「もしもし」「たぶん」「わかりません」――このような言葉をビジネスシーンで使っていませんか。
ビジネスシーンでの言葉遣いは、企業の印象を大きく左右します。カジュアルすぎる表現や曖昧な返答は、相手に不安や不信感を与えかねません。
本記事では、電話対応で避けたいNGワードと代わりに使える適切な表現を場面別に紹介します。あわせて電話対応をより好印象にするコツもまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
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ビジネス全般で避けるべき共通NGワードと言い換え表現
ビジネスにふさわしい言葉遣いは、相手に良い印象を与えられるポイントです。
言葉がカジュアルすぎたり、間違っていたりすると「この企業は大丈夫かな」と相手を不安にさせてしまう場合があります。
ここでは、ビジネスで避けたい代表的な言葉遣いをNGワードとして紹介します。あわせて代わりに使える言い換え表現も記載しているのでご参考ください。
NGワード | 言い換え表現 |
---|---|
もしもし | 「お電話ありがとうございます」「はい、〇〇株式会社の〇〇です」 |
なるほど | 「おっしゃる通りです」「ごもっともです」 |
お疲れ様です・お世話様です | 「お世話になっております」 |
声が小さくて〜 | 「お電話が遠いようでして〜」 |
お名前を頂戴できますか | 「お名前をお伺いしてよろしいでしょうか」 |
たぶん | 「おそらく」「現時点では」「可能性が高い」 |
とりあえず | 「まずは」「いったん」「ひとまず」「暫定的に」 |
〜の方(ほう) | 「〜について」「〜に関して」 |
〜でよろしかったでしょうか | 「〜でよろしいでしょうか」 |
させていただきます | 「いたします」 |
わかりました/了解しました | 「承知いたしました」「かしこまりました」 |
急いでいるので/ちょっと待ってください | 「お手数ですが、少々お時間をいただけますでしょうか」 |
大丈夫です/これで大丈夫ですか? | 「問題ございません」「こちらで問題ございませんか?」 |
○○部長に伝えます | 「部長の○○に申し伝えます」 |
○○は本日お休みをいただいております | 「○○は休みを取っております」 |
ここで挙げたNGワードは、いずれも友人との会話では自然な表現ですが、ビジネスシーンではカジュアルな印象を与えてしまいます。こういった表現は避けて、ビジネスに適した表現を使うようにしましょう。
3つのシーン別|NGワード一覧と言い換え表現
注意したい表現は、状況によっても異なります。ここでは、以下3つのシーンに分けて紹介します。
- 営業中に使ってしまいがちなNGワード
- カスタマーサポートで使ってしまいがちなNGワード
- クレーム対応時に使ってしまいがちなNGワード
それぞれのシーンで適切な表現を知っておくことで、相手への印象をより良くします。では、みていきましょう。
【シーン1】営業中に使ってしまいがちなNGワード
シーン1は、営業の商品説明時や値段交渉時に使ってしまいがちな言葉を集めました。
NGワード | 言い換え表現 |
---|---|
絶対/必ず/間違いなく | 「高い確率で」「多くのお客様に好評です」「できる限り」「確かな実績」 |
どうしますか? | 「こちらはいかがでしょうか?」(提案や選択肢を提示する) |
できません | 「他の方法を検討いたします」「できる限りの対応をいたします」 |
値引きは無理です | 「価格調整は難しいですが、他の形でご対応いたします」 |
「絶対に」「必ず」などの断定的な表現は、誇大広告と受け取られる可能性があります。
代わりに、過去の実績などを用いて具体的な根拠を示すと、説得力のあるアピールができます。
また、顧客からの要望に対し、一方的に「できない」と即答してしまうと、冷たい印象を与えかねません。無理難題を言われていない限りは、前向きな提案を含めた返答を心がけましょう。
【シーン2】カスタマーサポートで使ってしまいがちなNGワード
シーン2では、カスタマーサポートや問い合わせへの対応時に使ってしまいがちな表現を紹介します。
