クレームは、企業における大きな悩みのひとつです。しかし、クレームは悪質なものばかりではありません。
正当なクレームに対してしかるべき対応をすれば、クレーム客が一転してロイヤルカスタマーになる場合もあります。
そこでこの記事では、クレームの対応マニュアルとして、状況別やクレームの種類別などさまざまな角度からクレームの対応策を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
シンカでは、クレームの基本的な対応方法をまとめたマニュアルを用意しています。すぐに使えるフレーズもあわせて紹介しているので、万が一のクレームに備えぜひダウンロードの上お手元でご活用ください。
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クレームを悪化させないためには一次対応が重要!
クレームの早期解決に大切なのは、一次対応でクレームを悪化させないことです。
クレーム電話をかけてくる顧客の多くは、不満や不快感で怒りに近い感情を持っています。その顧客の怒りを、一次対応する担当者がどこまで鎮められるかによって、今度の対応は大きく変わります。
一次対応で顧客の気持ちを汲み取るような対応ができれば、顧客は「自分の問題が真剣に受け止められている」と感じ、解決に向けたやり取りがスムーズに進むでしょう。
一方で一次対応での印象が悪いと、顧客の怒りは増幅し、問題の解決が困難になる恐れもあります。
クレームの解決に向けてスムーズに話を進めるためにも、クレーム時の一次対応は非常に重要です。
とはいえ、具体的にはどのような一次対応をすればよいのでしょうか。ここからは、クレーム電話を受けたときの基本的な対応を、具体的に紹介します。
【例文付き】基本的な流れに沿ったクレーム電話の対応マニュアル
ここからは「たまたま出た電話がクレームだった」というシチュエーションを想定して、クレーム電話の対応マニュアルを紹介します。
主な流れは以下の4ステップです。
- 謝罪する
- 話を聞く
- 保留にして上司の指示を仰ぐ
- 上司の指示に従って対応する
さまざまな種類のクレームがありますが、ここで紹介する4ステップはどの種類のクレームにも使える対応方法です。それでは、ひとつずつ紹介します。
【ステップ1】謝罪する
クレームの電話をとったら、まずは謝罪しましょう。
しかしここでは「不快にさせてしまったこと」「ご不便をかけていること」に対しての謝罪に留めます。顧客の主張に対しての謝罪は、事実確認をした後です。
顧客の気持ちに対して謝罪をすることで、「自分の問題や不満が真剣に受け止められている」などの印象を顧客に与えることが期待できます。
謝罪のフレーズ例は以下です。
▼例
「ご不快なお気持ちにさせてしまい、誠に申し訳ございません」
「ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません」
また謝罪時には「何に対して謝罪しているのか」を伝えると、より謝罪の気持ちが伝わりやすくなるのでおすすめです。
顧客へ謝罪するときのポイントに関してもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【ステップ2】話を聞く
謝罪後に顧客が落ち着いたら、顧客の話を聞きます。
「この電話で解決しよう」や「早く電話を終わらせよう」などの態度が顧客に伝わると、「ちゃんと話を聞いてくれない」と顧客の怒りを買うことになりかねません。
また、顧客の話を遮ったり否定したりするのも逆効果なので、まずは顧客の言い分を聞くことに徹しましょう。
聞くべきことは以下の5点です。
- いつ発生したか?
- どんなことが起こったか?
- 何が不満なのか?
- 誰が不満なのか?
- 要望はなにか?
