クレーム電話の対応は、ストレスを感じやすい業務のひとつです。苦手に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、クレーム電話の対応が上手い人の特徴を、以下3つの視点で解説します。
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最初にクレーム対応の基本的な考え方についてもまとめているので、クレーム対応が上手くなりたい方はご一読ください。
なお、クレーム対応では「言った」「言わない」のトラブルになることも多いため、通話内容を録音しておくことが重要です。たとえばCTIシステム「カイクラ」では、通話内容を音声・テキストで保存できます。
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電話におけるクレーム対応の考え方
クレーム対応は決して楽しいものとはいえませんが、悪いことばかりではありません。
クレームには、企業が見落としているような「お客様の本音」や「改善のヒント」が隠れています。丁寧にヒアリングすることで、自社商品・サービスの改善につながったり、サポート対応の品質向上に活かせたりします。
一方で、理不尽なクレームを受ける可能性もゼロではありません。そのため、真摯に対応する心構えと、悪質なクレームへ対処するマニュアルなどが重要となります。
では、クレーム対応には具体的にどのような姿勢や行動が求められているのでしょうか?
電話のクレーム対応が上手い人の特徴を、姿勢や考え方に関して紹介します。
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【姿勢編】電話のクレーム対応が上手い人の特徴4選
電話のクレーム対応が上手い人の姿勢には、次のような特徴があります。
- 【特徴1】論理的な思考ができる
- 【特徴2】冷静でいられる
- 【特徴3】真摯な態度を心がける
- 【特徴4】親身になって対応する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【特徴1】論理的な思考ができる
お客様からのクレームの対応が上手い人は、クレームに対して論理的に考えて対処できる傾向があります。論理的に考えることで、お客様の話から状況を的確に把握し、原因と解決策を見極めていくことができます。
論理的な思考とは「物事を順序立てて整理して考える力」のことです。複雑になりがちなクレームは、状況を的確に把握するためにも、物事をシンプルに整理して考えていく力が求められます。
状況を的確に把握するためには、まずお客様の気持ちを汲み取り、理解していくことが重要です。お客様の話を聞きながら、
- お客様は何が言いたいのか
- 何を求めているのか
- 本質的な問題は何か
- 誤解や勘違いはないか
などを見極めていきます。
つまり、論理的に考えて対処していくためには、相手の立場になって物事を考え、お客様の気持ちを理解していく「共感力」も重要です。
【特徴2】冷静でいられる
クレームを伝えてくるお客様に対して、冷静に対応できることも大切なポイントです。
状況や事実確認を的確に把握するためには、どのような状況でも落ち着いて対応する力が求められます。
クレーム対応では、熱く感情的に電話をしてくるお客様も多いです。そのような状況で、お客様の態度に怯えたり慌てたりしてしまうと、正常な判断をすることができなくなってしまいます。
お客様の話をしっかり聞き、問題の解決策を見極めるためにも、お客様の発言や態度に慌てずに、平常心を保って対応することが大切です。
【特徴3】真摯な態度を心がける
冷静に対応すると同時に、お客様への真摯な姿勢を崩さないことも大切です。お客様の態度に慌てず冷静に対応することと、淡々と対応することは、与える印象も対応の意味も大きく変わってしまいます。
お客様からの発言をただ淡々と聞き流しているようでは、真摯に対応しているとはいえず、お客様にも誠意が伝わりません。解決策も的外れなものとなってしまう可能性があります。
場合によっては、相手の感情を逆撫でしてしまうこともあるでしょう。
お客様の高ぶった感情を落ち着かせるためにも、しっかりとお客様の話に耳を傾け、誠意を持って対応することが何よりも重要です。
真摯に対応することで、お客様にも誠意が伝わり、よりスムーズな解決にもつながります。
【特徴4】親身になって対応する
クレーム対応が上手い人は、相手の気持ちに寄り添いながら、親身になって話を聞くことができます。相手の立場になって物事を考えることで、お客様の真の悩みが見えてくることもあります。
理解を示しながらしっかりと話を聞くことで、お客様の高ぶった感情や不快感も徐々に和らいでいきます。共感を示し、不快に思った気持ちを解消していくことがクレーム対応の重要な一歩です。
【行動編】電話のクレーム対応が上手い人の特徴9選
次に、電話のクレーム対応が上手い人の具体的な行動の特徴を9つ紹介します。
- 【特徴1】お客様の気持ちに共感し謝罪する
- 【特徴2】丁寧に事実確認ができる
- 【特徴3】お客様にあわせて話を進められる
- 【特徴4】お客様に非がないことを伝えられる
- 【特徴5】感謝の気持ちを伝えられる
- 【特徴6】復唱して確認できる
- 【特徴7】対応時間・待ち時間を伝えられる
- 【特徴8】解決策を提示できる
- 【特徴9】会話の最後を丁寧に締めくくられる
それぞれ詳しく解説します。
【特徴1】お客様の気持ちに共感し謝罪する
クレーム対応が上手い人は、お客様の気持ちに寄り添ったうえで謝罪ができます。
たとえクレームがお客様の誤解や勘違いだったとしても、不快な思いをさせてしまったことに変わりありません。お客様の心情を理解する姿勢を示しつつ、クレームを入れる手間をかけてしまっていることへも配慮しながら対応することが重要です。
クレームの原因や内容が明確になる前に、まずは誠心誠意を込めて、
「ご不便をおかけしまして、誠に申し訳ございません」
という謝罪の気持ちを欠かさず伝えましょう。
なお、クレーム電話が来たときに謝罪する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご一読ください!