NGワード | 言い換え表現 |
---|---|
わかりません/知りません | 「社内にて確認し、あらためてご連絡いたします」「調査のうえお答えいたします」「担当者に確認し、本日中に回答いたします」 |
前回も同じ説明をしましたが | 「再度ご説明させていただきます」 |
そんなことはありえません/お客様の勘違いです | 「ご不便をおかけし申し訳ございません。状況を詳しくお聞かせください」 |
最優先したいのは、相手に安心感を与える言葉選びです。曖昧な返答や「わかりません」をそのまま伝えると、無責任な印象を与え信頼を失ってしまいます。
たとえば、確認事項があるなら「○時までに回答します」など、具体的な時間を伝えられたほうが相手に安心感を与えられます。
問い合わせを受けたら、相手の問題が解決するまで責任を持つという気持ちで対応しましょう。
【シーン3】クレーム対応時に使ってしまいがちなNGワード
シーン3は、苦情やクレーム電話への対応時のNGワードです。
NGワード | 言い換え表現 |
---|---|
だって/でも/だから | 「おっしゃる通りです」「ご指摘ありがとうございます」 |
普通 | 「通常ではあまり発生しない事例ですが〜」「このようなケースは非常に稀ですが〜」「一般的には起こりにくいことですが〜」 |
お言葉ですが | 「恐れ入りますが」「失礼ながら」 |
クレーム対応では、感情的になっている相手の気持ちに寄り添いましょう。
否定から入ってしまうと相手の感情を逆なでし、相手の怒りが増すことがあります。まずは相手の意見に耳を傾け、共感を示すことが重要です。
また、こちらから意見をしたい場合には「恐れ入りますが」とクッション言葉を使うと表現がやわらぎます。クッション言葉とは、電話や対面の会話で前置きとして使用される言葉やフレーズのことを指します。詳しい使い方は、以下の記事をご一読ください。
電話対応の基本マナーをおさらいしよう
ビジネス電話では、NGワードに加えて、暗黙の了解や基本マナーが存在します。
あらためて見直すと、意識していなかったことがあるのではないでしょうか。このタイミングでざっと見返しておきましょう。
【おさらい1】電話対応の基本ルール
以下は、ビジネス電話対応時の基本ルールです。日頃の自分の対応を思い出し、振り返ってみましょう。
▼ビジネス電話の基本ルール
- 迅速な対応を心がける(3コール以内)
- メモを取り、内容を正確に把握する
- 聞き取れない場合は曖昧にせず理由を伝えて聞き直す
- 声のトーンとスピードに気を配る
- 取り次ぐ際は保留にする
- 通話後は受話器を静かに置く
こうして読むと当たり前に感じるかもしれません。
ただ、基本的なマナーほど、慣れから疎かになりがちです。日頃から意識して取り組んで、電話対応の品質を高めることが大切です。
【おさらい2】電話対応時によくあるミス
予期せぬタイミングでかかってくる電話への対応は、誰しも緊張します。
焦りから重要な情報を聞き逃したり、適切でない返答をしてしまったりするケースが少なくありません。
以下は、電話対応時によくあるミスをまとめたものです。
▼電話対応時によくあるミス
- 社名や名前の聞き間違い:相手に失礼な印象を与える
- 敬語の誤用:相手に対して失礼と思われる可能性がある
- 即答できない質問への対処:即答が難しい場合は無理に答えず折り返す
- 保留ボタンの押し忘れ:社内の会話が相手に聞こえてしまい、機密情報が漏れるリスクがある
このようなミスを繰り返さないためには、ミスの原因ごとに対応方法や回答例をあらかじめまとめておくことが効果的です。十分な準備ができれば、突然の電話にも自信を持って対応できるようになります。
電話対応で好印象を残すための5つのコツ
電話対応で受ける印象は、顧客満足度を左右します。
では、基本ルールを押さえたうえで、相手により良い印象を残すためには、どのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
ここでは、電話対応の品質をより高めるための5つのコツを紹介します。
- 相手の名前を確認し、名前で呼びかける
- 相手の話をさえぎらない
- 否定的な態度を取らない