以下では「購入したばかりの車が動かない」というクレームを例に、上記5点を聞いたときのフレーズを紹介します。
▼例
- 「車が動かないと気が付いたのは本日ですか?それとも本日より前でしょうか?」
- 「車が動かないということですが、エンジンもかかりませんか?ライトはつきますか?」
- 「購入されたばかりの車が動かなくて不便、ということでございますよね。誠に申し訳ございません」
- 「今お電話くださっているお客様の車が動かない、ということで間違いございませんか?」
- 「一刻も早く車を使用されたい、ということで間違いございませんでしょうか?(返品のご希望があるかもしれない)」
5番目の顧客の要望は、もし聞けそうなら確認しましょう。
上記の例では、「動かなくなった車を使えるようにしてほしいのか」「動かなくなった車は返品して他の車と交換したいのか」で取るべき対応が変わってくるからです。
とはいえ、顧客が興奮していると要望まで聞けない場合もあります。
顧客と話ができる状態でない場合は、早めに保留にしてステップ3に進みましょう。
【ステップ3】保留にして上司の指示を仰ぐ
事実確認や要望など必要事項を顧客から聞いたら、保留にして上職の指示を仰ぎます。
▼例
「詳細をお聞かせくださりありがとうございます。確認いたしますので、お電話このままで少々お待ちいただけますでしょうか」
事実確認や顧客の要望を聞く前に保留にしても、上司は今後の対応に関して検討できません。できるだけ必要事項を確認した上で保留にしましょう。
顧客が興奮していて話を聞けずに保留にした場合は、顧客が話せる状態でないことを上司に伝え指示を仰いでください。
【ステップ4】上司の指示に従って対応する
最後は、上司の指示に従って対応しましょう。
その場で上司や担当者が電話を代わってくれる場合もありますし、事実確認が必要な場合や担当者がいないときは一旦電話を切って折り返しの対応になる場合もあります。
顧客に伝えるときのフレーズ例は以下です。
▼例
「ただいま担当に変わります。お電話このままで少々お待ちいただけますでしょうか?」
「事実を確認しますので、改めてこちらからご連絡してもよろしいでしょうか?」
顧客に折り返しの電話を案内する場合は、折り返しに都合の悪い時間や折り返すときの連絡先を確認したうえで、以下の項目も伝えましょう。
- 逃げていると誤解されないため折り返す理由をきちんと伝える
- 不安を与えないよう折り返しに必要な時間を具体的に伝える
相手の認識を再確認するために、顧客の要望や折り返す時間を復唱してから電話を切ります。
クレーム対応では、顧客のクールダウンを目的に折り返し電話をおこなうケースもあります。
電話の折り返しに関して詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
ここまでは基本的なクレーム対応に関して紹介しましたが、イレギュラーな状況でクレームに対応しないといけない場合もあるのではないでしょうか。
ここからは、イレギュラーな状況下でのクレーム対応に関して紹介します。
こんな場合はどうする?イレギュラーな状況のクレーム電話対応マニュアル
ここで紹介するイレギュラーな状況は以下の3つです。
- 第一声で上司を出せと言われた
- 自らの対応でクレームに発展した
- 英語でクレームを受けた
イレギュラーとお伝えしましたが、電話対応をしていればどれもありうる状況ではあるので、ぜひ対応方法をチェックしてください。
【状況1】第一声で上司を出せと言われた
最初の状況は、電話に出た第一声で「上司を出せ」と言われたときです。
このとき、顧客に言われるがまま上司に電話を代わるのはNGです。まずは自分が窓口であることを伝え、クッション言葉を活用しながら以下の情報を確認しましょう。
- 氏名
- 連絡先の電話番号
- 用件
第一声で「上司を出せ」と言われたときの対応例は以下です。
▼例
「上司を出せ!」
「かしこまりました。まずは私が窓口となって上司にお電話をいただいたこと申し伝えますので、大変恐れ入りますがご用件を教えていただけますでしょうか。」
しかし、上記のように伝えても顧客が興奮していて話が通じないときは、保留にして上司に対応を相談しながら進めましょう。
無理をして詳細を聞こうとすると、さらに大きなクレームに発展する場合もあります。
「上司を出せ」と言われた場合の対応に関して詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
【状況2】自らの対応でクレームに発展した
次に紹介するのは、自らの対応でクレームに発展してしまったケースです。
最初は問題なく対応していたのに、自らの対応や失言によって顧客に不快な気持ちを与えてしまったとき、クレームに発展する場合があります。
もし自分の失言が原因だと明確にわかっている場合、その場ですぐにお詫びしましょう。
▼例
私の不用意な発言によって不愉快なお気持ちにさせてしまい、誠に申し訳ございません。
謝罪しても顧客の怒りが収まらない場合は、顧客に理由を伝え了承をもらってから保留にし、上司に相談します。
▼例
「大変申し訳ございません、お客様からご指摘について上司にも報告いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
失言はなくても、通信状況や周りの雑音が原因で相手の声が聞き取れず「もう一度お聞かせいただけますか?」など繰り返し顧客に聞くことでクレームにつながるケースもあります。
このような状況で便利なのが、通話録音機能です。
コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」には、自動で全通話が録音できる機能が搭載されています。
もし通話中に顧客の声が聞き取れなくても電話終了後にゆっくりと聞き返すことができるので、聞き直しによるクレームの予防に効果的です。
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【状況3】英語でクレームを受けた
最後は、英語でクレームを訴えられるケースです。
もし部署内に英語が得意な人がいたら、以下を伝えて対応を代わってもらいましょう。
▼例
May I transfer you to someone who can speak English?
