ネッツトヨタゾナ神戸株式会社様は、2018年の「カイクラ」導入から7年。「未来へのDX投資」から始まったカイクラの活用は、今や「なくてはならない」インフラへと進化しました。
着信時の顧客情報ポップアップによるスムーズな対応は、スタッフの電話への苦手意識を払拭し、顧客体験の質を飛躍的に向上しています。
今回のインタビューでは、7年間にわたって継続利用している理由や、新たに導入した自動通話録音機能の狙い・効果について、管理部 経営企画グループ(※取材当時)の浜田俊彦氏に伺いました。
導入事例

7年間の実践が証明する顧客対応の進化
―「デジタルとクルマ」を掲げる企業が選んだ、カイクラ導入の変革 ―
- 社長の直感から始まったカイクラによるDX
- 着信ポップアップで顧客対応品質が劇的に向上
- 顧客の驚きと喜びがスタッフのモチベーションに
- 通話録音機能の導入で顧客データ活用の「攻めの資産」へ
7年間の実践が証明する顧客対応の進化
―「デジタルとクルマ」を掲げる企業が選んだ、カイクラ導入の変革 ―

課題解決ではなく「未来への投資」から始まったDX
ITツール導入の多くが「課題起点」であるとすれば、同社の「カイクラ」導入はその常識とは一線を画していました。特定の業務課題の解決ではなく、企業の先進的なビジョンとトップの直感が、同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)への第一歩を後押ししました。
──カイクラの導入の背景について教えて下さい。
「代表から『このシステムの導入をぜひ検討してください』と声を掛けられたことがきっかけでした」と語る浜田氏。この導入は、特定の課題解決を目的としたものではなく、社長の直感的な判断によるものでした。
「おそらく、雑誌やWebサイトなどでカイクラの情報を知り、その可能性に注目したのだと思います。」
「デジタルとクルマ」を掲げる企業文化が求めた先進性
社長がカイクラに注目した背景には、同社が掲げるコーポレートメッセージ「デジタルとクルマ」の存在があります。浜田氏が所属する経営企画グループは、常に最先端の技術動向にアンテナを張り、事業に取り入れるミッションを担ってきました。
「どこよりも最先端でありたいという思いは常に持っていました」という言葉通り、電話応対という日常業務に最新のITツールを掛け合わせ、顧客対応の質を高める。
この先進性を重視する企業の姿勢が、カイクラの導入へと繋がっていきました。

7年間使い続ける理由 「なくてはならない」インフラへ
多くのツールが短期的な効率化に留まる中、長期的に活用されるプラットフォームには共通点があります。それは、顧客と従業員の双方にポジティブな体験をもたらすことです。
カイクラは導入から7年、まさにその価値を提供することで、同社にとって「なくてはならない」インフラへと成長しました。
──カイクラ導入後の変化について教えてください。
「カイクラを導入してから、お客様への対応品質やホスピタリティは大きく向上しました。特に効果を発揮しているのが、着信時に顧客情報がポップアップ表示される機能です。顧客の名前がポップアップ表示されることで、迅速かつ的確な対応が可能となり、結果として顧客からの信頼に繋がっています。『もうカイクラなしでは電話ができない』という声があがるほどです。」
「電話した瞬間に名前を呼ばれる」体験が生む価値
──カイクラを使い続けている理由は何でしょうか?
「一番は、電話した瞬間に名前を呼んでもらえることに対して、いい意味ですごくお客様が驚かれるところですね。お客様の驚きの声や弾んだトーンは、対応したスタッフにとっても『ちょっと嬉しい』瞬間なんです。この小さな成功体験がスタッフのモチベーションを高め、より質の高い応対へとつながっていると思います。」
さらに浜田氏は「辞めるべき理由がない、ちょうどいい難易度のシステムだった」と語ります。「誰でも直感的に使え、すぐに効果を実感できる。このシンプルさと確かな手応えこそが、組織全体への定着を後押ししました。」
「安心感」と「効率化」が、従業員の働き方を変えた
「カイクラ」がもたらした価値は、顧客満足度の向上だけではありません。従業員の安心感と業務効率化にも大きく寄与しています。
着信時に顧客情報が表示されることで、電話対応への心理的ハードルは大きく下がりました。
特に若手社員の間で課題となりがちな「電話への苦手意識」に対しても、大きな支えとなっています。また、営業スタッフは外出先からでもスマートフォンアプリで着信履歴を確認でき、迅速な折り返し対応が可能に。これにより機会損失を防ぎ、レスポンスの速さが顧客からの信頼獲得にもつながっています。

