話で謝罪する4つの方法
ここからは、実際にクレーム対応の電話で謝罪する方法について解説します。基本的には、次の4つです。
- 謝罪の意を伝える
- 相手の言い分をしっかりと聞く
- 解決策を提示する
- 調査が必要な場合は折り返す
「もしクレームの電話がかかってきたら」と考えると不安になるかもしれませんが、頭に入れておくことでパニックにならずにすみます。
ぜひ参考にしてください。
【方法1】謝罪の意を伝える
クレーム対応の電話が来たときは、たとえこちら側に非がない場合でも謝罪しましょう。「クレームを言おう」という気持ちにさせてしまったことに対して、初めに謝罪することが大切です。
「申し訳ございません」と繰り返すだけではなく、「不快な思いをさせてしまって申し訳ありません」「ご不便をおかけして申し訳ありません」と、謝罪の理由を付けましょう。
全面的な謝罪ではなく、何に対して謝罪しているのか伝えることで謝罪の気持ちが伝わりやすくなります。謝罪の意を伝える方法について、もっと大事なことはないか知りたい方は、以下の記事をチェックしてください。
【方法2】相手の言い分をしっかりと聞く
つぎに、相手の主張を最後までしっかりと聞きましょう。納得いかないことや顧客の言い分におかしな点があっても、反論したり言い訳したりしてはいけません。
クレーム電話では、言い分を聞いてもらうために電話してくる方もいます。話の途中で反論して割り込んでしまうと、それが正しい主張でも「ちゃんと聞いてるのか」と疑われて、顧客の怒りが増幅してしまうこともあるでしょう。
顧客の話は相づちを打つだけではなく、質問をしながら聞くことをおすすめします。詳しく聞きたい部分について「差し支えなければ教えていただけませんか」と、言葉にトゲがないよう質問することで、真摯に聞いていることが伝わります。
また、話を聞くときは必ずメモを取るようにしましょう。話がまとめやすくなり、顧客に納得していただける解決策を示しやすくなります。
【方法3】解決策を提示する
話を最後まで聞いたあと、返金やサービスの対応などの解決策を掲示します。専門用語を使った難しい言葉ではなく、顧客にも伝わる簡単な言葉で伝えることが重要です。
解決策を掲示するときは、顧客にわかりにくいところはないか、質問しながらすすめるのがおすすめです。解決策に納得していただくためにも、わかりやすいように伝えましょう。
最後に「貴重なご意見をいただきありがとうございました」と感謝を伝えましょう。誠実に対応してもらったと感じられます。
【方法4】調査が必要な場合は折り返す
自分だけで解決できない場合は、一度電話を切って折り返す約束をしましょう。
「確認しますので、後ほどご連絡してもよろしいでしょうか」と相談し、一度電話を切ったほうが曖昧な返事をするよりも顧客の気持ちはすっきりします。
うやむやな対応をしたり、できないことを「できる」と言ってしまったりすると顧客の怒りは収まらず、さらに大きなクレームになる可能性もあります。
きちんと対応する姿勢を見せるためにも、「○分以内にご連絡します」など、いつ電話するのか伝えるようにしましょう。折り返しの電話が遅すぎても、新たな怒りを買ってしまいます。調査するのに十分で、かつ遅すぎないタイミングで折り返すことが大切です。
ここまでクレーム対応の電話で謝罪する方法をお伝えしてきました。謝罪を受け入れてもらうには、適切なステップを踏んでお詫びすることも重要です。
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では実際に、電話で適切に謝罪をするにはどんな言葉を使えばいいのでしょうか。次の章で例文をあげて解説します。
【ケース別】電話で謝罪する際に使える例文
顔が見えない相手に、どんな言葉を使えば謝罪の気持ちが伝わるのかわからない方も多いのではないでしょうか。
ここからは、電話で謝罪する際に使える例文をケース別に分けて紹介します。
- 【ケース1】冒頭の謝罪・基本的な謝罪
- 【ケース2】保留や折り返しなど顧客を待たせたときの謝罪
- 【ケース3】商品やサービスに不具合があったときの謝罪
- 【ケース4】従業員の接客態度に対するクレームへの謝罪
【ケース1】冒頭の謝罪・基本的な謝罪
「この度は弊社の商品に関してご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません」
「お客様にご不安な思いをさせてしまい誠に申し訳ございません」
「ご不快な思いをおかけしまして申し訳ございません」
「本件のためにお時間を取らせてしまい誠に申し訳ございません」
クレーム対応の電話をかける顧客は、必ず「不快な気持ちにさせられた」と感じる原因があります。
いきなり全面的に認めるのではなく、まずは「不安な思いをさせて」「不快な思いをさせて」と対象を限定した謝罪をしましょう。
そのあと、具体的なクレーム内容をお聞きして、自社に非があった場合は改めて謝罪することになります。
【ケース2】保留や折り返しなど顧客を待たせたときの謝罪
「お待たせしてしまい大変申し訳ございません」
クレーム対応の電話は、顧客が何らかの不満を持っていることがほとんどです。そのような顧客をお待たせすると、余計イライラさせてしまうかもしれません。
たとえ数十秒の保留でも、時間通りの折り返しでも「待たされた」と感じることもあります。必ず本題に入る前に謝罪の言葉を入れましょう。
【ケース3】商品やサービスに不具合があったときの謝罪
「○○ということですね。ご不便をおかけして申し訳ございません」
「○○ということですね。ご期待にそえず申し訳ございません」