(英語が話せるものに電話を代わってもいいですか?)
もし英語が話せる社員がいない場合は、以下のフレーズを使って必要事項を聞き出します。
▼例
- How may I help you?(どのようなご要件でしょうか?)
- May I have your name, please?(お名前を教えていただけますか?)
- May I have your company name, please?(社名を教えていただけますか?)
- Could you please spell your name for me? (お名前のつづりを教えていただけますか?)
- May I have your phone number?(電話番号をお聞きしてもよろしいでしょうか?)
英語でのクレーム対応や電話対応に使えるフレーズに関して詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
ここまではイレギュラーなシーンのクレーム対応に関して説明をしてきましたが、クレームにも種類があることをご存知ですか?
クレームの種類に関して知ることは、どんな対応を顧客が求めているかがつかみやすくなり、的を外さない対応に有効です。
ここからは、クレームの種類別の対応方法に関して紹介します。
クレームには種類がある!種類別の電話対応マニュアル
クレームには、主に以下の3種類があります。
- 問い合わせ
- 不満
- 嫌がらせや暇つぶし
対応するときに意識すべきことの違いは、確実に押さえたいポイントです。それでは、ひとつずつ紹介します。
【種類1】問い合わせ
最初に紹介するのは、「商品がうまく使えない!」「エラーがでる!」など問い合わせに近いクレームです。
問い合わせ系のクレームは、問い合わせに対して適切な回答をすることで、顧客の不満や疑問が解消されます。
問い合わせ系のクレームでは、顧客に質問をして「何を解決したいのか」「どうしたら解決できるのか」を考えながら会話を進めていきましょう。
「うまくいかない」など曖昧なクレームも多いので、「うまくいかないとはどういう状態か」を丁寧に確認して現状を把握しながら進めていくことが大切です。
▼例
「商品がうまく使えないんだけど!」
「うまく使えない、ということですが、電源は問題なく入りますか?」
「エラーコードはでていますか?」
【種類2】不満
次に紹介するのは、商品やサービス内容、来店時の接客などの満足度が低い場合に発生する不満系のクレームです。
クレーム内容が正しいかの事実確認に時間を要するので、一次対応での解決が難しい場合が多くあります。
不満系のクレームは、のちほど担当者に引き継ぐことを踏まえて、不満の詳細をできる限り詳しく聞き取りましょう。
また「不満に対してどのような対応をしてほしいのか」など顧客の希望まで聞けると、担当者がクレーム解決に向けた方針を立てやすいです。
▼例
「商品が壊れて届いたんだけど!」
- 「ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。」
- 「商品は箱を開けた時に壊れていた、ということでしょうか?」
- 「新しいお品物と交換させていただきたいのですが、いかがでしょうか?」
- 「配送業者にも確認をいたします。確認が取れ次第ご連絡いたしますので、お時間を少々いただいてもよろしいでしょうか?」
【種類3】嫌がらせや暇つぶし
最後は、正当な理由がないにも関わらず問い合わせてくる、嫌がらせや暇つぶしの悪質なクレームです。
悪質なクレームの場合はこちらには非がないので、毅然とした態度で臨むことが大切です。
▼例
「何度でも電話するぞ!」
「何度電話をいただいても、回答が変わることはございません」
「そっちから電話をかけなおせ!」
「大変申し訳ございません。これ以上お話しすることはございませんので、対応いたしかねます」
「名前と住所を教えろ!」
「プライバシーにかかわる個人情報は、一切お答えできません」「この会話を動画サイトにアップロードするぞ!」
「不特定多数に公開する目的で録音する場合は、電話を続けられないため失礼させていただきます」
