カスタマーサクセスという言葉が日本でもよく聞かれるようになってきました。
アメリカやヨーロッパでは、数年前からカスタマーサクセスというビジネス手法が使われるようになっています。
日本ではこれからカスタマーサクセス無しでは、企業が生き残っていけないと言われるほどです。
世界のビジネス界で注目されているカスタマーサクセスとは一体何なのか考えてみましょう。
さらに、どうしてこのビジネス手法が評価されているのかも調べてみました。
カスタマーサクセスとは何かを徹底解説
カスタマーサクセスとは直訳すると顧客の成功という意味です。
簡単に言うなら、このプロダクトを使って良かったという成功体験を顧客が得られるようにサポートするビジネス手法のことです。
カスタマーサクセスにはあらゆる業務が含まれています。
例えば、下記のような業務です。
★カスタマーサポート
★顧客満足度調査
★プロダクト開発
カスタマーサポート業務と聞くと、カスタマーサクセスと何が違うのと思われるかもしれません。
言葉は似ていますがこの二つには大きな違いがあります。
カスタマーサポートは、プロダクトユーザーから問い合わせがあったときに対応します。
プロダクトを使っていて不満を持ったり、問題を抱えたりしたときの問い合わせに対応する業務です。いわば顧客からの問い合わせがあってから動き出す、待ちの手法です。
反対にカスタマーサクセスは攻めの手法です。
顧客からの問い合わせが来る前に、プロダクトユーザーが必要としている情報を提示していくのです。
これをするためには顧客の潜在的なニーズを把握しなければなりません。
そのために重要になるのが顧客満足度調査という業務です。現時点での顧客の満足度をデータ分析する業務があります。
そこで得た分析結果を踏まえて、カスタマーサクセスを高めるプロダクト開発をしていきます。
既存のサービスの改良だったり、新規サービスの開発だったりをしていくのです。
これらがカスタマーサクセスに含まれる業務です。
どうしてカスタマーサクセスが必要なのかを分析
なぜこれほどまでにカスタマーサクセスが必要とされているのでしょうか。
市場と営業の分野で考えてみます。
市場の変化
カスタマーサクセスが必要なのは、市場の需要が今までと変わってきているからです。
プロダクトを買って所有する時代から、サブスクリプションで利用する時代へ変化してきています。
毎月定額を支払って、必要なときだけ必要なプロダクトを使う市場になってきているのです。
サブスクリプションの市場は毎年二桁に迫る勢いで成長しています。
営業手法の変化
営業の仕方も変化して生きています。
今まではプロダクトをいかに売るかが営業の成功の指標でした。
これからは市場がサブスクリプションを求めていることから、いかにプロダクトを継続して使ってもらうかが重要です。
サブスクリプションの契約を得て、継続利用してもらう営業手法が必要となってきています。
市場と営業手法の変化に対応できるのがカスタマーサクセスなのです。
カスタマーサクセスの役割を理解しておこう
カスタマーサクセスがどのように顧客の成功を目指すのか説明します。
ビジネスにおけるカスタマーサクセスの役割を理解しておきましょう。
一般的に使われるカスタマーサクセスの施策は下記の通りです。
★コンタクトセンターの設置(電話、SMS(メール)、チャットボット、FAQ、通話録音、VOM分析)
★積極的な情報配信
★顧客との連携
コンタクトセンターを通し、様々なチャネルから瞬時に顧客と企業が双方向にコミュニケーションを取れる環境を作ることがカスタマーサクセスの最初のプロセスです。
例えば、プロダクトユーザーがチャットで質問したことにAIが自動で答えてくれるなどです。
自動で対応できない部分に関してのみ、オペレーターが介入するため人件費や時間を節約できます。それでいて顧客は迅速な対応を体験できるので満足度が高くなります。
プロダクトユーザーからのお問い合わせ内容から顧客のニーズを読み取り、そのニーズに応えられる情報をすべての顧客に積極的に情報配信します。
そうすると、自分から問い合わせる前に知りたい情報を得られたユーザーの満足度は上がります。
企業がサイトでも実際のイベントでも、顧客と連携できるような仕組み作りを作っていくことも大切です。
これらの施策を行っていきながらカスタマーサクセスを追求していきます。
カスタマーサクセスを企業が導入するメリットとは?
企業がカスタマーサクセスを導入するメリットは二つあります。
★利用者の生涯価値を上げられる
★サービスのクオリティが上がる
カスタマーサクセスをしていくことで、プロダクト利用者の生涯価値が上がります。
つまり1人の利用者から得られる利益が多くなると言うことです。顧客満足度が上がるほど、解約は少なくなり継続利用してくれます。
毎月の契約料を支払ってくれますし、追加の機能を購入してくれる可能性もあります。
成功体験をするとSNSでプロダクトを進めてくれるかもしれません。
カスタマーサクセスをするなら、企業と顧客のコミュニケーションが促進されます。
ユーザーの意向が反映されたサービス開発が出来、サービスのクオリティもアップしていきます。
なぜサブスクリプションでカスタマーサクセスが必要なの?
サブスクリプションサービスの分野でカスタマーサクセスが必要とされているのはなぜか分析してみます。
なぜならサブスクリプションは継続利用をしてもらってこそ、利益を回収できる仕組みだからです。
一般的には1年から2年の継続利用がないと利益が出ないようになっています。このサービスの魅力は、高額なプロダクトを格安の料金で利用できることです。
購入すると高いプロダクトを、毎月の安い料金を支払うことで利用できるのが最大のメリットです。
企業にとっては早々に解約されてしまうと利益を上げられません。
そこで解約を阻止し、継続利用を促すためにカスタマーサクセスが必要となります。
営業分野でもカスタマーサクセスが重視される理由
営業の分野でもカスタマーサクセスが重視されています。
プロダクト売り切り型の従来の営業では、プロダクトを買ってもらうまでが営業の仕事でした。
いかに顧客へプロダクトの特徴をアピールし、購入まで持って行けるかが営業の腕の見せ所でした。
しかし、今はサブスクリプションが主流になってきているため、営業に期待されている仕事が変化しています。
今はユーザーがプロダクト購入後に、SNSなどでプロダクトの情報を拡散するように促す業務が求められているのです。
利用者が自発的にSNSでプロダクトの宣伝をしてくれるようになるには、カスタマーサクセスが必要になってきます。
営業がカスタマーサクセスを求めていくことで、時代に合った営業業務が行えます。
カスタマーサクセスとは顧客が成功体験をするよう働きかけることです。
自社プロダクトを利用することで顧客が満足し、成功を体感できるようなサービスを提供していくことが含まれます。
さらに、企業とプロダクト利用者が連携できるような仕組み作りをすることも、カスタマーサクセスには含まれています。
市場はサブスクリプションが主流になってきているため、カスタマーサクセスの重要性は日に日に高まっているのです。営業スタイルも市場の変化に合わせて変わってきます。
プロダクトの継続利用を促したり、SNS拡散を促進したりする営業活動をしなければなりません。
そのために必要なのがカスタマーサクセスなのです。
カスタマーサクセスはあらゆるビジネス分野で、ますます求められるビジネス手法であると言えるでしょう。