商品やサービスに対するクレームの場合は、まず不具合の内容を復唱してから謝罪するようにします。
いきなり自社の責任を認めるような発言はしないで、「商品が使えなかった」「イメージと違っていた」など、顧客の不満の原因にしぼって謝罪しましょう。
復唱されることで、顧客は「話を理解してもらえた」と安心を感じられます。調査の結果、自社に非があった場合は、改めて誠実に謝罪の意を示しましょう。
【ケース4】従業員の接客態度に対するクレームへの謝罪
「弊社スタッフによる不適切な発言により、ご不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございません」
「今後ご迷惑をおかけすることがないよう、指導を徹底して再発防止に努めて参ります」
従業員に対するクレームは、まず「不快な思いをさせた」ということに対してお詫びして、それから状況を聞きましょう。
顧客の勘違いである場合もありますが、ここでは「そんなはずはない」というような反論は避けます。電話を切ったあと従業員に事実確認を行い、非があった場合はしっかりフィードバックを行いましょう。
クレーム対応の電話は、商品やサービスに対してだけでなく従業員の接客態度に対する内容もあります。共通していえるのは「いきなり全面的に謝罪せず対象を限定してお詫びする」ということです。
では、逆に顧客の怒りが増幅してしまう謝罪とはどのようなものでしょうか。次の章で解説します。
クレーム対応の電話で謝罪するときのNG発言・行動5つ
クレーム対応の電話での謝罪で、顧客の怒りが増してしまうNG発言や行動は、次の5つです。
- クレームに対して反論や否定をする
- 顧客を待たせ過ぎてしまう
- 憶測で回答する
- 「上司に代われ」と言われてすぐに代わる
- 中途半端な謝罪や相づち
基本的に、顧客からのクレーム対応の際は「違います」「そんなはずはありません」などの反論や否定、「お客様がたくさんお越しでしたので」などの言い訳はNGです。
調査のための保留でも、待ち時間が長かったり時間通りに折り返しがなかったりすると顧客の怒りは高まります。
かといって憶測で適当な回答をすると、誤解やトラブルのもとになります。わからない場合は、一度電話を切って折り返したほうが適切です。
また、「上司に代われ」と言われても、すぐに取り次いでしまうのは間違いです。上司が事態を把握しきれないまま対応することになり、新たなトラブルを生む可能性もあります。
他にも、とにかく「はい」や「すみません」ばかりを繰り返す、中途半端な謝罪や相づちは不誠実に感じます。顧客の話をオウム返しで聞き返しながら相づちを打ち、理解して謝罪をしましょう。
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クレーム対応の電話での謝罪は、いろいろ不安なこともあるかもしれません。次の章で、よくある質問に回答します。
クレーム対応の電話で謝罪するときよくある2つの質問
クレーム対応の電話で謝罪する際のよくある質問を挙げました。次の2つです。
- クレーム対応が長引いてしまう場合どうすればいいの?
- クレーム対応が上手くなるにはどうすればいいの?
順番に回答します。
【質問1】クレーム対応が長引いてしまう場合どうすればいいの?
その場ですぐ解決ができず、クレーム対応が長引いてしまう場合は「一度電話を切らせていただきます」と電話を切りましょう。
クレームが長引くと他の業務にも支障がでますし、メンタル面にも悪影響を及ぼします。
しかし、むやみに自分から電話を切ってしまうのは避けましょう。話を聞かないまま切られると怒りを増幅させて再度電話をかけてくることもあります。
反対に相手が電話を切るまでひたすら待つのも、クレーム対応が長引く原因になるので、クレーム対応の電話の上手な切り方を社内で周知しておくと良いでしょう。
「本日頂いた情報を元に、調査したうえで回答させていただきます」など、相手が引き止めにくい言葉がおすすめです。また最後に「貴重なご意見をありがとうございました」という感謝の言葉を添えるようにしましょう。
さらに上手なクレーム対応の電話の切り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【質問2】クレーム対応が上手くなるにはどうすればいいの?
クレーム対応が上手い人には共通の特徴があります。クレーム対応が上手い人の特徴から逆算して真似することで、クレーム対応が上手にできるようになります。
とはいえ、クレーム対応が上手い人が身近にいない方も多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、以下3つの視点に分けてクレーム対応が上手い人の特徴をまとめました。
- クレーム対応が上手い人の姿勢の例
- クレーム対応が上手い人の行動の例
- クレーム対応が上手い人のNG行動の例
以下で詳しくまとめているので、ご一読ください。
まとめ:クレーム対応の電話での謝罪は相手の話をしっかり聞くこと
クレーム対応の電話では、内容をしっかり受け止めた上で丁寧な対応が必要不可欠です。しかし、クレーム電話は予期してくるものではありません。
いきなり来ることがほとんどですので、事前に「クレーム対応がしやすくなる準備」をしておくこともおすすめです。
クレーム対応に準備するために、クレームの種類ごとの対応や、避けるべきNG行動を押さえておきましょう。シンカでは、これらの内容を網羅したクレーム対応ノウハウを配布していますので、気になる方は下記よりダウンロードのうえご覧ください。
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