「お前の意見を聞かせろ!」
「個人的な意見を言える立場ではございません」
悪質なクレームへの対応が自社で手に負えない場合は、弁護士へ相談することも検討しましょう。
悪質なクレームに対する対応方法に関して詳しく知りたい方は、以下もぜひ参考にしてください。
ここまではクレームに対してすべきことを紹介しましたが、クレーム対応が上手い人は、あえてしていないことがあります。ここからは、クレーム対応でのNG行為を紹介します。
これってNG行為?クレーム対応が上手い人がしないこと4つ
クレーム対応が上手い人がしないことは、以下の4つです。
- お客様を不快にさせない
- お客様の話を遮らない
- お客様の主張を否定しない
- 威圧的な言葉を使わない
クレーム対応が上手い人は、共感の姿勢を崩さずに顧客を不快な気持ちにさせないことを第一に考えています。顧客を不快にさせると、クレームが悪化するからです。
また、顧客が伝えたいことを言い終える前に話を遮ると「ちゃんと話を聞いてくれない」などの不信感につながるため、話している途中で反論を挟んだり話を遮ったりもしません。
悪質なクレームでない場合は、顧客の味方である姿勢を見せるため、相手の言い分を否定せずにあえて同意しながら、威圧的な言葉を使わずやわらかい言葉で話を進めます。
興奮した顧客から語気強く嫌味を言われることがあっても、クレームが悪化するような横柄な態度は決してとりません。
クレーム対応が上手い人は、冷静でいられて論理的な思考ができるなどの特徴もあります。
クレーム対応の上手い人が実践している行動や姿勢に関してもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご一読ください。
クレーム対応の上達には、電話対応スキルの向上とクレーム対応の経験が必要不可欠です。
とはいえ「クレーム電話は頻度が少ないため、練習する機会が少ない」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
クレーム対応のスキル向上と並行して、クレームを減らす仕組みを整えるのもおすすめです。
ここからは、クレーム削減に活用できるコミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を紹介します。
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カイクラを導入すれば、すべての通話を自動で録音でき、電話終了後でも通話が聞き返せるので、言った言わないのトラブルや聞き漏らしの心配もなくなります。
「『通話録音』は、クレーム防止と対処の両面から役立っていますね。
たまたまクレームの電話が入ったとしても、録音されていた内容を聞きかえし、『いついつにこういう話をしていましたよね』と対応ができるので、クレームの悪化を未然に防ぐことができます。
また、自社対応を聞きなおすことによって、『このような話し方をすると、クレームにつながるよね』といったように教育することも可能になりました」
またクレーム対応の上手い社員の通話録音を共有することで、電話対応の教育にも活用できます。
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まとめ:的確な一次対応にはクレーム対応電話マニュアルがあると安心!
クレームのスムーズな解決には、的確な一次対応が必要不可欠です。
顧客の気持ちに寄り添った謝罪や、状況や要望を聞き取ろうとする真摯な姿勢は、顧客の興奮を鎮め、解決に向けて好意的な状態で担当者に引き継ぐことにもつながります。
クレーム電話が着信した際は、今回紹介した対応方法を試してみてください。
とはいえ、クレーム電話に対応する機会は滅多にない方も多いと思います。予期せぬクレームでも的確に対応できるよう、手元にクレーム対策専用のマニュアルがあると便利です。
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