【特徴2】丁寧に事実確認ができる
丁寧に事実確認できることも、クレーム対応が上手い人の特徴です。クレーム対応が上手い人は、問題点や状況を冷静に把握します。
- どのようなトラブルが起こっているのか?
- 誰に対するクレームなのか?
- お客様の根本的なクレーム内容は何か?
などを、話を丁寧に聞きながら見極めていきます。
重要なのは、お客様の話を遮らずに最後までしっかり耳を傾けて聞くことです。話を聞きながら、ポイントとなる点はメモに残して整理しておくとよいでしょう。
【特徴3】お客様にあわせて話を進められる
クレーム対応で求められるのは、トラブルの問題解決だけではありません。クレーム対応では怒っているお客様も多いため、正論や解決策を提示するだけでは気持ちの整理がつかずに収まらないこともあります。
クレーム対応が上手い人は、解決策をすぐに提示するのではなく、適度な相づちを打ちながらお客様にあわせて話を進めています。
特に相槌を打つタイミングが重要です。相づちの回数が多くなりすぎないよう、注意しましょう。
こちらの対応の姿勢は、電話であっても相手にしっかり伝わります。お客様にあわせて話を進めていくことを心掛け、誠意を込めて対応しましょう。
【特徴4】お客様に非がないことを伝えられる
クレーム対応では、クレーム内容がこちらに非がない理不尽なケースもあります。対応の上手な人は、そのような場合でも、まずはお客様が感じた不満や不快な思いを受け止め、お客様には非がないことを伝える姿勢を崩しません。
お客様は不都合や不具合を感じたからこそ「クレーム」として、わざわざ電話をかけて意見を伝えてくれています。クレーム対応の上手い人は、そこを踏まえて、クレームの詳細な原因の追究の前に、お客様には非がないことを伝える配慮を欠かしません。
お客様の話にしっかり耳を傾け、心情を理解することで、お客様の気持ちが落ち着き、クレームが感謝の気持ちへと変わることもあります。クレーム対応は、問題の解決だけではなく、お客様の不快な思いを解消することも目的であることを忘れずに対応しましょう。
【特徴5】感謝の気持ちを伝えられる
お客様に非がないことを伝えると同時に、どのような形でもご意見をいただいたことに対する感謝の気持ちを欠かさないことも大切です。
お客様が何らかの不快な思いを抱いたとき、クレームとして伝えてくる人は4〜5%と言われています。つまり、100人中 95人の人は不快に思っても行動を起こさず、商品やサービスから黙って離れてしまうというわけです。
最悪の場合、直接クレームを伝えずに、ネットの口コミやSNSを利用して悪い評価を広められてしまう恐れもあります。感謝の気持ちを忘れずに対応していくことが重要です。
【特徴6】復唱して確認できる
クレーム電話を受けると、怒っていることから早口で話されてしまうこともあるでしょう。内容が聞き取りにくくなってしまいますし、お客様の怒りが加速してしまう可能性もあります。
こういったことを避けるため、クレーム対応が上手い人の中には復唱して内容を確認することがあります。復唱して確認することでお客様を落ち着かせ、しっかりと聞いている印象を与えることもできるからです。
早口でお互いの認識がずれることもないため、冷静に対応がしやすくなります。
【特徴7】対応時間・待ち時間を伝えられる
クレーム対応では、すぐに回答できないこともあるでしょう。このとき、クレーム対応が上手い人は「対応にかかる時間の目安」を伝えています。
何も伝えずに折り返し電話をしてしまうと、想像以上に時間がかかってしまい、電話したときには電話口のお客様がカンカンに怒っているケースも少なくありません。
確認にどのくらいの時間がかかりそうか、目安をまずは伝えましょう。もしも伝えた時間を過ぎてしまいそうな場合は、再度その旨を伝える電話をすると真摯に対応していることが伝わります。
【特徴8】解決策を提示できる
「使い勝手が悪かった」「思っていた商品と違った」など、機能面で納得がいかずにクレームが来る場合もあります。
このような場合、企業として「別の商品を紹介する」「不良品として交換を申し出る」など、具体的な解決策を提示できることもクレーム対応が上手い人の特徴です。
とはいえ、自分だけでは解決策を提示しづらいケースもあるでしょう。自分だけで無理して解決しようとせず、会社としてどう解決に導くかが重要です。
