サービス業

予約電話の聞き違い・確認漏れをカイクラで解決しつつ、電話応対が苦手な新人の指導にも活用

2016年に大阪市北区・梅田にオープンした、海鮮居酒屋てつたろう・梅田中崎町店。「お客様の居場所となるお店創り」をコンセプトに掲げている通り、大阪有数の繁華街の立地でありながら「お子様大歓迎」と謳っているアットホームな居酒屋だ。実際、地域住民や近隣の学生・会社員に加え、ご家族連れでの来店も珍しくないという。
また、店主であり運営会社の代表取締役でもある柳川氏は、「事業そのものが社会貢献になること」を目指し、様々なボランティア活動に尽力している。

今回は、幅広い客層のニーズに応え続けている柳川氏と、店舗スタッフであり常務取締役も務める岩光様に、カイクラを導入した背景にあった飲食店ならではの課題、導入の経緯、導入後の効果などを忌憚なく語っていただいた。

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  1. 賑やかな店内で、接客しながらの予約電話対応に苦慮
  2. カイクラ導入の迷いを消した「食」にまつわるエピソード
  3. 予約内容の再確認と新人スタッフの指導に、通話録音機能を活用
  4. カイクラの履歴機能で、今まで以上に常連客に最適な接客が可能に

賑やかな店内で、接客しながらの予約電話対応に苦慮

これまで「てつたろう」では、電話で受けた予約内容に聞き間違いや漏れがあることが月に数件ほど発生していた。例えば、お名前や来店時間、コース名の聞き間違い、電話番号の確認漏れなどだ。スタッフ間での情報共有はできていたものの、そもそもの情報に間違いがあるため、来店当日、お客様も対応したスタッフも当惑するケースがあった。

 また、聞き取りづらい時は何度も復唱し、聞き漏らしがあれば後日かけ直して確認していたため、柳川氏も岩光氏も「本来は不要な時間」に手を取られていると感じていた。
 「スタッフは必死で聞き取ろうとしていますが、賑やかな店内で、接客と並行しながら間違いなく聞き取ることには限界があると感じていました」。

決してミスが頻発していたわけではない。それでも「予約を受け付けている店である以上、受付ミスはゼロでないといけません」と岩光氏は話す。同時に、経営者である柳川氏は「それまでは誰が間違えたのか分からなかったため、スタッフ全員に対して疑心暗鬼になりかかっていました」と、率直な思いを吐露する。

 結局、人に依存する仕組み自体を変える必要があると考えていた矢先に、柳川氏が共通の知人を介して知り合ったのが当社代表の江尻であり、当社の提供する電話業務における課題を解決するサービス・カイクラだった。

カイクラ導入の迷いを消した「食」にまつわるエピソード

「以前から通話内容を録音したいとは思っていて、いくつか通話録音サービスを調べていたんです。ただ、どれも複雑なシステムやコストがネックで踏み切れずにいました」と柳川氏。当社代表の江尻を通じ、カイクラを知るに至ったのはその頃だったが、当初はやはり、導入コストがネックとなり迷っていたと振り返る。

「江尻社長に教えていただいたカイクラは、通話内容はもちろん、通話履歴も顧客情報も確認できる理想的なサービスだと感じました。ただ、ほかに導入されている会社を見るとディーラーなど、単価の大きな業界が多く、『そらそうやな』という思いと、『そこまでの接客レベルに持っていきたい』という思いのはざまで悩んでいました」と柳川氏。

最終的に導入を決意した背景には、柳川氏自身が長年大切にしてきた「一食でも救える命がある」という信念があった。毎月ホームレスの方々へ弁当の配布を続けてきたその思いと、カイクラがもたらす顧客満足の可能性が重なったのだ。

 「一食、一杯が人を幸せにする――私の志と同じように、一つひとつの会話を大切にできる仕組みがあると感じました。サービス内容はすでに把握し、満足できるシステムだと知っていたので、あとは導入をお願いするだけでした」。

予約内容の再確認と新人スタッフの指導に、通話録音機能を活用

そうして「てつたろう」にカイクラが導入されたのが2024年のこと。現場を仕切る岩光氏は、第一印象で「すぐ使えそうだ」と感じたという。
 「実際、特別な訓練なしで誰でも使えるシステムだったので、正直、もっと早く導入していればと後悔したくらいです。導入事例に飲食店は載っていませんでしたが、むしろ飲食店こそ必要なシステムですね」。

運用の仕方としては、まだ予約受付に不慣れなスタッフが対応した際の録音をピックアップして聞き直し、伝え足りていない部分があれば、もう一度ベテランスタッフが連絡し直している。これまでも受け付けた内容に不備があれば再度連絡していたが、通話内容を確認した上でかけ直せるようになったため、説明内容が明確になり、話す時間も短縮化された。

 また、電話受付のマニュアルを作っていない同店において、カイクラは新人スタッフの指導にも役立っているという。「それぞれのスタッフの個性を活かしてほしいので、あえて電話対応のマニュアルは作っていません。ただ、例えば、電話を受ける際は全員同じように『元気に』『明るく』声を出してほしいんです」。

そこで活用されているのがカイクラの通話録音機能だ。「てつたろう」が求める元気で明るい声が出ていないスタッフに、同店の看板娘として活躍しているスタッフの理想的な電話対応の録音を聞いてもらっているのだ。

 「声のトーンや表現の仕方を、言葉で説明するのが難しかったんです。でもカイクラのおかげで、一発で正解を聞いてもらえるようになり、声の小さかったスタッフもすぐに2倍くらいの声が出せるようになりました。ただ単に『もっと元気に』などと指導していても、あれほど早く変わらなかったでしょうね」。

カイクラの履歴機能で、今まで以上に常連客に最適な接客が可能に

カイクラの導入で向上したのは、電話受付だけではない。店内での接客、特に、何度も予約して来られているお客様への対応の質も上がったと柳川氏は感じている。
 「初めて来店される方と、何度もお越しくださっている方では、当然、声掛けの仕方など、接客の距離感が変わってきます。ただ、お客様の中には、一度でスタッフが覚えてしまう印象的な方もいれば、何度も来られているのに印象が残りにくい方もいらっしゃいます。そうすると、どうしても後者のタイプのお客様に対し、満足な接客ができていないケースが生まれてしまうんです」。

 それがカイクラの履歴機能によって、電話予約されていれば来店回数が正確に分かるようにったため、お客様に関する認知がスタッフ間で平準化されたのだ。導入前は各スタッフの印象に頼っていたが、正確な情報を根拠に、全員が自信を持って常連客に適したアクションができるようになり接客の質の向上につながったのだ。

さらに今後は、着信時の第一声で「⚪︎⚪︎様、いつもありがとうございます」と伝える、名指し対応を進めていきたい考えだ。

「私自身、大阪の有名ホテルであらゆるスタッフが私の名前を把握していたことに感動した経験があります。てつたろうでも理想は『自分を気にかけてくれるお店』と感じてもらえる接客です。そうした接客を追求するためには、個々のお客様の情報を残せて、共有できるカイクラが大きな武器になりますね」。

現状、カイクラの管理画面の操作ができるのは柳川氏と岩光氏だけだが、今後は、操作できるスタッフを増やし、さらに効率と接客の質を向上させていく方針だ。
 「飲食店にとって電話は顔のような存在であり、お客様から信頼を得るための第一歩目にあたります。電話対応やスタッフの接客に課題を感じている飲食店さんには、導入をおすすめしたいですね」。