活用の深化、自動通話録音機能への期待
個々の「便利なツール」から、組織全体の「戦略的インフラ」へ。「カイクラ」活用は、7年の時を経て新たなフェーズへと進化しています。
その象徴がデータ活用を本格化させる「自動通話録音」の導入です。
──通録機能を新たに導入することを決意された背景を教えてください。
「録音が当たり前になりつつある今、『言った言わない』のトラブル防止や電話対応の品質向上のためにも必要だと考えました。数年前から検討していた通話録音機能ですが、導入の決め手となったのは、同社が活用する「次期J」との連携でした。録音データを次期Jに蓄積できる点は非常に魅力的でした。全ての情報を一元的に溜めていける。これは未来の営業活動を支えるデータ基盤になると感じています」
通話録音を、トラブル防止の「守りのツール」から、顧客データ活用の「攻めの資産」へ。
そのビジョンが明確になったことが、迅速な意思決定につながりました。
──音声データをどのように活用していく予定でしょうか?
「新人に電話応対のスクリプトを徹底的に教えることができると思います。『できる営業マン』と『伸び悩んでる営業マン』の差は、電話での対応にもあるはずです。今後、蓄積された通話データを分析し、話し方、声のトーン、言葉遣いなどの差を可視化し、その分析結果から効果的なトークスクリプトを作成し、新入社員教育に活用することで、組織全体の応対品質の底上げを図りたいですね」
なぜカイクラは、数多のITツールの中で特別な存在になれたのか?
──他のITツールと比べて、カイクラの特徴は何でしょうか?
「多くのITツール導入は本部・本社の思いが先行していると思います。そこに現場が共感できるか、そして実際に使った時にお客様の反応を見て『良かった』と実感できるかどうかで、定着率も変わると思います」そう語る浜田氏は、カイクラが現場に受け入れられた理由をこう続けます。
「そういう意味では、カイクラはお客様のポジティブな反応を直接感じられるツールでした。この『あってよかった』という体験、そして『自分が楽になった』という実感が、利用のハードルを下げ、『ないと困る』という存在にしていったのだと思っています」
顧客の喜びを通じて、スタッフ自身がメリットを実感できること。そして、誰でも直感的に使えるシンプルな操作性。この2つが両立していたからこそ、カイクラは単なるITツールではなく、現場に根付く「当たり前のインフラ」として、7年間使い続けられてきました。
カイクラ導入で見えたDXの本質―創出された時間で「人間にしかできない価値」を提供
DX推進に対しては、現場からは時として「自分たちの仕事がなくなるのでは」という不安の声が上がりがちです。しかし浜田氏は、DXの本質をこう語ります。
「仕事がなくなるのではありません。『なくなった時間で次に何をするかを考える』ことが大事なんです」
カイクラによる業務効率化は、単に作業時間を短縮することが目的ではない。それによって創出された貴重な時間を、より創造的で「人間じゃないとできないこと」、すなわち付加価値の高い業務に振り向けること。それこそが、同社が目指すDXの理想的な姿です。
最後に浜田氏は、今後についてこう締めくくりました。
「これからもさらなる改善を続け、より良い顧客体験を提供していきたいですね」