自分で解決できない場合には、曖昧な解決策で相手に不信感を与えてしまうことを避けるためにも、上司や先輩に具体的な解決策を仰ぎましょう。
「私では判断しかねますため、確認してすぐに折り返しお電話させていただきます」と相手に伝え、誠意を持って対応することが大切です。
【特徴9】会話の最後を丁寧に締めくくられる
電話の最後に、会話をどのように締めくくるかも、相手に与える印象を左右します。クレーム対応が上手い人は、相手への敬意を込め、最後に改めてお詫びと感謝の言葉を伝えています。
さらに大切となるのが、最後に自分の名前を名乗っておくことです。会話の初めに名乗っている場合でも、必ず最後に改めて自分の名前を伝えましょう。名前を名乗っておくことで、責任の所在をはっきりさせ、相手に誠実さが伝わります。
とはいえ、クレーム電話の相手がなかなか電話を切ってくれないこともあります。丁寧に対応していると話が長引いてしまうこともあるので、以下を参考に電話の切り方も押さえておきましょう。
【しないこと編】電話のクレーム対応が上手い人の特徴4選
クレーム対応の上手い人は、次のように誤った対応をしないよう徹底しています。
- 【特徴1】お客様を不快にさせない
- 【特徴2】お客様の話を遮らない
- 【特徴3】お客様の主張を否定しない
- 【特徴4】威圧的な言葉を使わない
詳しく見ていきましょう。
【特徴1】お客様を不快にさせない
クレーム対応が上手い人は、冷静に対処しつつお客様の気持ちに寄り添って対応するよう心掛けています。共感の姿勢を崩さずに最大限の気を配り、お客様を不快な気持ちにさせません。
▼お客様を不快にさせてしまう対応の例
- 正論をぶつけて反論してしまう
- 相槌を打つだけで詳しく話を聞いていない
- 早く電話を終わらせるために曖昧な回答をしてしまう
特徴2以降の内容も考慮しつつ、お客様を不快にさせないような発言・行動をすることが重要です。
【特徴2】お客様の話を遮らない
自分が話しているときに話を遮られるのは、クレームでなくとも不快に感じるのではないでしょうか。クレーム対応が上手い人は、話している途中で反論を挟んだり話を遮ったりしません。
クレーム電話口のお客様は、何らかの不満を持って電話をしています。つまり伝えたいことがあるはずなので、それを言い終える前にさえぎってしまうのはよくありません。
相づちを打ちながら最後まで話をしっかり聞き、抱えている思いを吐き出してもらいましょう。話を遮らずにしっかり聞く姿勢を示すことで、相手に安心感も与え、不快感も和らいでいきます。
【特徴3】お客様の主張を否定しない
クレームの内容を確認する過程で、お客様の主張を否定するような発言は控えなければなりません。話の途中で「本当かな?」と感じることがあっても、お客様の気持ちを尊重して、否定せずに最後まで聞くことが大切です。
対応の上手い人は、相手の言い分を否定せずに敢えて同意しながら、お客様の「味方である」という姿勢を見せます。
たとえ、お客様側の間違いや勘違いだったとしても、「わかりにくい説明で申し訳ありませんでした」「誤解を招き、大変失礼いたしました」など、相手には非がない姿勢を示して対応しましょう。
【特徴4】威圧的な言葉を使わない
お客様に対して、威圧的な言葉を使わないことも大切なポイントです。
言い方や伝え方次第で、相手に与える印象が大きく変わります。仮にお客様のミスだったとしても、威圧的な言葉は使わないようにしましょう。
お客様からの問いかけや訴えに対して、「普通はこうです」「そういう決まりとなっています」など、淡白に返してしまうことも注意が必要です。
社内や企業内での決まりは、お客様には関係のないことです。また、社内では当然の決まりごとや認識が、相手に伝わっているとは限りません。お客様が不快に感じるような、威圧的な言葉や横柄な態度は慎み、柔らかい口調で対応するよう配慮しましょう。
まとめ:上手い人のテクニックから学び、クレームを企業の宝に
今回は、「クレーム電話の対応が上手な人の特徴」をお伝えしました。
クレーム対応は、お客様との信頼関係を築く絶好のチャンスです。丁寧に対応することで、利用者へのヒアリングにもつながります。クレーム対応のスキル向上には、過去のクレームをもとに対策を考えたり、上手い人の対応からテクニックを学んだりすることが効果的です。
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