- 憶測で話さない
- 電話対応マニュアルを活用する
それぞれ詳しく見ていきます。
【コツ1】相手の名前を確認し、名前で呼びかける
電話対応の基本となるのが「相手に寄り添った対応」です。会話の中で「○○様」と適度に呼びかけると、「お客様」と呼ばれるよりも個別の対応を受けている、と感じられ喜ばれます。
名前呼びを意識したいのは、主に以下のタイミングです。
▼呼びかけるタイミング
- 保留後:「○○様、お待たせいたしました」
- 意見を伺う:「○○様、この件についてはどうお考えですか?」
- 電話終了時:「○○様、本日はありがとうございました」
頻繁すぎる呼びかけは、かえってくどい印象になってしまいます。通話時間や内容にもよりますが、基本は2〜3回程度が適切です。
また、相手の名前を間違えるのは失礼ですので、最初にメモを取り、正確な呼び方を心がけましょう。
【コツ2】相手の話をさえぎらない
良好なコミュニケーションには、相手の話に耳を傾ける「傾聴」が欠かせません。
相手が問題やクレームを話している際、途中で解決策を提示したくなるかもしれませんが、まずは相手の言い分を最後まで聞きましょう。相手の言いたいことをしっかり理解しようとする姿勢を示せば、誠実な印象を与えられます。
相手が話している間は、「はい」「おっしゃる通りです」などの相づちを適度に入れるようにします。
【コツ3】否定的な態度を取らない
「できない」「わからない」で終わらせるとぶっきらぼうな印象を与え、高圧的・威圧的に受け取られる場合があります。
そのため、否定だけで終わらせるのではなく、前向きな対応を取ることで相手に好感を持たせやすいです。
否定したいときには、以下のように表現します。
▼言い換え例
- できません:「対応できかねます」
- わかりません:「私ではわかりかねますので、担当者に確認し、追って回答いたします」
- ありません:「あいにく切らしております」
このように、相手に感じよくみせたいときには、肯定的な表現を使いましょう。
【コツ4】憶測で話さない
知識が不十分にもかかわらず憶測で答えたり、不確かな情報を軽率に伝えたりすると、のちに重大なトラブルにつながる可能性があります。
以下のように、確信が持てないことや確認が必要なものは、正確な情報を確認してから返答しましょう。
- おそらくOKだと思います:「担当者に確認のうえ、折り返しお電話いたします」
- たぶん対応できます:「担当部署に確認いたします」
特に法律や規約などは、必要に応じて上司や専門部署に相談します。
【コツ5】電話対応マニュアルを活用する
会社全体の電話対応の品質を高めたい場合には、電話対応マニュアルの活用がおすすめです。
基本方針やよくある質問、トラブルへの対応方法を具体的にまとめておくことで、チーム全体で一律した対応ができるようになります。
電話対応マニュアルは以下の3ステップで作成します。
▼マニュアル作成のステップ
- 基本ルールの設定:受電時の名乗り方やメモの取り方など、ビジネス電話で必要な基本的なマナーをまとめる
- トークスクリプトの作成:よくある問い合わせやクレーム対応など、シーンごとの台本を作成
- イレギュラー対応の準備:トラブル時の対応方法や緊急時の連絡体制を明記
なお、マニュアルは作ったら終わりではなく、定期的に見直す必要があります。新しい事例や改善点を反映させて使いやすいものにしましょう。
電話対応マニュアルをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
内部リンク:電話対応マニュアルの基本的な流れから3ステップの作成方法まで解説
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まとめ:電話対応で使いがちなNGワードは意識して言い換えよう
ビジネスの電話対応では、ちょっとした言葉遣いが相手との信頼関係を左右します。
本記事で紹介したように、友人同士で使う言葉は、ビジネスシーンではふさわしくないものが少なくありません。相手により良い印象を持ってもらえるように言い換え表現をマスターしましょう。
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